鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

梅雨の晴れ間の夏至の頃、あらためましてネコと暮らして「もう25年か…」

2021-06-26 12:30:25 | 日記
先行きの見えぬコロナ禍も相まってか、何もかもがカオスと化している感のある東京五輪もどうやら開催される方向のようです。テレビやラジオ、新聞等各メディアでも「ホントに開催して大丈夫? コロナの感染爆発が心配…」との声が日を追うごとに高まっているように思います。そしてウチの工房に足を運んでくれる友人知人やお客様の多くがやはり五輪開催を危惧しています。

されど、IOCやJOC、そして主宰者ではないはずの政府首脳は、誰もが納得できる説明も果たさぬままに先手先手で後手(誤手?)を踏みながら、なし崩し的に五輪開催へ「まっしぐら」な感じです。振り返れば、2013年の五輪招致セレモニーの際の滝川クリステルさんのかの「お・も・て・な・し…」というプレゼンも

今となっては「表は無くて、すべては裏から…」という結果になってきてしまったのかも…。招致当初に謳われていた「復興五輪」はいつの間にか「覆狡五輪」?、そして「アスリート・ファースト」は「マーケット・ファースト」?と化してしまったのでしょうか。

閑話休題。

コロナと五輪の行方で少々鬱々とする中、ワタシにとっては「目下の唯一の楽しい関心事」であり、同時に「東京五輪へ向けてビッグイベント開催の指標の一つ」とも目されていたサッカー・ユーロ2020が6月11日に開幕。以来、連夜のようにヨーロッパ各地で繰り広げられる熱戦に釘付けとなるうちに、21日にはあっという間に夏至を迎えました。「夏に至る」との字の如く、この日とともに本格的な夏の到来とも認識されているようです。

私事で少々恐縮なのですが今から遠い昔のこの夏至の頃にワタシと同居人さんは入籍したという記憶があり、指折り数えてみると「銀婚式」の年を迎えたようです、たぶん…。俗に、日々ともに暮らす夫婦とは「空気のような存在」ともいわれます。たしかにそのような気もしますが、ワタシの場合、時として同居人さんは息苦しい存在でもあります。そしてたぶん同居人さんもおなじような思いをいだくこと多かれとも思いますので、我が家の二人は「空気のような」認識ではなく、「二酸化炭素のような存在…⁉」という側面もあるような感じです…。

いちおうは記念の日ということで同居人に「本日は西洋的にいうとsilver wedding anniversary と言うらしい。ウチの場合はやっぱり銀婚というほうが似合うけど…」と伝えてみたものの、あらかじめ予想していたとおり「なに、それ…?」という答えが返ってきました。このやり取りを聞いていたウチの黒猫ノワールも「やっぱり…」と長嘆息…。

しかしながら、結婚当初から暮らしていたオス猫オルカから始まってメスの黒猫チー坊、そして現在一緒に住んでいるノワールがいたからこそのsilver への道。あらためて、ネコとは偉なもの!? 味なもの…。

そして、日にちにまつわる縁とはまさに異なもので、ウチの二人が入籍した夏至の頃の日付けは、ワタシが若い頃にとてもお世話になった親戚の叔母さん命日でもあります。叔母さんは90歳を過ぎて亡くなって以来15年ほど経ちますが、これまたいろいろな縁あって現在は我が家からほど近い市内の禅宗の名刹・建長寺に眠っています。梅雨の晴れ間の一日、叔母さんのお墓参りへ。

鎌倉街道に面した総門をくぐるとほどなく、堂々とした三門が迎えてくれます。

三門とは、三解脱門の略称のようで、空、無相、無作(むさ)を表し、この門をくぐることによってあらゆる執着から解き放たれることになるのだとか。ただし、ワタシは元々物事への執着が少々足りない傾向があるように感じています。それゆえ、この門をくぐって「今以上に物事をスルーする状況になってはよろしくない」との思いもあり、三門の右側から境内奥へ進むことにしました。三門の向こう、境内西側には、かつて桑田佳祐さんも在学していた鎌倉学園が隣接しています。静かな境内に時折、鎌倉学園の学生さんの大きな話し声が響いていますが、その声も周囲の杜にあっという間に吸い込まれていきます。

三門を経て程なく右側に構えるこの門の先、

長い坂道と墓地群をいくつもかけ上がったところに叔母さんのお墓があります。お墓への途中、建長寺の若い雲水さんの修行の場である本派専門道場があります。


道場からお墓へ向かう途中、たどってきた登り道をふり返ると境内と鎌倉学園校舎の向こうに北鎌倉の杜が広がります。


叔母さんのお墓参りを済ませ、ひさしぶりに建長寺をめぐることに…。総門、三門に続いて堂々たる仏殿が控えています。

現在の建物は創建当初以より4代目のものといわれているそうです。

この仏殿には、建長寺の本尊である地蔵菩薩が安置されています。

仏殿では同寺の毎月1日、15日の祝聖(しゅくしん)をはじめ、開山例月忌、開山忌などの法要が行なわれます。

仏殿のすぐ奥には、かつては修行道場として使われ、現在は法要、講演、展覧会の場として使用されている法堂(はっとう)が控えています。


堂内の天井には鎌倉を拠点として創作活動をしていた故 小泉淳作画伯が、建長寺創建750年を記念して製作した雲龍図が奉納されています。

小泉淳作氏が2012年に亡くなった際、葬儀はこの法堂で営まれました。厳冬の午後、氏が遺した龍雲図の下に響く厳かな読経の響きが昨日のことのように思い出されます…。

境内の最も奥、左側には10年ほど前に綺麗に解体修理された唐門、そして右側には大規模な講演会等の場ともなっている本派宗務本院が静かな趣で佇んでいます。


建長寺は、出口の見えないコロナ禍、そして何もかもがカオスと化した感のある東京五輪のドタバタとはまったく無縁の、静かで荘厳な雰囲気に包まれていました。今のこのご時世を、神様はどのように見ているのだろうか…と思いつつ、帰路にちょこっとお店でひとり「お清め」していたワタシがいました。


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梅雨の晴れ間に思う、はつらつサッカー・ユーロ2020と東京五輪のカオスの明暗…

2021-06-18 21:12:28 | 日記
思い起こせば昨年はじめから約1年半の長きにわたり、かの流行り病いのおかげで少々鬱々たる日々が続いています。東京都の緊急事態宣言や神奈川県のまん延防止等重点措置等の影響もあり、ウチの工房での陶芸教室も開講の機会がいささか減ってきています。そして工房併設のカフェは原則休業の日々が続いています。そのような中にあっても、5月半ばの「大人のワンピース展」&私の「日用雑器展」でオーダーいただいた作品制作は今真っ盛り。

ご注文いただいた作品の一部は今現在、生地成型から2週間の乾燥時間を経て、素焼きまでたどり着きました。

このあと、素焼きを終えた生地はうわぐすりをかけて本焼きとなりますが、梅雨の合間の陽射しを浴びてのうわぐすりかけは熱中症の前科のあるワタシにとってはいささか恐怖…。そして成型中の作品管理においてはエアコンがノーグッド。いずれにせよ、痩せっぽちの躰にはキツイ作業が続きます。

そのような中、散歩途中のご近所の知り合いや鎌倉散策ではるばる東京から足を運んでくれる友人知人との語らいはまさに「至極のひととき」。時節柄、真っ先に話題になるのはやっぱりコロナ。佐助の杜のちっちゃな工房の中で、ようやくシステマチックになってきたワクチン接種や、そもそもこのワクチンを打つか拒否するか、その他じつに多くの考え、疑問、意見が交わされています。

そしてこのたび、東京に発令されていた緊急事態宣言は6月21日からはまん延防止等重点措置に置き変わる模様。

しかしながら、お酒は午後5時から7時までの2時間で、しかもごく少人数での飲食が強いられそうで、ワタシのようなお酒飲みはもちろん、お店にとっても「なんの足しにもならない緩和措置」に他ならないのではないでしょうか。

昨17日の夜、菅総理は緊急事態宣言からまん延防止等重点措置へ移行する旨の記者会見を行ないましたが、これがまたいつものとおり「心に響かない」空虚な通過儀礼⁉…。ウチの黒猫ノワールも、つまらなさそうに聞いていました…。

会見に出席していた各メディアからは東京五輪について具体的な開催根拠を求める質問が相次ぎ、フランスの女性記者からは「開催に向けて『No』と言えないからですか。それともプライド? 経済の理由ですか?」とウイットに富んだ絶妙な質問も。この問いに対する菅総理の「痛いとこ、突かれたなぁ…」という感じの困ったような表情がなんとも印象に残ります。

実のところ、テレビやラジオをはじめ多くのマスメディアが伝えるように、政府は「何が何でも五輪を開催」と心に決めているのかもしれません。そしてここにきて、各マスコミの多くは「五輪を開いてホントに大丈夫なのか。感染爆発の心配はないのか」と、以前にも増して強いトーンで説いています。そこで現下の状況のもと、五輪のような大きなイベントを開くか否か、はたまたどのようにすれば適切に運営できるのかを考えるべく指標として格好の催しがヨーロッパで繰り広げられています。

日本では一般的にはほとんど話題になっていないサッカー・ユーロ2020という、サッカー・ワールドカップのヨーッロパ版…といったところでしょうか。

規模的にはワールドカップには及びませんが、五輪と同じ年に開催される、強豪ひしめくヨーロッパの予選を勝ち抜いた24か国ナショナルチームが欧州No.1を競う大会です。本来ならば昨年開かれる予定でしたが、東京五輪と同様に今年に延期され、見事に開催にこぎつけました。ワタシにとっては、ワールドカップの数倍、そして東京五輪の百倍くらい楽しみなスポーツイベントです。

ユーロは2016年大会までは単独一か国開催、そして2020年大会からは複数国共催とあらかじめ決まっていた幸運もありますが、このコロナ禍においても、ヨーロッパではユーロが粛々と行われています。

感染を避けるために観衆は満員にはしませんが、マスクをしていない人も相当数見受けられます。

ビデオ収録しておけばいつでも観ることができるのですが、やはりリアルタイムでの感染…ではなく、観戦がベストです。

このフランスVSドイツはもとより、イタリア、クロアチア、スペイン…、こちらのカラダがどこまで持つのか。7月12日未明の決勝戦まで長い闘いが続きます…。

そしてヨーロッパを舞台に毎日熱戦が繰り広げられているユーロ2020と東京五輪について、あらためて考えてみました。ヨーロッパ11か国で分散開催ということで選手、スタッフ、関係者や観衆が集中しない幸運もありますが、ユーロは開催へ向けて、国家や民族の垣根を超えた圧倒的熱量が感じられます。かたや東京五輪はIOCと菅総理周辺だけは熱量のほとばしりを感じますが、一般的にはいかがなものなのでしょうか。少なくとも、ワタシの周りではコロナの行方のほうが、熱量をもって語り合われている感があります。

さらには、ヨーロッパやアメリカは昨年以来コロナで甚大な影響をこおむってきたことから、感染予防へ向けて国の指導者が強い予防策を講じつつ、間違った施策を行った際には素直に国民に向けて謝る姿勢を示して結果的に信頼を高めていったように思います。ひるがえってこの国の責任者は「コロナに打ち勝つ」「安心安全な五輪を」と繰り返すばかりで、こちら側としてはその言葉を聞くたびに不安が募るばかりでもあります。

あと一か月と少々に迫った東京五輪に向けてはつい先ごろ、観客数は収容人員の50%、もしくはそれまでの収容許容数を大幅に絞って最大1万人までと急に決定しました。しかしながら、新国立競技場においては、最大で7万人弱の収容人数を予定し、五輪の人気種目ではすでに全席のチケットが完売しているもようです。外国人観客を受け入れない場合でも、日本人観客はゆうに1万人を超えることは確実です。仮に観客を1万人と規定した場合、入場者をどのように決めるのか関係各位誰も答えられないものと思われます。最終的にはIOCのごり押しで事が無理やり収まる構図でしょうか。ことほど左様に、この五輪の運営を巡っては、マクロ面でもミクロの観点からもすべてが「カオス」と化しているといっても過言ではないのでしょう。

「どうせなら、五輪開催に向けて上手い嘘で騙し続けてくれたほうがまだマシだ…」と思ったりもする中、折に触れて中島みゆきさんの楽曲「永遠の嘘をついてくれ 」が耳元に響いています。そしてもう一曲、サザンオールスターズの「栄光の男を」の中の♪信じたモノはみんなメッキが剥がれてく…というフレーズがアタマに絡みついて離れません…。

なんだかこのままでは「平和の祭典」ともいわれる五輪が「閉輪の災転」ともなりかねません。もう、あの人には菅れません!?。というか、もとから菅る気もありませんが…。

さあ、今宵も気を取り直して「ユーロでGo!」。


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