Speak No Evil/Wayne Shorter
(Blue Note BST84194)
ウェイン・ショーターって言うプレイヤー、あなたは好きですか?デビューしたてのVeeJay盤に始まり,メッセンジャーズ3管の音楽監督の時代,数々のBNの新主流派アルバム,マイルスバンドでの仕事,そしてWeather Report, VSOPと50年大の終わりから常にジャズの表舞台を歩いて来たプレイヤーです。わかっているのですが,哀しい哉、自分の感性は相当に鈍いらしく,ショーターの演奏をいまだかつて楽しんで聴けたことがありません。本アルバムはひょっとしたらショーターのBN盤の中では最高傑作かもしれないですが、やはりピンと来てない自分に腹立たしさを覚えるのです。
JMだってモーガン/ゴルソンが好きだし,3管になってもショーターのテナーって影が薄くないです?マイルスのコンボだって、マイルスとハンコックは目立っててもショーターは何となく影の薄さを感じてしまいます。WRにいたっては所有盤がありましぇん!!!でもこのリーダー盤のプロデュースは当然ショーターだろうし,JM3管の心地よいサウンドの厚さを支えたのもショーターのペンだろうと思います。そう言う意味では、プレイヤーというよりアレンジャー,コンポーザー的な魅力が素晴らしいのでしょうね。この盤,タイトルからして意味不明,フォークロアやブラックマジック的なコンセプトが存在しているのだろうけど,いまいち感性のの乏しさが邪魔して理解不能です。メンバーはFreddie Hubbard(tp), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Elvin Jones(ds)にショーターが加わる五重奏団です。全曲ショーターのオリジナル、フレディの天を切り裂くようなラッパと冷徹とも言えるハンコックのピアノが印象的で,これらがカーター、エルビンがくり出すタイトなリズムに乗って展開される新しい美意識を感じるのが自分にとってはやっと言った感じです。
所有盤はNYラベルのステレオオリジナル盤です。キスマークと被写界深度を使って敢えてフォーカスをぼかした東洋人女性の顔を配したカバーが印象的ではありますが,やはり意味不明としか言いようがないですね。