ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『笑の大学』

2004-12-10 00:04:40 | 映画
三谷幸喜も役所広司も好きなので、期待しておりました。
その期待に反しないなかなかの面白さ。
初めは、役所演じる検閲官が「不許可」の印を振りかざし、
頭を下げ続けるのだが、無理難題を与え続けるうちに、
2人の関係が「権力の世界」から「笑いの世界」に傾き始めると、主従関係が逆転。
必死に代案を考え役を演じてしまう検閲官。
そのズレが喜劇の本質をついている。

役所という名前の通り、千代田区の職員だった役所広司は、
こういうお役人がよく似合う。
稲垣吾郎はちょっとやりすぎな演技だけれども、
話が進むにつれて、妙にマッチしてくるんだよなあ。

直接的な戦場の描写はないが、セリフの端々に戦時を感じる。
それに検閲の7日間に、時代が大きく曲がっていく変化もある。
単に、喜劇に終わらず、やりとり通して戦争が見えてくる。
ある一人の劇作家の小さな「闘い」。
その意味をしっかり考えねばならない。

…加藤あいは、さっぱり見逃しました。木梨も。