私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

買いたいけど買えない

2011-05-23 | 1食べる
おひとりさまはお家グルメである。

色々なことを片づけ、ようやく復興気分の私に、時折冷水を浴びせかけられるような事件も起きるのだが、食の楽しみがあれやこれやの出来事で張りつめた神経を癒してくれているような気がする。

グルメ探偵ネロウルフの映像を見ながら、自分にとってはちょっと贅沢な素材で家飯をしつらえて楽しむ。

先日、海産物売り場で、被災地産生ワカメのパック詰めを見ながらそこを動けなくなった。

去年まではすぐに手にとったつややかなブランドワカメだ。
食べたいし、買いたいのである。
しかし、スーパーの買い物カゴにそれを入れるのに躊躇した。

政府発表はもとより信じてはいない。
政治不信はここへきて極まった感がある。

役所より、どうやらもっともっとお役所的体質であるらしい電力会社も信じられない。
電力株をかなり抱えているが、何故こんなに資金を投じてしまっていたのか後悔しきりだ。
まるで役所。
株式会社の体を成していない。
どの電力会社からも起死回生の、死にものぐるいで当社は代替エネルギーの開拓に取り組みます…的な発言は一向に聞こえてこない。

いまさらメルトダウン云々を報じる報道機関も信じられない。
そんなこと、初めからわかっていたではないか…と。
ひどく間延びした時間差攻撃のように、意図的にずらして報道される様々なこと(もう情報操作であってニュースではない)を、しら~っとそ知らぬ顔で報じる報道各社。
信じられる訳がない。

スーパーで動けなくなった翌日、テレビでそのブランドワカメ漁を告げるニュースが流れていた。

どれもこれも信じられぬ。

だから、そこにあるブランドワカメに手を伸ばせないのだ。
私は結局買えなかった。
被災地のワカメ、買って復興に寄与したいよ…でも。

不信感でいっぱいになっている自分には、目に見えない情報の統制と不手際が、モンスターの黒い影をそこここで生んでいるような気がする。

圧倒的におとなしく善良な我々ニッポン人の社会が、とうとう根底から蝕まれ始めているような気さえする。
コメント
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