67camper's Blog

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「The Perfected Performer」

2007-05-29 06:59:35 | jazz & vocal
My Heart Sings/Tony Bennett
(Columbia CS8458)


 「The Perfected Performer」はMelody Maker誌がトニーに冠した褒め言葉です。コロンビア時代のトニーの素晴らしさは,この時代のアルバムどれをとっても納得のいくモノです。10年ほど前に,高知で彼のステージを見る機会がありましたが声量も落ち、このときには自分がレコードで聞いてたトニーの溌剌とした歌唱は影をひそめ、やたら手を大きく広げるパフォーマンスだけが脳裏に焼き付いており少し落胆した想い出があります。これにくらべ50年代終わりから60年代初頭のレコードで聞けるトニーの素晴らしさは,ピアノとのデュオ(当然。ラルフ・シャロンです。エバンスでは×)でもカウント・ベイシーのバッキングでも対等に渡り合えるだけの歌唱力があり聞き逃せません。本日アップのアルバムも62年の録音の彼の人気盤です。

 トニーは影響を受けたアーチストとして、Al Jolson, Fred Astaire, Ray Charles, Jimmy Rushing, Miles Davis, Kurt Weill, Ella Fitzgerald, Billie Holiday, Mildred Bailey, Peggy Lee, Sarah Vaughanを挙げています。収録曲は彼らのレパートリーを中心に選曲されており,それぞれの曲に独自の解釈がなされています。以下、括弧内がtributeされたgreatestです。A面は"Don't Worry 'Bout Me"(Ella), Dancing In The Dark"(Astaire, Artie Shaw), "I'm Comin' Virginia"(Ray Charles, Jimmy Rushing), "My Heart Sings", "It Never Was You"(Kurt Weill), "You Took Advantage Of Me"(Billie), B面が"Close your Eyes"(Peggy Lee), "Stella By Starlight"(Sinatra), "More Than You Know"(Mildred Bailey), "My Ship"(Miles, Gil Evans), "Lover Man"(Sarah), "Toot, Toot, Toosie!"(Al Jolson)の10曲です。全曲聴きモノ,全曲4番バッター的で素晴らしいですよ。 演奏はラルフ・バーンズ指揮のビッグバンドで、これがまたいいです。随所で聞かれるズート・シムズのソロは最高です。他にもエディ・コスタ(vib)やチャック・ウェイン、バリー・ガルブレイス,マンデル・ロウ(g)、アービー・グリーン、フランク・リハック(tb)、ミルト・ヒントン(b)など名手のサポートが聞けるのもうれしいですね。

 所有盤はコロンビア6eyeのステレオ/オリジナルです。demonstration盤でアメリカの元オーナーのステッカーがベタベタと貼られてますが,音は完璧でトニーの歌,バックの演奏もステレオならではの広がりで録られており気持ちが良いですね。


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これが無い (ebi)
2007-05-30 18:48:54
彼のアルバムは30枚以上持っているのに、このアルバムだけ無いんです。
ラルフ・バーンズ良いですよね。
良く考えると彼もあと何枚かで12インチはコンプなんですが。
でもこの頃の彼良いですよね。
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ぜひ入手を! (67camper)
2007-05-30 23:33:46
ebiさん,コメントありがとうございます。
30枚以上あってこれがないとは・・・
このトニーにコメントくれるのはやっぱりebiさんだろうと思っていました。
じぶんはebiさんほどは所有していませんがこれと下記4枚がベスト5だと思っています。
「Songs For The Jet Set」、「TONY SINGS FOR TWO」、「WHEN LIGHTS ARE LOW」、「Cloud 7」+本アルバム
本アルバムも他の4枚と良い勝負ですよ!ぜひ入手を。
いずれもコロンビアで60年前後の作品と思います。彼の場合はラルフ・シャロンが重要ですよね!
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Unknown (bassclef)
2007-05-31 06:32:00
67camperさん、ebiさん、こんにちわ。
トニー・ベネットは、なぜかしら好きなので、いくつか持ってます。(ほとんど再発か国内盤)
このMy Heart Singsはfresh sound再発で楽しんでます。camperさんが書かれているように、ズートのソロも出てくるし、むちゃくちゃ豪華なライブだったようですね。
camperさんが挙げられた推薦盤、どれもいいですね。
Songs For The Jet Songsの「ジェット機のサンバ」(だったか?)の最後のところ・・・空港から出た(と思しき主人公が)「タクシー!」と言うセリフ~あれなんか最高ですよね!ベネットでなければ・・・
わざとらしすぎて、イモになっちゃいます(笑)
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好演のZOOT (67camper)
2007-05-31 07:21:26
bassclefさん,コメントありがとうございます。
このzoot, 短いスペースで言い切るソロが最高です。

「TAXI!」はSongs For The Jet Songsの「ジェット機のサンバ」には入ってないのでは?
以前のログのコメント欄にbassclefさん、コメントしてくれてますよ~!
http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/d24ed5e49dd49fc7c38f1b077fb8ef42
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いやあ・・・また間違えた(笑) (bassclef)
2007-05-31 07:26:29
ああ、ホントだ(笑)この時も勘違いしてますね。1年して、またまた思い込んでました。一度、そう思い込むとダメですね(笑)お恥ずかしい・・・。
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気にせず行きましょう! (67camper)
2007-05-31 08:49:03
bassclefさん、コメント有り難うございます。
自分なんか、しょっちゅうですから気にせずに!
また、渋いコメントお待ちしていますよ。
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最近のトニー (ssj)
2007-06-05 23:35:09
 トニーの高知公演は1989年だったと思いますが、「高知で聴いたトニーは声量が落ち...」とおっしゃられても、30年前と同じボリュームを期待するのはもともと無理ではないですか。

 どちらの声が好きかは人それぞれでしょうが、1980年代に入ってからのトニーは年齢にあわせて歌い方を変えてきており、80歳になった今も素晴らしい歌を聴かせてくれていると思います。近年も水準の高いアルバムばかりですが、中でも The Art Of Romance は出色の出来だったと思います。ハイライトはジョニー・マンデルの Close Enough for Love で、この歌には久々にゾクゾクさせられましたし、封を切って5回も連続して聴いた新譜は21世紀になって初めてです。
 
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トニーの絶頂期 (67camper)
2007-06-06 00:01:12
ssjさん,コメントありがとうございます。
そうですよね。60年代と同じように唄うのは無理っすよね。
最近のTONYはあまり聞いてません。
すみません。
その時代時代にあった唄い方なんでしょうね。
60年代の溌剌としたトニーが好きなことには変わりないですが,別に90年頃のトニーが悪いんじゃないですよ。
あくまでも好みの問題としてお許しを!
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絶頂期の歌唱 (cooker)
2007-06-08 01:59:00
こんばんは、camperさん。
このアルバムは、昔、ジャズ批評にジャケットが載り、ものすごく欲しくなったのですが、偶然しばらく後に、6eyesのモノ盤を入手できました。ジャケットは、スレが多少気になるのですが、盤質は良いです。久々に聴きましたが良いですね。ベネットは、ジャズ歌手というより、ポップスよりの歌手だと思いますが、歌唱力は、抜群ですよね。それにズートのソロ。
以前NHKでやっていた'60年代のエド・サリバン・ショーで、彼の歌の伴奏バンドでズートがソロをとっていましたが、彼は、”ズート・シムス、ズート・シムス”と2回くらい、連呼していました。敬意が感じられて良かったですよ。
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コロンビア時代 (67camper)
2007-06-08 03:08:04
cookerさん,コメントありがとうございます。
やっぱりコロンビア時代が最高ですね。このコメントのトップに書きましたが上記5枚のできは本当に素晴らしく,ベネットを語る上でははずせませんね。

エド・サリバン・ショーは丹念に見てみたいプログラムです。いろんなアーチストが呼ばれており,特にボーカルファンには興味が尽きないと思います。
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