67camper's Blog

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帝王マイルスのライブの礎的2枚組

2009-02-16 00:13:36 | jazz & vocal
Friday Night In Person Miles Davis
(Columbia LE100018)


Saturday Night In Person Miles Davis
(Columbia LE10076)


 帝王マイルスはオリジナルクインテットからモードを取り入れたカインドオブブルーを発表し、61年にはコルトレーンとモブレイのツウィンテナーの"Someday My Prince Will Come"を録音します。その一ヶ月後に、今までになかったライブパフォーマンスの唇をきる2枚組を録音します。本日はこのサンフランシスコ、ブラックホークのライブパフォーマンスを収録した2枚組を録音します。この後マイルスは相次いでライブ録音を行っていきますが、その第一歩という意味でも貴重な2枚組といえるのではないでしょうか?。そしてライブではお得意のレパートリーを荒削りにテンポを換えて次々と繰り出すマイルスの手法が既に始まっている事に気付きますよね。またモードを駆使するマイルスに、従来のハードバピッシュなソロで対抗したモブレイの好演(これについては賛否両論ですね。)が収録されているのもモブレイファンには嬉しいところですね。



 金曜日と土曜日のセッションが一枚ずつに別れてアルバムになったものを所有していますが、いずれも再発の茶色ラベルで、このラベルは、自分の所有盤には見られません。

 メンバーは改めて記すまでもないですが、Miles Davis(tp), Hank Mobley(ts), Wynton Kelly(p), Paul Chambers(b), Jimmy Cobb(ds)の五重奏団です。金曜日Vol.1のA-1の"Walikin'"からマイルスのオープンでの快演が聴かれます。モブレイも結構いけてます。続くKelly、この時期絶好調で攻めまくります。モブレイのバックで入れるコンピングからしびれますね。勿論、ソロもケリー節のオンパレードでケリーをマイルスが溺愛したのもうなづけますね。次の"Bye Bye Blackbird", B面の"All Of You"もお得意のスタンダードですよね。マイルスの切り裂くようなミュート、ケリーのソロ、文句なしですね。土曜日Vol.2はモンクの"Well You Needn't"で始まります。A面ラストの"Kind of Blue"もオリジナルよりぺースをあげて取り組まれています。B面のCobbのドラムがいい"Oleo"、これまた十八番の"If I Were A Bell"とマイルスならではのレパートリーが並びます。やっぱり、オリジナルを聴いてから聴かれる人が圧倒的に多いと想像しますが、こちらの演奏も一回聴けば病み付きになるような魅力を感じますね。

 最近は、さらに収録曲を増やしたコンプリートCDが世に出ていると聞きますが、Vinyl Fan としては、やはりオリジナルフォームにこだわりたい感じですね(笑)。