『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

二重のリアリティ

2011年12月14日 22時15分08秒 | 核の無い世界へ
昨日、私は、社会の元凶は企業体質にあると書きました。みなさんがどう考えるのかわかりませんが、極論に過ぎたでしょうか。

この私もサラリーマンとして毎日、会社へ通っています。仕事と売り上げが課題であることはどの企業とも変わりありません。打ち合わせや会議が時々にありますが、テーブルに上がるのは仕事の進展と利益です。

最近の企画会議で、私はこういう発言をしました。「東北、とくに福島では放射能の問題が深刻です。そこで必要とされる仕事があるのでは? 例えば被爆記録手帳など、今後、必要とされるものを制作することも仕事になると思います」

反応はありましたが、それが論議になることはありませんでした。私はどう思われるかを予測して、発言したのです。会社では食品関係の仕事をしているのですが、そこへ踏み込むことは営利企業にとっては得策とはいえない。それを承知で話したのです。

会社の考え方を逸脱した発言は、個人的意見でしかなく、ときに排除されます。そこには暗黙の了解、コンセンサスですか、それがあります。何が言いたいかといえば、どの会社組織にもそれがあるということです。それに従わなければ、働くことはならずです。

私の会社は、農作物産地のために一生懸命に働いて健全だと思いますが、業務を飛び越えたことは出来ません。しかし、原発事故問題は刻々と深刻化している。仕事上でも何か出来ないかと考える日々。家に帰れば、パソコンで原発関連の情報を検索して、少しでも状況把握に努めています。

今夜「水蒸気爆発で爆発ではなく、核爆発だった」という元原発管理者のネットニュースを観て、やはり一般報道されない違う現実があるのではないかと思う。そして、明日になれば自分の業務に専念するわけです。だから今、私はふたつの現実に生きている。仕事という環境と原発事故という環境の狭間で。それは毎日、私のブログを読んでくださる皆さんと同じ心情だろうと思います。どうなるのかと。為せば成る。その為すことを。一所懸命。