今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

伊富貴山 観音護国寺<通称:大原観音寺>(滋賀県米原市朝日)

2013年11月27日 | 神社・仏閣
古寺を廻っていると、時々思いがけない寺に出会うことがある。
今日、紹介する観音寺もその寺のひとつである。2時間近くこの寺にいたと思うが、参拝者は私一人しかいない。
そして、後に、この私が不審者ではないかとの疑いをもった警察官が加わることになる。 
この寺は重要文化財を持ち、拝観料不要の寺ということで選択した

伊富貴山 観音護国寺<通称:大原観音寺>
滋賀県米原市にある天台宗の寺院。山号は伊富貴山。本尊は十一面千手観音。通称:大原観音寺。
戦国武将の石田三成がこの寺の小僧をしていた

惣門(重要文化財)



参道を歩いていくと左側に「玉泉院」がある



しばらく緩やかな上り坂を歩き、少し石段を上がると本堂が見えてくる



鐘楼(重要文化財)
石段を上がった右側に鐘楼がある



近くに寄ってみると、細かなところまで彫刻がいきとどいている



左側に鐘楼、右側に本堂



本堂(重要文化財)






本堂も数多くの彫刻で飾られている



 


どの角度から見ても貫禄がある









薬師堂
本堂の右横にあるが、傷口を包帯で巻いているようで痛々しい



警察官の話によると、現在、修復中らしい



本堂周辺にある灯篭、石仏、石塔












薬師堂横に「横山城跡登山口」と書かれた案内があったが、その時は横山城のことを知らなかったため、登ることなど考えもせず石段を下りた。

腰かけ石 



後鳥羽院が腰かけたとされる石



水汲み井戸
石田三成が小僧をしていた寺と書いたが、秀吉との出会いの地でもある


 
「三椀の才」として有名な話し
秀吉が鷹狩りで立ち寄った際、寺の小僧をしていた三成が、一杯目は大きい茶碗でぬる目のお茶を、二杯目は中くらいの茶碗でやや熱めのお茶を、三杯目は小さい茶碗に熱いお茶を出したという。
秀吉はその心遣いにいたく感動し、三成を即座に登用したと伝えられ、その水を汲んだとされる古井戸がこの観音寺に残されている



この話しは司馬遼太郎の小説で知り、記憶に残る部分であった。それが、この寺で起こった話しとは何と嬉しいことか。お宝発見の気分だ。

観音寺池 






総蔵



再び、惣門(重要文化財)へ



ここで、この旅では二度目となる、警察官の職務質問を受けることになる。
この地域で仏像の盗難が発生しているようだ。盗まれた仏像が韓国で発見され、韓国政府が返還しないと最近まで話題になっていたが、中国にも密かに流れ売買されているらしい。
「寺好き、仏像好き、長時間うろつく」等は不審者の条件に当てはまるが、疑いもはれ、今度はこの地域の歴史の話しになった。横山城の歴史やこの寺の価値についても詳しく教えていただいた。

最後の一枚は遠くに見える伊吹山(いぶきやま)。
この寺の山号は伊富貴山、日本書記では「五十葺山、膽吹山」、古事記では「伊服阜能山」。歴史のある地域、本当に奥が深い




撮影 平成25年11月8日
コメント
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