ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『クィーン』

2007-05-11 14:22:22 | 映画
あの日は、夏休み最後の日で、宿題に追われながらもお昼に「アッコにおまかせ」を見ていた。番組の最後にダイアナが事故に遭ったと速報が入り、出演していた梨本勝が青ざめていたことを思い出す。それから1週間後の葬儀までの王室の内情を描く。

何が面白いって、皇室の中ってこんな感じなんだって。侍従たちは女王を"Mom"って呼ぶんだとか、自分でジープを運転するんだとか、テレビも新聞もよく見てるんだとか。家族の会話がなかなか興味深い。旦那、皇太后は、保守的でマスコミを忌み嫌う。息子のチャールズは、現代的なものを目指して首相のブレアに近づく。その間に挟まれつつも、最後に決断するのは女王だ。ここで注目すべきは、女王とブレアの関係がこの数日間にグワーンと変化していくところ。

エリザベス女王役は、オスカーを受賞したヘレン・ミレン。顔にワイヤーを入れてるんじゃないかと思うくらいに神妙で、気品ある顔立ちをしてた。彼女は「慎み深い女王」でなければならないと考え、コメントも出さずにバルモラル城に閉じこもる。女王は国民を信じていたが、国民は女王に裏切られたと感じていた。この食い違いが彼女を苦しめた。だからこそ、公の顔ではない、柔らかな微笑みを垣間見、ホッとした。

ブレアは事故が起こる3ヶ月前に政権交代を実現させていた。民衆を味方につけた勢いで、バッキンガムにお戻りをと、女王に提言している。あれから10年。昨日、限りなく保守に近づいた労働党の首相ブレアが退陣表明をした。盛者必衰かな。エリザベス女王は、歴代10人の首相を承認してきたと劇中に述べている。アメリカ大統領も10代の付き合いだという。そしてもうすぐ、11人目の首相が宮殿に参内する。