私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

日向夏の季節

2010-03-30 | 1食べる
ことしも日向夏の季節がやってきた。

商店街のはずれにある、昔ながらの八百屋さんの奥まった棚にあるのを見つけたのだが、今年はかなり早いお目見えのような気がする。

すぐに手にとり、いくらか小ぶりだが6玉詰め込まれたパックを迷わずカゴに放り込んだ。

私は、リンゴの皮をむくように、日向夏の薄皮を残してくるくると外皮をむき、四等分して、お醤油を少しつけて食べるのがお気に入り。

我が家を訪れる人々には、必ずお醤油の小皿を添えて食べていただくのだが「そのまま食べる方が美味しい」とおっしゃる方ばかり。

お醤油との取り合わせを認めてくださる同志には、哀しいかなまだ出会わない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御家人斬九郎

2010-03-26 | 2見る・読む・聴く
時代劇チャンネルの、御家人斬九郎デジタルリマスター版を見るのが、目下私のささやかな楽しみである。

渡辺謙扮する松平斬九郎が、めっぽう強いのにも関わらず、情に厚い優しい男であるのがたまらぬ。

時代は明治維新前夜。

崩壊しかかった封建体制のもと、おかしな悪事が庶民の行き交う社会にもたくさん見受けられるのだ。
それを、斬九郎が、実に健全な正義感とめっぽうあたたかい気持ちでもって、ばっさばっさと斬ってくれるものだから、私はカタルシスを覚えさえする。

現代も多分、ひとつの時代が崩壊する前夜に位置するのだろうけれど、平成の松平斬九郎は現れないものだろうか。

ほぼ最終バージョンに入った放送。
若村麻由美演じる蔦吉姐さんの踊る手に、指輪がきらりと光る…というあり得ない修正漏れ箇所も、きっちり見つけて録画し満足。

デジタルリマスター版で、女姿で艶やかに踊る場面で、正面から指輪の映り込んだ画面はカットされていたようだけれど、若衆姿で踊る掌に光る指輪は、修正されないまま映像として残っていた。
ある種のお宝映像なのだろうが、修正をかけるたび、本来の演出からずれた作品になってゆくわけで、やはり大きなミスだろうと思う。
異なる衣装での指輪装着画面があるということは、指輪をはずさない演技はあるいは確信的だったのか、それとも、チェックが甘くならざるを得ないほどの、急ごしらえだったのか。

まぁいずれにしても、御家人斬九郎…傑出した時代劇であることに間違いないと思うのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すねる愛車⑤

2010-03-24 | 13侘ぶ寂ぶ哀しむ
愛車が帰ってきた。

長い長い検査入院だった。

いろいろ調べてもらった結果、やはり、十分な回転をエンジンに与えてこなかったことで、エンジン内に炭がたまり、この排出が上手く出来ない関係でエンジンがかからない…という現象が起きていたという結論だ。

人間で言えば、内視鏡検査とポリペクトミーを施されて、帰って来た愛車は私の始動でもすぐにきちんとエンジン作動を始めるようになった。

しかし、言ってみれば生活習慣病なので、環境が改まらない限り再発は必至。
渋滞道路と、馬力の必要な山道ばかり走っていては、遠からずまた弁が詰まってしまうだろう。

何だか車が可哀そうになってしまう。
言葉にならないものだから車が
「私の性格に似合った生活環境があるところに送ってやってよ」
と訴えているような気さえする。

実際、彼岸連休の走行も、結局渋滞路と山道が主で高速で走ることは少なかった。

家に帰るとラゲッジスペースのドアが開かない。
中の荷物が引っ掛かって、開閉の邪魔をしていたのだが、こんなことも今まで一度も無かったことで、結局のところ「私を手放して!」という車の叫び声が聞こえているように思えてならないのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三りんぼう

2010-03-18 | 10住む・暮らす
昨日、法務局に立ち寄った。

年度末の一番忙しい時期、しかも良いお天気だというのに、妙に空いている。

私的には、要件を早々に片づけることが出来て、大変に有難かったのだが、どうも不可解な感じがしていた。

ぼんやりカレンダーを眺めていると、昨日は「三りんぼう」とある。

余り良くない日だということぐらいは承知していたが、気まぐれに辞書をひいてみると

「三隣亡(さんりんぼう);暦注の一。この日建築すれば火災を起し、近隣3軒をも亡ぼすという忌日」(広辞苑より) とあった。

そのあて字にまずびっくりし、近隣3軒をも亡ぼすという記述に肝を抜かれた。

何とまぁ、恐るべし。
当然、不動産登記や、会社登記なども敬遠される訳でしょう。

衝撃的な言葉だったので、ネットでも調べてみると、もともとは「この日に建築するとよろしい」という良き日のひとつだったのが、あて字違いで180度異なる意をもつようになったなどといったことが書いてある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%9A%A3%E4%BA%A1

その経緯も、またまた特筆すべきもの。
迷信の一つではありましょうが、私にとってはとびきりの驚きをさそった言葉でありました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今は昔

2010-03-12 | 雑観
「経済一流、政治三流」なぁんて言っていたのは今は昔のことか。

経済も怪しくなってきて、政治の有り様は口にするのも寒い状況だから、四流も五流もあったものじゃあない。

穏やかで大人しく、争うことをあまりしない国民が、時流を上手く流されて、経済大国だのという名をいただいていたのは、もう過去のことだ。

ぬるい湯に漫然とただ浸かってきたから、危険から身を守る術を皆知らない。

学校の先生も教えてくれなかったし、そんなこと教えないよう、もちろん疑うことさえないようにプログラムされていたのだろう。

財布に余裕のある間に、哲学をもって優秀な政治家を育むべきだった。
知識も、戦略も、行動力もある有能な政治家を。
政治三流と経済の好調に胡坐をかいて、皮肉っぽく嗤っている場合ではなかったのだ。

日本が、日本文化の息づくニッポン人の国だったという事実は、幻になり始めているのかもしれない。

悪代官や、懐を肥やすことばかり考えている悪徳商人は、歴史に名を残すだろうか。
忌み嫌われる悪名を、外国人に読みづらいというひらがなで語りつぐことぐらいはできるだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

講演会

2010-03-10 | 2見る・読む・聴く
講演会が好きである。
盛んに出かけていた時期があったのだが、最近はとんと御無沙汰だった。

久々に出かけたのは上野千鶴子センセーの講演会である。

墓参の帰り道、裏通りをそぞろ歩きしていると、ちょうどその講演会を主催された事務局が…。
入り口にでかでかと貼り出されたポスターを見逃さず、一も二もなくチケットを求めたのだった。

派手な宣伝もされていなかったと思うのだが、二週間前にはチケットを売り切ってしまわれたとか。
やはり上野先生の人気は並々ならぬということらしい。

実際、歯切れよく、ちょっとフェイントのかかったジョークをふんだんに交え、繊細かつ明解な講演会であった。

「おひとりさまの老後」以降のファンと、個性的社会学者としての活躍を以前から支持されていた層とが半々…むしろ以前から支持していらした人たち(先生曰くスジモノだそうだ)の方が多かった印象だ。

私のようなぼんやりタイプよりも、明確に目的意識をもっていらっしゃる様子がありありと見て取れる団塊世代の女性が多数派。
地方にも、威勢のよい女性の方々は結構いらっしゃる。

ちょっと目を見張り、かすかに嬉しい気分を味わった。
同調出来るかと言えば、やはり少し距離を置かざるを得ないのだけれど、はつらつとした女性を眺めるのは気持ちがよいものだ。

「おひとりさま」。
ひとくくりには語れないけれど、確実に増えていて、社会が無視できない存在となる生存の型だと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すねる愛車④

2010-03-06 | 13侘ぶ寂ぶ哀しむ
二度目の愛車の入院は、思った通り長期間になった。

例によって現象がみられないというのだ。

二度目なので、現象がみられないという回答で再び引き取る勇気はない。
どこでエンジンがかからなくなるかわからないのだから。

ほぼ3年間、癖があるとは承知していても、問題なく気持ちよく走ってくれていた車なのだ。

その訴えを受け止めずして車を走らせることは、車にとっても不幸なことだ。

脳梗塞で言葉を失って「痒い」「痛い」という状況さえも伝えることが出来なかった父が、ただただ大きな声で叫ぶしか術がなかったように、車も、エンジン始動ができないという現象でしか訴える術をもたないのだとしたら。

何か、重大な出来事がシステム上で起きているかもしれないのに。

そして、ディーラーでは現象が現れず、私の運転時のみ現象が起こるのだとしたら、私はその車の運転から手を引いた方がよいのだ。きっと。

…と、何かしらひどく飛躍した思考をめぐらせながら、不便な生活を余儀なくされているのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すねる愛車③

2010-03-02 | 13侘ぶ寂ぶ哀しむ
エンジン始動不具合のチェックと車検を兼ねた車の整備は、土日をはさみ丸四日間で終了した。

始動不具合の再現は見られず、これといった不良個所も確認されなかったという。
ただ、エンジンにつながる箇所にかなりの汚れが見受けられ、それが原因となった吸気不良といったものが影響したのではないか…ということだった。

再発防止のために、時にはエンジンを3,000回転ぐらいさせる環境を与えてやって欲しいということだった。

確かに、走りを楽しむ傾向の強い車種の愛車は、高速走行において快適な印象だった。
馬力はないのだが、なめらかな走りが特長と感じてもいた。

そして、高速走行を含めて毎日20~30キロ走ることの当たり前だった愛車が、今年に入って街中の渋滞道路をちょろちょろすることが週に何度か…といった環境変化の下にいたのも確かなのだった。

私は、おっかなびっくり渋滞道路をふかしたり、あおったりしながら運転するようになった。
そんな運転、全然趣味じゃないのだけれど。
ひょっとして途中でストップしたら。
そしてエンジンがかからなかったら…なんて想像すると、アクセルを踏み、あおらずにはいられないのだ。

そして、やはりエンジンの始動が一回で決まらないという状況は続くのだった。

現象が再現されない…といわれているからには、整備工場に再持ち込みすることには勇気を要した。
なるべくふかして、まめに始動してやるけれども、再度エンストした際の想定をしつつ運転し続ける訳で、まるでホラー映画の恐怖シーンばかり連続して見続けているようなものだ。

胃にキリキリとした痛みが走り、炎症が起きているのを手にとるように感じることができた。

何故、こんな思いをして自分の車を運転しなくてはならないのか。
いい加減疲れ果て、四十九日の客人の送迎を何とかなし終えた翌日、再びエンジンはかからなくなった。

その日も雨が降っていた。
来客を迎えに行き「最近、運転が怖いのですよ…」と話しながら、途中ガソリンスタンドへ給油に寄り、もしもエンジンが止まったりした時の為に20リットルだけ給油をし、エンジンを始動しようとした時、スタータースイッチは空回りを続けた。

「エンジンかからないみたいですねぇ」とガソリンスタンドのスタッフが物慣れた様子でバッテリーチェッカーをセットしてみてくれたところ、バッテリーの状態はすっかり劣化していて早めの交換を必要とするレベルだった。

「ほんの二週間前にバッテリー交換したばかりなのだけど…」
と訴えると
「蓄電ではなく、電気をつくる部分の異常かもしれませんねぇ」
と、スタッフはやはり慣れた物言いである。

結局、ガソリンスタンドのバッテリーにコードをつないでもらってエンジンを始動し、ディーラーへ向かうことになった。

そして、雨降りの中、ディーラーまで、夕方の渋滞道路を運転しなくてはならなくなった。
ワイパーもライトも曇り止めエアコンも極力使いたくない。
いつエンジンが止まるかわからないのだから。

数キロの道のりを必死の思いで運転し、整備工場まで愛車を持ち込んだのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すねる愛車②

2010-03-01 | 13侘ぶ寂ぶ哀しむ
ガソリンスタンドへ着くや否やバッテリーの交換を依頼する妙な客を、スタッフのおにーさんは商品の陳列されたコーナーに案内し、該当サイズのものと値段を提示する。

26,000円也のバッテリーだが、路上で突然ストップし再起動できなくなる恐怖を思えば、嫌も応もない。
直ぐに交換してもらい、安堵して出発するはずだった。

ところが、交換後、スタータースイッチをまわしても一度目はエンジンがかからなかった。
二度目にエンジンは動き始めたが、そもそも新品のバッテリーというものはフル充電の状態なのだろうか?
私の問いにガソリンスタンドのスタッフは即座に当然です…と頷くのであった。

しかし、今まで普通のことだった一度目のスタータースイッチでエンジン始動という状態に、翌日も、翌々日も至らない。

二十数年の我が運転歴の間に、バッテリー交換は幾度もしているけれども、バッテリー交換直後からエンジンがかかりにくいなんて状況は記憶にない。

バッテリー交換から二日目、作業をしてくれたガソリンスタンドに乗り付け「ちょっと見てもらいたいのですけど」と意気込んだが、バッテリーチェッカーはバッテリーの容量を正常値と計測し、エンジンは一度目で始動した。

「最近は、コンピュータ制御が色々からんでいますからね…バッテリーの所為ではなく、クラッチペダルのセンサーとかどこか他の不具合かも」と、穏やかに経験豊富な感じのスタッフが解説してくれる。

それでは…と、翌週に予定されていた車検を待たず、ディーラーの整備工場へ愛車を持ち込んだのだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする