ひとつは毎日、ミカンを食べることです。ご存じのように、ミカンはビタミンが豊富ですので、
風邪予防になります。
昔、祖母に皮ごとミカンを焼いて、食べさせてもらったことがあります。当時のミカンは、今の
ように甘さが強くなく、酸っぱい味でした。ミカンの酸っぱさは、クエン酸によるものです。
酸っぱさが強すぎてしまう場合は、加熱することでクエン酸が減り、甘みが強く感じるように
なります。しかし、加熱によってミカンに含まれるビタミンが減ることはありません。
つまり、酸っぱすぎるミカンを美味(おい)しく食べる工夫として、ミカンを焼いたようです。
胃薬として使われる六君子湯(りっくんしとう)には、ミカンの皮が使われています。
ミカンの皮が消化不良や腹部膨満感に効果があるからです。
◆起きたら白湯で胃腸を温めよう
もうひとつは、朝、起きたときに白湯を1杯飲むことです。
皆さんの中には、健康のために冷たい水を朝、お飲みになっている方もお見えだと思います。
しかし、冷たいものは、体の芯を冷やしてしまいますから、寒い時期、体調を崩す原因になります。
わたしは必ず、温かい白湯を飲むことにしています。運動をする前に準備運動をしてからだを
温めることと同じように、朝起きたときに、胃腸の準備運動のために、温かい白湯を飲むことが
健康に良いと考えています。
胃腸を温めることで、胃腸の働きが活発になり、栄養の消化吸収がよくなります。
また、内臓の血流も良くなりますので、肝臓、膵臓、腎臓などの働きも活発になります。
様々な臓器の働きが良くなることで、免疫力も上がり、風邪を引きにくくなります。
寒い季節がまだまだ続きます。風邪予防には、安くて美味しいミカンとたった1杯の白湯が
活躍します。1月からは受験生にとって大切な時期が始まります。
どうか、ミカンと白湯で頑張ってください。良い結果が出ることを心からお祈りしております。
(2015年1月9日 読売新聞)