1970年前後に数々を起こしたドイツ赤軍。バーダー・マインホフとはその中心人物の2人の名前をくっつけたグループ名。若者の怒りが狂気に変化していく様を描く。
冒頭の警官とデモ隊の衝突シーン、エキストラを含め、すごい人、人。当時の映像と見紛うばかりに生々しい。そして、とにかく登場人物が多い。洋画にありがちだけど、人物の名前が分からなくなる。しかしどうも、制作側の意図もそこにあるらしく、凄まじい暴力と混乱を表現したかったよう。確かに仲間内の会話シーンとかはあるのだけど、誰が何を言ったか考えたか、というようなことの印象は薄い。
若者が社会変革を訴えるのは当然なことだとして、その熱狂の結果が暴力に訴えることになってしまったのは悲しい。しかも、初期のベトナム戦争を止めさせるといったようなことから、後半には破壊それ自体が自己目的になってしまっていた。リーダーを失ったグループは統制を失い迷走していたのだ。刑務所でバーダーが言う「俺たちを捕まえたからこうなったんだ」というセリフは、半分正しく半分間違っている。
日本の赤軍もそうだけど、彼らの起こした事件は、彼ら自身の悲劇的な結末にも繋がったが、以降の若者のしらけ世代の出現を許した。このことは良い悪いの問題ではないかもしれない。でも、もう少し社会のこと未来のこと考えようよ、若者。平日の午前に行ったせいか、初老の男性が目立った。彼らの世代を感傷に浸らせるだけではもったいない映画だったと思う。
冒頭の警官とデモ隊の衝突シーン、エキストラを含め、すごい人、人。当時の映像と見紛うばかりに生々しい。そして、とにかく登場人物が多い。洋画にありがちだけど、人物の名前が分からなくなる。しかしどうも、制作側の意図もそこにあるらしく、凄まじい暴力と混乱を表現したかったよう。確かに仲間内の会話シーンとかはあるのだけど、誰が何を言ったか考えたか、というようなことの印象は薄い。
若者が社会変革を訴えるのは当然なことだとして、その熱狂の結果が暴力に訴えることになってしまったのは悲しい。しかも、初期のベトナム戦争を止めさせるといったようなことから、後半には破壊それ自体が自己目的になってしまっていた。リーダーを失ったグループは統制を失い迷走していたのだ。刑務所でバーダーが言う「俺たちを捕まえたからこうなったんだ」というセリフは、半分正しく半分間違っている。
日本の赤軍もそうだけど、彼らの起こした事件は、彼ら自身の悲劇的な結末にも繋がったが、以降の若者のしらけ世代の出現を許した。このことは良い悪いの問題ではないかもしれない。でも、もう少し社会のこと未来のこと考えようよ、若者。平日の午前に行ったせいか、初老の男性が目立った。彼らの世代を感傷に浸らせるだけではもったいない映画だったと思う。