鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

春の陽射しに誘われて 柳家花緑落語会@鎌倉能舞台 with緑助…

2022-02-22 19:29:34 | 日記
今から3日ほど前の2月19日に二十四節気第四の「雨水」を迎え、暦の上では「降る雪が雨に変わり、雪解けが始まる時期」ということになり、いよいよ春本番までカウントダウンといったところでしょうか。先の週末の日曜日は朝夕こそは雨模様でしたが、日中は陽光燦々と輝き、まさに春うらら…。

ついつい春の陽射しに誘われて街に繰り出し…ではなく、ご近所の友人夫妻に誘われて長谷寺や大仏様の佇む高徳院にほど近い住宅街の一角に佇む鎌倉能舞台で開催された落語会へお出かけとなりました。


柳家花緑@能舞台


会を主催する汐風落語会の制作と思われるパンフレットに寄せられた花緑師匠の口上と会の挨拶文が心に響きます。


花緑師匠直筆の葉書サイズ半紙。左はウチの同居人さんへ、そして右は私がいただきました。

同居人は私が受け取った半紙を見るや、「思考が先 現実があと…って、ちょっと浮世離れしているアナタにぴったり。当たってる!」と大ウケです。なんだかなぁ…。

柳家花緑師匠の噺の前の口明けの一席は師匠のまな弟子の柳家緑助さんが務めました。緑助さんは今回の落語会に誘ってくれた友人夫妻と深いつながりがあり、その縁で今から3年前の5月にウチの工房にて「めざせ真打ち! 柳家緑助落語の集い」という独演会を催したことがあります。その時の様子は…

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5月第2週目の日曜日は「母の日」ということで、夕刻のひと時ご近所のお店仲間「甘味処こまめ」さんにて今年90歳に成らんとする母にあんみつをご馳...

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縁とは不思議なもので、私の大学大先輩が埼玉県にて催されている「鴻巣寄席」をとおして花緑師匠ととても長いおつき合いがあります。ウチの工房で緑助さんの落語会を開催した同じ年の9月、私も「鴻巣寄席」に足を運び、花緑師匠とご挨拶させていただいています。そのときの様子は…

さまざまなえにしに誘われて、笑う過度には富久喜多る!? 「鴻巣寄席」へ… - 鎌倉 佐助の風街便り

それは今から4カ月と少々前の風薫る5月、ウチの工房&カフェを舞台に真打ちを目指して修業中の若手落語家・柳家緑助さんの「落語の集い」と...

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今から3年近く前のあの頃。まだコロナなんぞは影もカタチも無く、世の中のみんなが「三密」とお酒の席を思う存分楽しんでいたのですね。なんとも良い時代でした…。

閑話休題。

コロナはさておき、ウチの工房で落語会を開いた緑助さんがどのくらい「噺家」さんに近づいているかワクワクドキドキ。「能舞台に設えられた高座の向きがなんとも微妙かなぁ…」などと思いつつ、

「明日があるさ」の出囃子とともに緑助さんが高座に上がり、「左と右にお客様が座り、ど真ん中には立派な柱がド~ンと。私はこの柱に向って話すのでしょうか…」という感じで軽く笑いを取って始まった一席は「たぬき」。じつはこの日曜日の朝、ラジオの文化放送「志の輔ラジオ 落語DEデート」という番組を聴きながら朝食を摂っていたのですが、番組の中でオンエアされた落語がなんと、花緑師匠の師匠にして祖父であり、晩年は人間国宝にもなった故柳家小さん師匠が今から約50年前の1971(昭和46)年8月13日に演じた「たぬき」…。

さらにさらに、小さん師匠が「たぬき」を演じたこの日から約10日ほど前の8月2日に後の花緑師匠がこの世に生を受けたことが、落語会のパンフレットからうかがえます。

ラジオで小さん師匠の円熟味のある「たぬき」を聴いた数時間後、孫弟子にあたる緑助さんの若さ溢れる「たぬき」を目の前で楽しみながら「こんなに偶然が重なるんだ…」と、ただただビックリ。なんだかこちらもたぬきに化かされているような不思議な気分にもなりました。

ちなみに、わが家にも時々 たぬきの姿が。

もっとも、こちらは化けたりはしません。

ウチでの会では少々緊張気味だった緑助さんは3年の時を経て、きっちり落語家然としてきました。友人夫妻、そしてウチの同居人さん一同、「緑助、成長したねぇ…」と感心することしきりです。めざす真打ちまであと一歩⁉、いや、あと二歩半くらいでしょうか。がんばれ、緑助!

そして花緑師匠が掛けたのは「試し酒」と「井戸の茶碗」の二席。3年前の「鴻巣寄席」で聴いた時以上に流調に、そしてパワフルな語り口は、あたかもかのコロナの影響で沈みがちな聞き手の心の呪縛をバッサリと取り払ってくれる心地良さに満ちています。

この会の宣伝リーフレットには「祖父である五代目小さん師匠も高座に上がられておりましたので実に40数年振りに小さん師匠のDNAが鎌倉能舞台の高座に…」と書かれていました。ところが花緑師匠は「私、先ほどこの会場に来た時に思い出しました。まだ修行中の頃、ここでの志ん朝師匠の会の前座を務めたことありました」と驚きの事実⁉を披露。そして「前座で落語を演じたんだけど、ちっとも受けませんでしたね。見に来ているお客さん全員『早く志ん朝を出せ』モード全開で、私、滑る滑る、なんて思い出が…」とくすっと笑わせてくれる一幕も。それにつけても、今回の会で大好きな志ん朝師匠の名前が出てくるとは思いませんでした…。

あらためまして、コロナ収束の暁には必ずや またウチの工房にて「めざせ真打ち!柳家緑助落語会」開催を。いや、ひょっとして「祝 真打ち昇進! 柳家緑助落語会」? いえいえ、急がば廻れ…、急いては芸を仕損じる…。
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雪の夜に想う、66回目のアニバーサリーは「イヤー・オブ・ザ・キャット」

2022-02-10 20:35:27 | 日記

今から一週間ほど前の2月4日に「立春」を迎えて暦の上では春となりましたが、その後も厳しい寒さが続き本日は雪…。当地でも正午過ぎからひらひらと白いものが舞い降り始め、夕刻頃にはご近所の屋根もうっすらと雪化粧となりました。


おりしも大学同窓の友人のFacebookでは、8年前の2014年2月なかばの大雪の際の江ノ電の写真が…。

あの日は2月8日の土曜日、朝からの荒天をものともせずに陶芸教室に来ていた横浜の男性会員さんは大雪の影響で帰りの電車が無くなり、わが家で酒盛りしながら夜を過ごしたことが昨日のことのように思い出されます。

この先、今夜は雪が本格的に降りそうとの予測も含め、お天気に関する情報をネットで収集していると、あらら…

ウチの黒猫ノワールにも少なからずリンクするテーマだけに、思わず見入ってしまいます。じつのところ、黒猫は単に見ているだけならば毛色の艶をはじめ綺麗に輝いて見えるのですが、実際に写真に収めるとなると撮影する部屋の光の廻り方をはじめとても微妙な条件が揃った時だけに美しい姿を捉えることが出来る…、なかなか難しい側面があります。

そして猫に関してはもうひとつ我ながらびっくりしたのですが、ご近所のスーパーが発するペットフードの安売り告知を見つけると、即カレンダーに貼り付けて

きっちり「お得にお買い物、ルンルン」しているではありませんか。

特段の猫好きというワケではないのですが、何をしてワタシを特売に走らせるのか。あらためて、猫とはホントに摩訶不思議な生き物です。

ウチの黒猫ノワールは今年で猫齢10歳ということで、人間に換算するとおおむね60歳代後半から70歳くらいということのようです。そしてワタシもつい先ごろ66回目の誕生日を迎え、ほぼほぼ同年代となりました。

今回、ワタシの誕生日に際してはその前日にたまたまご近所の知り合いが我が家に居合わせ、ウチの同居人さんが「ならば、カタチだけでも…」ということで、誰も予想だにしていなかったプチ・パーティーということになっていました…。なんと、大急ぎでケーキがテーブルに登場し、「さよなら65歳、こんにちは誕生日…⁉」のささやかな宴がスタートしました。

時節柄、飛沫を飛ばすことはご法度なので、ろうそくは一本一本ずつ手で振り払って炎を消していきます。なんとなく盛り上がりに欠けるようにも思いますが、なかなか消えない炎に自らの往生際の悪さを投影したりもしてしまいます…。

ふと気がつくと、ノワ―ルも一緒です。

あらためまして、特段の猫好きとはいえないワタシゆえ、我ながらなんとも不思議な光景でもあります…。

雪の夜に寄せて ちょっと長めの追伸:蛇足ながら今年は寅年。この寅、すなわち虎も猫もともにネコ科に属するのだとか。ということによれば、広義の意味では今年は「猫の年」ともいわれているのだとか。

機会ありましたら、今から約45年ほど前の1976年、ワタシが20歳を越えたばかりの頃にリリースされイギリスのシンガー・ソング・ライターのアル・スチュアートのその名も「イヤー・オブ・ザ・キャット」という名曲をお聴きくださいませ…。






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いろいろと難しきこと多かれど、季節は春に移ろいて心は早くも桜に向けて…

2022-02-04 19:32:08 | 日記

振り返ればほんの少し前に年が明けたと思っていたら、季節はあっという間に2月・如月へ。昨日の「節分」を経て本日は「立春」となり、暦の上では春を迎えました。とはいうものの陽射しは雲にさえぎられ気味で、「春とは名のみの…」という感じがしないでもありません。それでもここ数日前から午後5時を過ぎた頃も西の空はまだほのかに明るく


紅く輝く夕陽が山裾に姿を消すまでの時間も心なしかゆっくりになってきたように思います。


そのような中、ご近所のお宅の竹垣も春へ向けて青々とした姿に「模様替え」。

季節が変わるたびに職人さんの手を借りてきちんとした風情を保つことはさぞかし大変なのだろうなぁ、と思いながら、ふと気がつくと竹垣がきれいに築きあげられていく様子に見惚れていました。

ひるがえって広く世の中に目を向けると、そこにはやはり今だにコロナ…。そしてきな臭くなってきた国際情勢にも目が離せない状況となっています。ロシアと西側諸国が兵力派遣と心理戦を繰り広げるウクライナ情勢は一触即発ともいえる状況のようにも見えますが、いかんせん世界の東の片隅の島国に住む私たちには何もできません。現状では今にも開戦ということにはならないと思われますが、ウクライナから陸続きのヨーロッパ各国マスメディアの抑制の効いた情勢報告報道はかえって不気味な感もあります。

このところ毎朝、目が覚めて真っ先に気になることはウクライナ…という日々が続いてしまっています。かのコロナよりも危ない…かもしれません。

いっぽうのコロナですが、専門家といわれる方々の間でも「オミクロンは間もなくピークアウトか…」という見方とともに「亜種が見つかり、さらに感染が広がる」という予測もあって、こちらもウクライナ同様、予断を許さない状況にあります。それにつけても専門家の方々の分析が世間では果たしてどのくらい信用されているといえば、岩盤ともいえるような強い支持を得るまでには至っていないものと思われます。「この支持の度合いは何かに似ているなぁ、はて…」と少しばかり考えてみると、コロナの専門家の方々の予測は競馬の評論家や記者の方々の馬券予想と通ずるようにも思いました。

蛇足ながら、ワタシはコロナのことは詳しくはわかりませんが、こよなく愛してきた競馬に携わる記者の方々に対しては限りなきリスペクトの念をいだいています…。

たとえば、コロナウイルスの株を突きとめる遺伝子レベルのゲノム解析が説かれていますが、競馬でいえば血統からその競走馬の距離特性を探ることと少しは共通点があるように思われます。

そして、ヨーロッパやアメリカ、アフリカとアジアで感染状況が微妙に異なるとの傾向分析は、競馬の世界に置き換えてみると府中、中山、京都の淀、兵庫・宝塚の仁川といった各競馬場の馬場レイアウトの違いによって同じ競走馬でも得手不得手があり、微妙に走り方がかわる…といわれるように、環境面での差異が大きいことも似ているような…。

さらにはおおむね冬と夏に大流行するコロナの気候面での特徴は、競馬のレースの際の晴天続きのカチカチ固い馬場や大雨のぬかるみ不良馬場に馬がダメージを負いがちな傾向ともなんとなく共通しているかなぁ、とひとり静かにひっそりと分析をしてみたりしています。

このように、コロナ専門家の状況分析と競馬専門家の馬券予想に共通点がある⁉…というワタシの見方はけっしておふざけや冷やかしではありません。あえていうならば、どんなに緻密に慎重に分析しても、けっしてドンピシャな答えは得られないくらい、対コロナや勝ち馬を当てることは限りなく難しいことなのだろうな、と思う次第です。

コロナの感染予防にも、そして競馬にも「絶対」はありません。その上で「競馬は馬券を買ってみなけりゃ始まらない」のですが、コロナは「かかってしまうと災難の始まり」にほかなりません。

各地から梅や河津桜の開花の報も届き始めました。そして次の週末はまた3連休が控えています。春の気配に浮かれることなく、今一度気持ちを引き締めて慎重に穏やかに日々を過ごして。今年の春こそ、心の底から満開の桜を愛でたい…


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