ハーモニカ、ブルースハープ愛好家の読者諸賢!
ごきげんよう。ハウリンメガネである。
ん?ハーモニカなんか吹いてない?
……吹くって言え!(冗談です)
私ことハウリンメガネ、ここ最近
「ハウちゃ〜ん!あんたのハープをもっと聴かせてくれよ!」
と友人に発破をかけられ、
ハーモニカプレイの幅を広げるべく、
ハーモニカについて研究する日々が続いていたのである。
あれこれ調べてみたり、偉大なるブルースハーピスト(冒頭写真のリトル・ウォルターのように!)の盤を聴き直してみたりという紆余曲折の末、何とか自分なりにわかってきたここ最近。そして分かってきたら誰かに言いたいのが人の性。
ということで、今回は私自身の備忘録の意も込め、私同様ハーモニカ、ブルースハープの使い方に悩んでいる方の手助けになればラッキーという、簡単ハーモニカ講座である(ここでいうハーモニカとは10ホールズ、ブルースハープと呼ばれるもののこと)。
10ホールズハーモニカにも色々あるが、基本的にフォークやブルース、ロックで使われるのはメジャーキーのものである。
CのハーモニカならCDEFGAB、つまりドレミファソラシドが演奏できるわけだ。
楽器をやる人なら分かると思うが、このドレミファソラシドという音階は『Cメジャースケール』と呼ばれる。ところがこれをラ(A)から、ラシドレミファソラという順に弾くと『Aナチュラルマイナースケール』という音階になるのである。
つまりCのハーモニカであれば、「CメジャースケールとAナチュラルマイナースケール」が吹き吸いできることになり、Cのハーモニカは《Cメジャーキーの曲とAマイナーキーの曲』で使える、ということになる。
ここまではいい。「そーかそーか、じゃあCのブルース進行でCのハーモニカを使って……ん〜?なんか違わねぇかぁ?フォークっぽくはなるけど……」
はい!おそらくここで皆さん引っかかるはず!
Cメジャーのブルース、AマイナーのブルースでCのハーモニカを使ってもどうにもブルースらしくならない。
このCメジャーにCハーモニカ、AマイナーにCハーモニカの組み合わせ、一般的に前者を1stポジション、後者を4thポジションと呼ぶのだが、これ、どちらかといえばフォーク的なアプローチとなるのである(なお、分かりやすい例を出すと、ボブの風に吹かれてのハーモニカは1stポジション。ニール・ヤング「孤独の旅路」のハーモニカは4thポジションとなる)。
「ふーん、なるほどねぇ。じゃリトル・ウォルターみたいなブルースハープはどうしたらいいのよ?」
はい。ここで先程のCメジャースケールをAから始めるとAナチュラルマイナースケールになる、という話を思い出して頂きたい。
これ、要するにCメジャースケールをC以外の音から始めると別のスケールになる、という話なのだが、これはAだけでなく、Cハーモニカで鳴らせる全ての音、つまり、ド(C)、レ(D)、ミ(E)、ファ(F)、ソ(G)、ラ(A)、シ(B)の全てに当てはまるのである。
メジャーキーで使えるのは、以下。
・Cから始めるCメジャースケール
・Gから始めるGミクソリディアンスケール
・Fから始めるFリディアンスケール
マイナーキーで使えるのは、以下となる。
・Aから始めるAナチュラルマイナースケール
・Dから始めるDドリアンスケール
・Eから始めるEフリジアンスケール
・Bから始めるBロクリアンスケール(これ、マイナーキーで使える……っぽいんだけど私もまだ研究中。ホントはディミニッシュコードに相当するはずなんだけど)。
ここで出てきたGミクソリディアンとDドリアン。
これがブルージーにハーモニカを鳴らす為のポイントであります!
この2つのスケール、ブルースの中では頻出する音階で、この2つのスケールを使うだけでブルージーなプレイが可能となるのです!
Gメジャーの上でCハーモニカの吸いをメインにプレイすると途端にデルタブルースのいなたいニュアンスになり、Dマイナーの上でCハーモニカをこれまた吸いをメインにプレイすると一気にシティブルースのセンチメントが薫りだす!
つまり、曲のキーと表現したいフレーバーに応じてハーモニカのキーを変えることで10ホールズハーモニカという楽器は大幅に表現力を増すのである。
故に様々なキーのハーモニカを揃える必要がある訳なんですなぁ(ホントはベンドとか色んなテクがあるのだけど、長くなるので割愛。この回が好評だっからまた書きます)。
ハーモニカは面白いぞぉ。しかも3,000円ぐらいで始められる!
なにか楽器を始めたいなぁと思っている方は是非ハーモニカを買ってみてほしい。
「キラキラ星」や「ふるさと」ぐらいならすぐ吹けるようになるから!
以上、大阪の楽器屋をハシゴしたのにブルースマン御用達のハーモニカ、マリンバンドが売っておらず途方に暮れたハウリンメガネでした。
また次回!
《ハウリンメガネ筆》