Big City Sounds/The Jazztet
(Argo LP 672)
(Argo LP 672)
アーゴのベストセラーというとアルバム数で行くとラムゼイ・ルイスやアーマド・ジャマルのアルバム群が思い出されますが、アート・ファーマー、ベニー・ゴルソンを中心とするジャズテットのアルバム群も負けず劣らずジャズファンのハートをぐっとつかんでいるのではないかと思います。ジャズテットではゴルソンの作曲の才能と、3管3リズムに寄る厚いアンサンブルと憎い編曲、そしてソロイストの熱いアドリブを駆使して独特のグループサウンドを作り出した点が重要でモダンジャズ史上でも一つのコンセプトを貫いたグループとして重要であろうと思います。本日はこのジャズテットの一枚をアップしますね。
録音60年9月、ジャズテットはオリジナルメンバーにはマッコイ・タイナーやカーティス・フラーががいたのですが、メンバーの入れ替わりもあり本アルバムではArt Farmer(tp), Benny Golson(ts), Tom McIntosh(tb), Cedar Walton(p), Tommy Williams(b), Albert Heath(ds)のセクステットです。楽曲的にも、ゴルソンのオリジナルが4曲で"The Cool One", "Bluen On Down", "Bean Bag", "Five Spot After Dark"が取り上げられています。特に重要なのがA-1の"The Cool One"とB面最後の"Five Spot After Dark"でゴルソンの作曲の才能を100%示した佳曲ですよね。A-1を聴くと美しいメロディ”おおっ、ジャズテット”という厚いサウンドにニンマリです。Five Spot ~"に関してはその美しさについては説明不要ですよね。他にも"Hi Fly", "My Funny Valentine", "Con Alma", "Lament"などジャズを代表する名曲のセレクションがうれしいですよね。双頭リーダーのファーマー、ゴルソンのプレイ、サウンドが素晴らしいのは言うまでもありませんね。
所有盤はアーゴのプロモでホワイトラベルのモノラル盤です。コーティングが効いたカバーも秀逸です。
さて、このアルバムは国内盤で持っていますがどうにも寝ぼけたサウンドで、演奏まで気が入っていないように聴こえてしまいます。
しかもゴルソンはこのエンジニアのトミー・ノーラを気に入って機会あるごとに起用していたということを知り、まったく不可解でした。
ところが最近、同じくトミー・ノーラ録音の「THE JAZZTET & JOHN LEWIS」(アーゴ)のオリジナル盤を聴いてそのクリアなサウンドにビックリ!おかげで改めてジャズテットの演奏を楽しむことができました。
このアルバムもオリジナル(に限らずそれなりのクオリティの輸入盤)で聴くとまったく別物かと想像します。
それにしても国内盤の音はひどすぎます。あれを聴いて「ジャズテットってこんなものか」と思われてはジャズテットもトミー・ノーラも気の毒です。
今週はハード・ワークでLES McCANNやGRANT GREENなどの得意分野が出ていたにも拘らずコメントできずにいました。でもさすがにこんなものを出された日には寝てなど居られません(笑)。
JAZZTETの2作目はフラーがゴルソン、ファーマーと同列に扱われなかったことを理由に抜けてしまい替わりにTOM McCINTOSHが加入するのですが、後年作曲やアレンジ面で才能を爆発させる鬼才もまだデビューまもない頃で演奏技術ではフラーの足元にも及びません。でもJAZZTET=3管のハーモニーと考えなければ、むしろ高名なデビュー作よりこちらの方が全体の内容も演奏も優れていると思います。個人的には「WONDER WHY」が大好きなのでいつもB面ばかり聴いています。
手持ちはブラック・ラベル(溝なし)、ピンホールがあるため2000円くらいでした。コーティングの効いたジャケはJAZZTET全6作の中ではダントツにイカシてます。
Tommy Nolaというエンジニアについて自分は浅学故、知識がないです(涙)。こういうエンジニアによるサウンドの違いって言うのもあるんですね。奥が深いです。
少し調べたら、エヴァンスやファーマーのアルバムにはこの名前がよく見られます。やはり相当凄腕のエンジニアだったのでしょうねぇ・・・
また勉強になりました。
これからも鋭いコメントをお願いします。
自分はこの盤のみがオリジで、後は国内盤再発です。やはり国内盤の貧弱なサウンドは興ざめですね。
フラーが抜けた理由はそこなんですか?!知りませんでした。フラーとゴルソンというのは、一度ライブで共演したのを聴いたことがあります。もう20数年前の広島のライブだったと思います。ボビ・ハチやシダー・ウォルトンが一緒だったような・・・。それにしても、何故同等じゃなかったのかなぁ・・・???
マッキントッシュって言うのも、あまり馴染みがないのですがサドメルやライオネル・ハンプトン楽団でアレンジ中心に活躍したプレイヤーのようですね。これに注目しているところがNOTさんですね。さすが!
自分はこれのみがオリジなんですが、他はコーティングがないのですか?
日本盤の音の悪さも一因かもしれません。
個人的にはジョン・ルイスとの共演盤が、良くも悪くも不思議な魅力かと思います。
このアルバムはジャケットの魅力が一番かと(微笑)。
ジャズテットでは一番人気はやっぱり、フラー、マッコイを含む最初のやつでしょうね。これのアヴァロンのマッコイが凄い。確か20才に見たない頃の演奏と思いますが、ややこしいことしてなくっていいですね。まあこのままでは一連のマイルストーン盤は生まれなかったでしょうけど。(笑)
ジョン・ルイス盤よかったですかねぇ。?
またじっくり聴いてみます。
自分はMeet John LewisとBirdhouseのライブ盤しか所有していないんですが、ご紹介盤のマイファニーや5スポット・・聴いてみたいですね!
ジャズテットというと(JMなんかもそうでしょうが)揃いのアイビースーツが実にカッコイイイメージあるんですが。ゴルソン、ファーマーともに当時はお洒落でしたよね(笑)
ジャズテットもJMもそうでしたね。
この時代になると、ややVゾーンがおおきくなりますよね。
ジャケットの釦が、最初は4つ釦の上3つ掛けだったのが、3つ釦の上2つ掛けになっているかもしれませんね。
パンツが細身で坊主頭でカッコいいですよね。
日本人では真似できないっす。
それでもメンクラで「ジャイビースタイル」として紹介されてたのを思い出します。
ところが何度か聴くうちにジワジワとジャズテットの存在感が滲み出てくるような、そんな感じだと思います。
国内盤再発ですが、自分もちょっと聴いてみました。NOTさんが言われるように繰り返して聴いてみると、また変わってくるかもしれませんね。A-1やA-3で聴かれるゴルソンが良いですね。締まったテナーサウンドで結構うねってくれるし、意外にもメロディックです。多分ルイスのアレンジが入ってると思うのですが、これが思いのほかしっくり来ていると思います。
タイトル的には自分の意識の中ではミスマッチだったのですが、再評価しないといけませんね。ありがとうございました。
他の方のコメント、新たな発見を生みますよね。