さらにガジュマル捜しの旅は続きます。
石橋が架かっているという事で、このガジュマルが目標の聖樹でないかもしれないと、他のガジュマルを捜しにその深い谷に続く道を降りてみる事にしました。
まわりはうっそうとした森に囲まれ、路はどんどん細くなっていきます。
太陽の光がその木々の葉を通して谷に降り注ぎ、
すべてのものが緑色に照らし出されるなんとも不思議な光景でした。
そのうっそうとした森の奥には、こんなかわいいプリミティヴアートが居ました。
きっとここの護り神なのでしょう。
遂に道は行き止まりに。
元来た石橋の方に戻ると、寺院の修復で早朝から働いている人に出会い、思い切って聞いてみる事に。
松:「実はこれは28年前のここのどこかの写真なのですが、どこのガジュマルの樹かわかりますか・・・?」
「ん~~~・・・。たぶんあれじゃろう。」
それを示す方向は、やはりこの石橋のガジュマルでした。
松:「ただこの写真には石橋がないのです。」
「確かにそうじゃな・・・・・・。」
でも・このガジュマル以外には園内では心当たりがないという事でした。
「ところで・このグラサンの男は誰だ。」
松:「いや~・実は私です!」
「お・お前か・・・GOOD!!!」
「本当だ!よく見ると面影があるな。(笑)」
松:「この写真は判りますか・・・。」
「わしは知っているぞ。あんた達が来たのを・・・
それは、この村では大変な騒ぎじゃった。」
「リタじゃね。彼女は隣村に嫁いで、もういいおばさんになっているよ。」
そうでしたか・・・。
彼女が、私の曲「RITA」のモデルとなった、
当時プリアタン村一番のダンサー3人娘の一人でした。
(マンダラハウスでの彼女たち。)
撮影:阿部淳氏
当時彼女達はまだ小学校1年で、それでも何とも美しく素晴らしい「レゴンダンス」を踊っていました。
また彼女たちは、神様に身を委ねる踊りも踊っていたのでした!
3人は全く眼を閉じて無意識に踊るのですが、その3人の動きが寸分狂わないという日常ではありえない強烈な、それが有名なトランスダンスでした。
「マンダラ翁じゃ。この村では誰もが良く知っている。私もあんた達の踊りは観たよ。素晴らしかった!」
思いがけないところで白虎社のパフォーマンスを覚えている方に出会ってしまいました。
当時これは、やっぱりこの島の事件だったのです!
そして・その話をまるで聞くように、
上のガジュマルには十字の光りが射し込み始めていました。