「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る・・・・「どこまでもヴァイナル中毒!」(第35回)《 モーフィン編 》

2021-02-06 15:10:05 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ごきげんよう、読者諸賢。ハウリンメガネである。

ん?月初は「マシュメガネ対談」じゃないのかって?
「お前のコラムは2週目じゃなかったか」って?
あなた、正解。
今月はスケジュールの都合にて
「マシュメガネ対談」は月末となる予定。
ご了承願いたい。

……石やビール瓶は飛んできてないな?
ではご了承は頂けたものとして、いつもの雑文へ入るのだが、
今回は先月の名曲しりとりのネタ探しで
自宅のレコード棚を漁っていた際に見つけたコイツの話。

『 キュア・フォー・ペイン 』
モーフィン
(93年作。筆者の盤は後年のリシュー盤)

モーフィンをご存知か?
90年代初頭のオルタナティヴ、
ローファイロックブームに紛れて登場し、
ボトルネックベースという奏法とそのグッドサウンドで
一部の人間に強烈なインパクトを与えたバンド、モーフィンをご存知か?

ドラムメーカーとして有名な
プレミア社製のビザールなエレキベースに
僅か弦を2本(初期は1本)だけ張り、
ベーシストであるにも関わらずその左手にスライドバーをはめた男、
マーク・サンドマン。
ベース、ボーカルを務める彼をリーダーに
サックス、ドラムの2名を加えたトリオとして編成されたのが
このモーフィンであります。

この編成に歪さを感じるなかれ。
ロックバンドでは皆無といっていい編成だが、
ジャズではオーソドックスといえる「このトリオ編成」による
モーフィンサウンドはハードバップフレーバーに溢れた
渋くて図太いロッキンブルース!
(その名前(モルヒネの英語読み)からドラッギーなサウンドを想起した方は不正解!)

2弦スライドベースという奇異なスタイルでありながら
サンドマンのプレイはブルースマンとしては王道ど真ん中!
ベースでのボトルネックプレイが飛び道具ではなく、
低域側に拡張されたスライドギターとして真っ当に機能している
(声も渋みのある低めのいい声なんです)。

野太く吠えるバリトンサックスが
ときにベースの役割を補完するコンビネーションも抜群で、
「トリオ編成」でプレイしている人なら是非参考にしてもらいたい。
(個人的おすすめトラックはA2のブエナ。一丸となったバンドのタイトさとバリトンサックスの吠え声が絶品であります)

彼以降スライドベースというスタイルが出てこないのは
モーフィンサウンドがとても魅力的かつストレートであり、
これを取り入れようとすれば、どうしても彼らの模倣・・・
にならざるを得ないからに他ならない。

残念ながらサンドマンは99年、
ツアー先のイタリアで心臓発作により急死。
現在は5枚のアルバムが遺されているだけだが、この5枚のアルバム、
なんやかんやとしょっちゅうリシューされており、
アナログでの入手も容易。
全体的に低音楽器に寄ったロウ・ロック(low rock)
と呼ばれた彼らの音を聴くなら、
やはり是非アナログで行っていただきたい!

そんな事を思いつつ今日もギターで滑らせる私……
サンドマンがギターで滑らせる人だったらどうやってたのかなぁ。
こうかな?ああかな?
偉大なる先人を思いを馳せつつ、また次回!

ハウリンメガネでした!

《 ハウリンメガネ筆 》
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