練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『中国行きのスロウ・ボート』 村上春樹

2007-08-10 | 読書
また昔の村上春樹なんか読んでしまっている。
(電車で移動するときに読む本=文庫がなくて、家の本棚から出してきて読んでいる)

↓下の記事で書いたけど、この短編集はどちらかというと、
今読むとちょっと・・・というかかなり恥ずかしい村上春樹だと思うのだけど、
そう思いながら読むとまた面白い。
村上さんの名誉のために言っておくけど、
私はかつて新刊が出れば速攻本屋に行って重たい単行本だろうと迷わず買っていたハルキストだったし、今だってそれに近いものがある。

でも、この短編の何本かの話は本当に恥ずかしくて、
これは男の人の願望なんだろうか???それとも「男の人の願望はこんな感じなんだろうなぁ」と春樹氏が想像しながら書いたんだろうか?とか、
ひねくれて考えてしまう。

例えば、女性(今で言えばセレブっぽい雰囲気をかもし出しながら、嫌味な感じは皆無)が一人で季節はずれのホテルに宿泊しているのを「僕」は見かける。
で、ホテル内の人気のない歴史を感じさせる図書室で「たまたま」ご一緒したときにはもう、会話が始まっていて、それからお酒を飲みながら会話の続きを楽しむことになり、「ちょっとした手違い」で彼女の触れてはいけない過去に「僕」が触れてしまい、彼女をどうやら傷つけてしまったらしい。うんぬん・・・。で、最終的に何事もなく彼女はホテルを後にして僕も残してきた彼女に仲直りの電話をかけようとする。

一人で旅行したくて一人で来ているのに、誰とも話ししなくてすむから一人でいるのに、いきなり不審な男に話しかけられて話はずむかなぁ???とか、よけいなことをいろいろと考えてつっこみながら読んでしまった。

でも、結論として、会話が始まらないと話が始まらないんだもの、しょうがないよね。
今の春樹氏だったら、まったく会話も接触もなしにひとつの話を書き上げるだろうなぁ。