快適に読み進めることができる話でもないのに、一気に半日で読み終わってしまった。
桐野さんの作品なので、快適さの正反対を行くような話だし、むしろ共感をまったく覚えもしないし、なのにどうして読むごとに先へ先へと気が急いてしまうのだろう。
そのスキャンダラスな内容、少なくとも今の自分とはまったく異なるシチュエーションに好奇心を覚えて、なんだろう。
置屋の娼婦の子供として生まれたアイ子は母親も父親も誰だか分からず、戸籍もなく、もちろん教育も受けず、
すべての人間から邪魔者扱いされて成長し、
人に寄生しながら生きてきて、生活のためになら盗み、都合が悪ければ逃げ、
さらに都合が悪ければ殺人さえ厭わない。
なんだかもうすごいのだ。こういう話を書ける桐野さんもすごい。
確実に何かが欠落しているアイ子。
こんな生き方は実際不可能だと思う私が甘いのか、と思うほどの迫力だ。
まさに泥水を飲み、落ちているものを食し、思いつきで行動し、平気ですべてを捨ててとんずらする神経。
たくましさすら感じてしまう生き様。
ラストに本当の母親が誰だか判明してにわかにまともな人間らしさを一瞬取り戻したように思える叙述がむしろ違和感があるほどだ。
すごく後味悪い話だが、すごく衝撃的であることも事実。
桐野さんの作品なので、快適さの正反対を行くような話だし、むしろ共感をまったく覚えもしないし、なのにどうして読むごとに先へ先へと気が急いてしまうのだろう。
そのスキャンダラスな内容、少なくとも今の自分とはまったく異なるシチュエーションに好奇心を覚えて、なんだろう。
置屋の娼婦の子供として生まれたアイ子は母親も父親も誰だか分からず、戸籍もなく、もちろん教育も受けず、
すべての人間から邪魔者扱いされて成長し、
人に寄生しながら生きてきて、生活のためになら盗み、都合が悪ければ逃げ、
さらに都合が悪ければ殺人さえ厭わない。
なんだかもうすごいのだ。こういう話を書ける桐野さんもすごい。
確実に何かが欠落しているアイ子。
こんな生き方は実際不可能だと思う私が甘いのか、と思うほどの迫力だ。
まさに泥水を飲み、落ちているものを食し、思いつきで行動し、平気ですべてを捨ててとんずらする神経。
たくましさすら感じてしまう生き様。
ラストに本当の母親が誰だか判明してにわかにまともな人間らしさを一瞬取り戻したように思える叙述がむしろ違和感があるほどだ。
すごく後味悪い話だが、すごく衝撃的であることも事実。