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『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

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龍馬は悲し6

2009年10月28日 09時21分23秒 | 龍馬は悲し
写真は、慶応元年(1865)に長崎の上野彦馬写真館で撮られた「フルベッキ博士と大室寅之佑を囲む志士たち」。前列右から4人目が坂本龍馬。勝海舟は中段左端。ほか西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文、大隈重信、桂小五郎、高杉晋作ら面々も。そして前列中央で刀を抱える青年が、大室寅之佑(後の明治天皇とされる)。これが幕末日本史の決定的な証拠写真といわれる。このメンバーが、薩長同盟成立の前年、慶応元年に長崎で一堂に会しているとは!・・・長らく伏せられていた貴重な資料だが、その信憑性は未だ謎とされている。
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私がいつも当ブログで書く歴史は、年表に記述されることのないものだ。年表を歴史と考えれば、まったく見えない話である。歴史とは何か。個人史というもので考えて、自分の歴史を自問自答すればわかる。表向きと、内向きの歴史があるだろう。常に歴史というものには、表と裏の二面があるのだ。単純な話である。だが、人は大抵の場合、表向きの歴史のみを歴史と思い込む。記憶力がよければ年表の年号を覚えていて、○○年にはどんな事件が起こったと言えるが、なぜ、それが起こったのかの深いところは知らない。それが一般の歴史認識というものなのだろう。

龍馬を題材にしながら、幕末~明治という歴史の不毛地帯を跋扈した。私の頭の中のイメージでは、この150年が今へと連綿と続いている。少し前の記事「オイル文明150年」で書いたが、150年前と言えば、オイル元年(1859)であった。また、同じ年にグラバーが来日している。その4年後に米国のロックフェラー一族が、スタンダード石油会社を設立した。そこから世界構造が変化していくことになる。その後、米国オイルメジャーは自動車の誕生とともに巨大になり、欧州勢を押し退けるほどの力をもった。

そういった欧米の歴史と、日本の歴史をクロスして観なければ、世界史は理解できない。欧米から観た日本という学問が、まともにないのは不具合なことである。日本人はいつまで井の中の蛙でいるのだろうか。日本人は余りにも集団的コンセンサスに陥りやすい。自分でじっくり物事を考える習慣も時間もない。いわば精神の、一種の生活習慣病といえようか。われわれは、この緑ゆたかな列島で、寝ぼけている場合ではないのだが。窮鼠猫を噛むで嵌められては困る。窮鼠にならないためには、世界を知っておくことだ。学校では教えてくれないから、自分で調べて学ぶしかないが。

兎に角、歴史は謎に包まれている。だから、歴史をミステリと想って頂いて構わない。しかし、そのミステリの中で生きているのは、ほかならぬ我々自身だということを忘れてはならない。そのことを切に、お伝えしたいと想い、こんなものを書いた。歴史は、ダブルスタンダード・・・コインの裏表・・・私たちを常に取り巻く、表と裏の人生そのものなのだ。

そして、今、150年を節目として、また、形とスケールをちがえた幕末(大政奉還)を迎え、欧米列強の巨大な圧力(G7、G20)に押されながら、寺田屋でエージェントに暗殺された龍馬のように暗殺される志士を出しながら・・・新政府が誕生しようとしている・・・まったく、歴史は繰り返される・・・阿鼻叫喚!

ミステリの細部は、またその内に書きたいと思っています。ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

  (了)


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