『エム・バタフライ』
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1964年、北京駐在のフランス人外交官ルネ(ジェレミー・アイアンズ)は京劇の歌姫ソン・リリン(ジョン・ローン)と知りあいひと目で恋に堕ちる。知的で慎み深く神秘的な美女の魅力の虜になっていくルネだが、彼女には驚くべき秘密があった。
1986年パリで発覚した実在のスパイ事件をモチーフにした戯曲『Mバタフライ』を映像化した1993年の作品。
ビデオが出てすぐくらいに一回観てるはずですがー。確か張國榮(レスリー・チャン)がクローネンバーグじきじきにオファーされて蹴ったってのを聞いて好奇心で。その当時レスリーは『さらば、わが愛 覇王別姫』に出演中で、この蝶衣役もレスリーとジョン・ローンの間で行ったり来たりした経緯があったんだよね。妙な因縁です。ちなみにジョン・ローンが劇中で演じてた京劇「貴姫酔酒(だよね?たぶん)」は『さらば、わが愛』でも張國榮が演じてます。ジョン・ローンは京劇出身だから技術的には彼の方がうまいハズだけどどーでしょー?
ぐりの妹は『ラストエンペラー』を観て以来ジョン・ローンに夢中で、ねだられて『ラスト・ジゴロ』なんとゆーB級お色気映画を観に連れていったのが強烈な思い出に残ってます。もちろん観た方はご存知でしょーが(そんな人はほとんどいないでしょーが)この映画、中学生の子どもが観るような内容ではまったくない。それなのになぜか併映の『トゥー・ムーン』(同じくお色気B級映画)まで観てしまい、その日一日ふたりとも超無言だったですよ。なんもいえませんよもう。ムリ!
しかし妹はその後ジョン・ローンのステージショーまでしっかり観ている。ぐりが知る限り、彼女が有名人にオネツだったのは、スヌーピーの翻訳者・谷川俊太郎氏にファンレターを出した以外にはジョン・ローンのみである。どんな趣味だ。
とはいえジョン・ローンは確かに色っぽい。妖しい。ぐりも『ラストエンペラー』や『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』の彼にはぞっとした。ただ美しいとかセクシーとかゆーのではなくて、なんとゆーか爬虫類的な、見る者をひやっとさせるような、毒を含んだような凄絶な色気がある。90年代以降あまり目立った活躍はしなくなったけど、もしかしたら色っぽすぎてうまく役/作品にはまりきらなかった、役者としてツブシがきかなかったのかな?なんて邪推もしてしまう。
最近はまたちょこちょこ映画に出てるけど1本も観てない。80年代に一世を風靡したセックス・シンボルももう50代。良い感じのおじさんに熟して第二のブームが来るといいんだけど。
まあそれはさておき。
ジョン・ローンの女装がどーとかゆーのもさておき。
最初観てから10年以上経ってるけど、印象って意外と変わらんもんですね。内容はそんなに覚えてないんだけど、観てて感じることには大体覚えがある。恋は盲目だからこそ美しくて儚くて悲しいんだなあっていう。
だってふつう気づくでしょ?20年(映画では)4年もいっしょに暮してたらさ?いくら人種が違う、文化的背景が違うったってさ?ひと晩ふた晩だまくらかされたとかたばかられたとか、そーゆー話じゃないもん。実際のスパイは写真を見た感じジョン・ローンよりもさらに華奢で中性的な容姿ではあったけど、それでもふたりが共有した年月と関係の深さを思えば、ふたりでつくりあげた“愛”という幻影にふたりいっしょに耽溺してた、つまり意図的に真実に目を向けようとしなかったっていうのが穏当なんじゃないかと思う。
そんなの愛じゃないかもしれない。けど物語としては美しい。ロマンチックだ。
初見時はまだ中国映画をそれほど観ていなかったので気づかなかったけど、今観るとこの映画に映ってる北京が北京に見えない(爆)のが気になる。いったいどこでロケしたんやろ?セットかなー?フランス人の話なのに全編英語、中国人も都合のいいパートでは英語ってのはハリウッド映画だからしょーがない。
東西合作映画花盛りの今なら、もっとリアルに史実を再現出来たりするのかな?この映画のえもいわれぬグロさ(失礼)もクローネンバーグの味だけど、題材が題材だけに正面きってサスペンス映画として観てみたいような気もする。リメイクするなら誰に出てほしいかな?とかごちゃごちゃ妄想するだけでもけっこう楽しめます。
それはそれとしてやっぱりジョン・ローンはスゴイ役者だ。ここまでなりきられるとやっぱりちょっと怖い。見た目がどーとかではなく、演技の質が、迫力が恐ろしい。ジェレミー・アイアンズもあっぱれだとは思うけど、この人こーゆー役ばっかりだよねー?なんでなんやろー?確か『チャイニーズ・ボックス』でも鞏俐(コン・リー)相手に道ならぬ恋にモンゼツしてたよーな。
世界規模で保守化が進んだ今観ると、冒頭でヒロインがとうとうと述べる反帝国主義論≒フェミニズム論に、初見時よりも妙に重さを感じる。そういう意味でも、21世紀版がちょっと観てみたいなあと思いました。
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1964年、北京駐在のフランス人外交官ルネ(ジェレミー・アイアンズ)は京劇の歌姫ソン・リリン(ジョン・ローン)と知りあいひと目で恋に堕ちる。知的で慎み深く神秘的な美女の魅力の虜になっていくルネだが、彼女には驚くべき秘密があった。
1986年パリで発覚した実在のスパイ事件をモチーフにした戯曲『Mバタフライ』を映像化した1993年の作品。
ビデオが出てすぐくらいに一回観てるはずですがー。確か張國榮(レスリー・チャン)がクローネンバーグじきじきにオファーされて蹴ったってのを聞いて好奇心で。その当時レスリーは『さらば、わが愛 覇王別姫』に出演中で、この蝶衣役もレスリーとジョン・ローンの間で行ったり来たりした経緯があったんだよね。妙な因縁です。ちなみにジョン・ローンが劇中で演じてた京劇「貴姫酔酒(だよね?たぶん)」は『さらば、わが愛』でも張國榮が演じてます。ジョン・ローンは京劇出身だから技術的には彼の方がうまいハズだけどどーでしょー?
ぐりの妹は『ラストエンペラー』を観て以来ジョン・ローンに夢中で、ねだられて『ラスト・ジゴロ』なんとゆーB級お色気映画を観に連れていったのが強烈な思い出に残ってます。もちろん観た方はご存知でしょーが(そんな人はほとんどいないでしょーが)この映画、中学生の子どもが観るような内容ではまったくない。それなのになぜか併映の『トゥー・ムーン』(同じくお色気B級映画)まで観てしまい、その日一日ふたりとも超無言だったですよ。なんもいえませんよもう。ムリ!
しかし妹はその後ジョン・ローンのステージショーまでしっかり観ている。ぐりが知る限り、彼女が有名人にオネツだったのは、スヌーピーの翻訳者・谷川俊太郎氏にファンレターを出した以外にはジョン・ローンのみである。どんな趣味だ。
とはいえジョン・ローンは確かに色っぽい。妖しい。ぐりも『ラストエンペラー』や『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』の彼にはぞっとした。ただ美しいとかセクシーとかゆーのではなくて、なんとゆーか爬虫類的な、見る者をひやっとさせるような、毒を含んだような凄絶な色気がある。90年代以降あまり目立った活躍はしなくなったけど、もしかしたら色っぽすぎてうまく役/作品にはまりきらなかった、役者としてツブシがきかなかったのかな?なんて邪推もしてしまう。
最近はまたちょこちょこ映画に出てるけど1本も観てない。80年代に一世を風靡したセックス・シンボルももう50代。良い感じのおじさんに熟して第二のブームが来るといいんだけど。
まあそれはさておき。
ジョン・ローンの女装がどーとかゆーのもさておき。
最初観てから10年以上経ってるけど、印象って意外と変わらんもんですね。内容はそんなに覚えてないんだけど、観てて感じることには大体覚えがある。恋は盲目だからこそ美しくて儚くて悲しいんだなあっていう。
だってふつう気づくでしょ?
そんなの愛じゃないかもしれない。けど物語としては美しい。ロマンチックだ。
初見時はまだ中国映画をそれほど観ていなかったので気づかなかったけど、今観るとこの映画に映ってる北京が北京に見えない(爆)のが気になる。いったいどこでロケしたんやろ?セットかなー?フランス人の話なのに全編英語、中国人も都合のいいパートでは英語ってのはハリウッド映画だからしょーがない。
東西合作映画花盛りの今なら、もっとリアルに史実を再現出来たりするのかな?この映画のえもいわれぬグロさ(失礼)もクローネンバーグの味だけど、題材が題材だけに正面きってサスペンス映画として観てみたいような気もする。リメイクするなら誰に出てほしいかな?とかごちゃごちゃ妄想するだけでもけっこう楽しめます。
それはそれとしてやっぱりジョン・ローンはスゴイ役者だ。ここまでなりきられるとやっぱりちょっと怖い。見た目がどーとかではなく、演技の質が、迫力が恐ろしい。ジェレミー・アイアンズもあっぱれだとは思うけど、この人こーゆー役ばっかりだよねー?なんでなんやろー?確か『チャイニーズ・ボックス』でも鞏俐(コン・リー)相手に道ならぬ恋にモンゼツしてたよーな。
世界規模で保守化が進んだ今観ると、冒頭でヒロインがとうとうと述べる反帝国主義論≒フェミニズム論に、初見時よりも妙に重さを感じる。そういう意味でも、21世紀版がちょっと観てみたいなあと思いました。