私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

落語会

2008-12-18 | 2見る・読む・聴く
落語を聞くのが趣味なのだ。
近年、ちょっとしたブームのようだが、父の趣味が落語であったのを、知らず知らず受け継いだらしい。
ひょっとしたら、父から受け継いだ唯一の嗜好かもしれない。

NHKのラジオ第一放送で言葉のリズムと、イメージの広がりを楽しんだ。
日本テレビ系列の笑点は、休日の終わりにお決まりの楽しみだった。

最近は民放のBSでも寄席番組を見ることが多いし、DVDやCDも豊富に出回っているので、かなり楽しみの幅は広がってきたと思う。

しかし、地方在住の悲しさ、落語家の生の噺に触れる機会はごくごく限られてくる。
地方都市で真打の噺を直に楽しめるのは、非常にメジャーで名前の売れている落語家の独演会か、新聞社や放送局が主催するマスコミ企画の地方寄席である。
力のあるスポンサーがつくか、よほどのネームバリューでないと、地方では興行的に成立しないってことなのだろうけれど。

先週は、某新聞社の落語好きの記者さんが、一念発起で立ち上げた生の落語を聞く会とやらにでかけた。
噺家はお江戸からいらしたお二人の真打さん。
全国的に名前の通った方々ではないが、お茶目な語りっぷりが素敵なお二人だった。
やっぱり、ちゃんとプロの香りがして、久々に面白かったのだが、閉口したのは地方局のTV取材。

その記者さんの頑張りをメインに、こうした催しが成功するよう、応援する立場で取材されていたのだが、最初から最後までTVカメラが演者と客席をずっと撮影。
夕方のニュース番組のちょっとした特集に仕立てる予定らしかったが、あれはどうなのだろう。

私は、極めてマスコミ嫌いで、映像や写真での露出が大っきらい。
落語をゆっくり楽しみたいのに、構えられたカメラは邪魔で、この上なく無粋な存在だった。

チケットに「この落語会にはTVの取材が入ります」って一文入れることはできないのだろうか。
主催したのが個人ではあってもマスコミの人だから、そういう嫌悪感やアレルギーに理解はないのがあたりまえか。

ちゃんとプロらしい噺を聞くことができて満足だったけれども、メジャーな落語家さんのそこそこ値の張る独演会では、こんな無粋な取材は決して入らないよね…って、耐えるしかなかった。
コメント
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