昨日の天皇杯2回戦福山シティFCとの試合について、カテゴリーが4つも下のチームに大勝できないのか、情けないということをいうサポーターも多くいたようだ。
けれども、私はそうは思わなかった。
手こずったけれども、勝ってJ1の名誉を守った。
そう思っている。
その理由は、前日のブログに書いたように、福山シティFCは、強敵だったからだ。
過去2年続けて天皇杯では勝ち上がっていたし、地域リーグでは2年連続優勝したが、JFLに昇格するための試合の結果、惜しくも勝ち上がれなかったということも知った。
そんなチームが、今年リーグ開幕から快勝続きだったということは、今季は去年まで以上に強いということだ。
しかも、福山シティFCの持ち味が、攻守の切り替えの早さと球際の強さであった。
新潟のチームについては徹底的に分析して、対策を練ってくるだろう。
私は、カテゴリーに関係なく、強敵だと思って臨まないといけないと警戒していた。
それで、昨日のブログに書いていたというわけだ。
そのチームに、ジャイキリを許さず勝ち切ったというところを私は評価するのだ。
そして、チームの一体感も感じられたということも。
昨日の先発メンバーは、私にとっては、すごく期待したい顔ぶれであった。
新潟を愛してやまない、堀米、高木、早川の名前があった。
ベテランとして頼もしい存在の名前が、小野、千葉と、攻守両面にあった。
そして、GK田代の初起用であった。
それでも、試合は簡単ではなかった。
新潟対策がしっかりなされていた。
新潟は、特に前半、なかなかシュートに行けなかった。
コンパクトに守りながら、圧をかけるところにしっかりかけていたからだ。
J1という上のカテゴリーに所属して試合をしているから、やはり選手個々のレベルは新潟の方が上だったかもしれない。
しかし、新潟のよさを消すためのプレーが、福山は光っていた。
特に、ボランチの宮本に対しては厳しくマークしていたから、自由にさせてもらえなかった。
そして、サイドにボールが渡っても、そこで厳しく圧がかけられて、なかなか前に進めなかった。
左のミゲルも、右の太田も、ドリブル突破するタイプではないから、パスが来ても後ろに戻すしかできなくなっていた。
だから、ボール保持はしても、出すところがなくなり、なかなか前に進むことができなかった。
福山シティFCの小谷野監督、ただものではないな、という気がした。
前半は、互いに目ぼしいシュートシーンはなく、ハーフタイムを迎えた。
志向しているサッカーがいくら似ていても、カテゴリーが上なのだから、個人の力量は新潟の方が上回れるはず。
後半は、マークされても個人の力量で上回れる選手を起用していくしか打開の道はないだろう、と思った。
そこらへんは、さすが樹森監督、よくわかっていた。
後半開始からミゲルに代えて奥村を起用した。
59分には、小野に代えて運動量も豊富な長谷川を出場させた。
すると、奥村が、前半にはなかった相手のエリア、ポケットへの進入を何度も果たし、確かに左サイドは活性化した。
86分には、矢村、太田に代えて、笠井、ダニーロを入れ、さらに福山に揺さぶりをかけた。
だけど、ゴールを割れず、ピンチも迎えたがなんとか切り抜け、本来は避けたかった延長戦入りとなった。
運動量の豊富な選手が入って攻撃は活性化したが、ゴールシーンは、なかなか生まれなかった。
逆に、4,5回連続で相手のコーナーキックが続くという、心臓に悪いシーンもあったが、よく声をかけ合って身体を投げ出して守り切った。
そんなシーンを見て、負けるはずがない、と思った。
移籍加入して半年かかって今季初出場のGK田代の存在が、とても安心感を与えた。
彼は、新潟のメンバーに対して、すごくよく声を出していた。
「史哉、ナイス!」という彼のかけ声も聞こえた。
そして、時々振り向いては、もっと声援をくれとばかりにサポーター席のゴール裏をあおったりもした。
チームに安心感を与えるGK、いいですね、彼。
延長後半、こうして左からの攻めはいったい何回目だろう、と思うくらいに攻め上がった堀米が、ゴール前に利き足とは逆の右足で挙げたクロスに、ニアから笠井がジャンピングヘッドですらせたボールが、ポストに当たりながらもゴールに吸い込まれた。
待望の先取点!…と言っても、108分の時間は遅すぎたけどね。
だけど、油断はできない。
そう思っていたら、相手のフリーキックの際には、ベンチの稲村がライン手前からゴール前に守りのコーチングをしたりしているのも見た。
一体感を感じながら、試合終了の笛を聞いた。
最終盤に千葉と代わって出場したDFの稲村は、GKの田代のところまでいって、抱きついていた。
試合後、本日ゴールのヒーロー笠井は、マイクの前で、「新潟といえば長谷川、ではなく新潟といえば笠井、と言ってもらえるようにがんばります!」と叫んでいた。
いいね。
試合は簡単には勝てなかったけれど、選手たちの一生懸命さとチームワークを実感することができた。
これからのリーグ戦後期の試合でも、不器用(?)な試合があるかもしれないけれど、この一生懸命さと温かさは、チーム新潟の大きな武器だ。
アルビレックス新潟は、チームとして大丈夫。
そう実感することができた。
やはり、チケット買って平日夜の応援観戦に行ってよかったよ。
天皇杯3回戦は、小島や小見の柏ではなく、去年稲村がいたので新潟サポが大金を寄付した東洋大となった。
柏は東洋大から自チームに入団する選手にゴールを決められて負けたのだそうだ。
東洋大は、稲村先輩や新潟サポに忖度してくださいね。(ま、それはないわな。)
それよりもまず、次の日曜日の試合で、青森に負けてさらに意気消沈している横浜Fマリノスに勝って、後半戦のよいスタートを切らなくては。
Visca Albirex !!!