ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『カールじいさんと空飛ぶ家』

2010-02-01 22:52:13 | 映画
こちらは通常の2D版で。本編前のショートムービー『晴れときどきくもり』は、雲とコウノトリの無声物語。ちょっぴり感動的で「これから泣かすぞー」な意気込みが伝わってくる。

で、本編でやっぱり泣かされる。カールじいさんとエリーの出会いから死別までの一連の流れはほんの数分なのに、グッとくる。ほとんどセリフはないのだけど、「古き良きアメリカ」を体現していて、泣くも一緒笑うも一緒。空を見上げて雲からいろんな物を想像するシーンが一番好きだなあ。ここだけ見て、十分満足してしまった。って同じことを宮崎駿がコメントしてたっけ。子どもたちには分かるまい。

共有してきた時間が長い分だけ、カールじいさんの喪失も大きい。悲嘆に暮れるじいさんを奮い立たせたのが、近隣の再開発。エリーのスクラップブックを見返して、二人の「夢」を叶えることに立ち上がる。いや、飛び立つ。その後の珍道中は見てください。そこはピクサー、そつなく笑わせてくれます。階段の昇降機を使っていたじいさんは、いつ間にか007ばりのアクションまでやってしまうのだから。冒険はリハビリになるということを証明しようとしております。

途中、往年の冒険家・マンツが悪役として登場する。カールたちに夢を与えたはずなのに、ちょっと解せない。名声を得ることに執着した者への仕打ち、ということなのだろうか。それにしてもあの最後はあんまりだ。

ラストシーンで再びウルウル来るのだけど、彼のことを考えると、ねえ。――あ、考えちゃいけないの。そうなの。カールじいさんと子どもが幸せに暮らせれば、それでいいのね。おとぎ話ってそんなもんだ。

『アバター』

2010-02-01 11:49:22 | 映画
ジェームズ・キャメロン、12年ぶりの監督作。前作『タイタニック』が持っていた史上最高の興行成績を塗り替えたようで。そんな有名な役者が出ているわけでもないのに、これだけすごいことになっているのは、もちろん、3D上映のおかげ。新聞記事によると、日本国内では興収の8割は3Dだそう。どおりでチケット売り場で「2D版です」って言われると帰って行くお客さんが多いわけだ。

さて、自分も今年1本目の映画として見てきました。3D初体験。入り口でオモシロメガネみたいなものをもらい、中へ。予告編は途中から3D仕様になってここだけでも少し楽しめる。でも、本編直前のマナー広告は2Dのまま。もう少し考えてよ。20世紀FOXのサーチライトで再び3Dに。

で、アバター本編。おお、飛び出てる。最初のシーンはスペースシャトル内部の映像のみたいな感じで、上下が分からなくて軽く酔う。でも、すぐ慣れるのでご心配なく。メガネを外して観察してみると、手前にいる人や物はピントが合っていて、奥に行くほど二重にぶれている。つまり、奥が沈んで見えることによって、相対的に飛び出して見えるのか、ということを一人で納得。3Dを使って一通りの迫力は見せてくれるものの、どうしても3Dを使わないといけないというようなところは見られず。これなら、トーキーとかカラー化と同じような「革命」ではないと思うんだけど。

ストーリーは「マトリックス風味のラストサムライ」と言ったところで、目新しさは無し。アメリカの保守層が怒ってるとかいうけど、なんか言うほどのものなのかしら。その程度のものなんだから、3時間もやるなって。だったら、派手にドンパチやって90分ぐらいにまとめらたら?

3Dであろうとなかろうと、映画の基礎は脚本なのだと再認識しながら、メガネを返したのでした。