ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

懐かしき唐松岳

2020-08-13 21:41:40 | 生き方
山の日が制定されてから5年くらいになるのだろうか。
以前は7、8月に祝祭日がなかったが、7月に海の日、8月に山の日ができて休みが増えよかったなあと思ったりもする。
さて、その山の日だが、今年は、COVID-19 感染症拡大を予防するために、山小屋の3密を避けるために謹んでほしいと言われた時があった。
その後、再開されたが、様々な感染予防対策に取り組みながら進めることが求められている。

NHKの番組に「グレートトラバース3」というのがある。
アドベンチャーレーサーの田中陽希氏が、三百名山自力踏破を目指して奮闘する様子を描いた番組である。
先週と今週は、朝7:45~8:00の時間帯に、NHKBSPで、ミニ版の15分番組を放送している。
今週の火曜日には、私にとって懐かしい名前の山へのアタックが放送された。
その名は、「唐松岳」。
後立山連峰の一座である。
唐松岳そのものは、そんなに難しい山ではない。
なぜかというと、山登り初心者というか、私が初めて一泊で山登りしたときの山が唐松岳だったからだ。

18年前、当時の職場の上司が山登り好きだったので、8月下旬に唐松岳登山の有志を募ったときがあった。
希望した有志には、初心者や家族連れの小学校低学年までいた。
それなら一度は本格的な(?)山登りを経験してみたいものだと、参加した。
メンバーの構成上、ゆっくり行けて安全第一に歩を進め、唐松岳山頂まで登ったのであった。

田中陽季さんの「グレートトラバース3」では、唐松岳を登頂するために、白馬岳からのルートとして不帰ノ嶮(かえらずのけん)という難所をクリアするための奮闘を描いていた。
上級者でも厳しい不帰ノ嶮なんて、そんな唐松岳のそばにあったのかな、記憶にないなと思いながら、当時の記録を開いてみた。
すると、記憶にないのも当然で、登った日は上の方へ行くと雲が出ていて、唐松岳山頂からは雲しか見えなかったのであった。

だから、不帰ノ嶮をみた記憶はなかったというわけだ。

(山頂も真っ白な雲の中)

残念ながら、不帰ノ嶮は見えなくても、翌朝は楽しい経験をさせてもらった。
五龍岳に続く岩場を少し「散歩」した際に、「ブロッケン現象」に出会ったのだ。

ブロッケン現象とは、太陽などの光が背後から差し込んで、自分の影の周りに色のついた光の輪が現れる不思議な現象のこと。
下方の谷の方に、光の輪の中に自分の影だけが見えるのが不思議で楽しくてしようがなかった。
初めての登山でこんな現象に会えるなんて、本当に楽しかったのだ。


この後、下山する前に集合写真を撮るころには、唐松岳山頂をちゃんと見ることもできた。


楽しかったのは、ブロッケン現象だけではなかった。
今まで直接見たことのない、美しいたくさんの高山植物との出会い。

チングルマ


トウヤクリンドウ


コマクサ
その他いろいろ…。
山には、こんなに可憐で可愛く、きれいな花がたくさんあるのかと、とりこになった。

山の楽しさを知ったのは、この唐松岳登山があったからである。
その後、一緒に行くことで、山の花見の楽しさを妻にも知ってもらうことができ、ロープウエーやゴンドラ、リフトなどに乗って、山の花見を楽しむようになった。
ここ数年は家庭事情で、ほとんどできなくなってしまっている。
そして、新たにこのCOVID-19 感染症の流行のせいで、県外に行くことができなくなってしまっている。
それが、実に残念ではある。

山の日。
そして翌日の「グレートトラバース3」の放送。
唐松岳の初登山を懐かしく思い出していた私であった。
コメント
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