気ままに

大船での気ままな生活日誌

法然と極楽浄土展

2024-05-09 20:45:04 | Weblog

こんばんわ。

東博で”法然と極楽浄土展”(4月16日~6月9日)が開催されている。まだ始まって間もない頃、東洋館前の白躑躅が満開だった4月24日に出掛けた。

法然の浄土宗開宗以来、850年を迎えることを機に、開催される展覧会で、全国の浄土宗諸寺が所蔵する国宝、重要文化財等貴重な名宝が一堂に展示されている。

京都知恩院から法然上人絵伝、阿弥陀二十五菩薩来迎図、奈良の當麻寺から綴織當麻曼陀羅、鎌倉の光明寺から当麻曼荼羅縁起絵巻の国宝4点、そして往生要集(京都・青蓮院)、いくつもの法然上人像やいくつもの阿弥陀如来立像などの多数の重要文化財ほかをありがたく拝観したが、何と言っても、一番印象に残ったのは、最後に現れた香川県高松市の法然寺からの仏涅槃群像だろう。これだけが写真撮影可能だったのがうれしい。釈迦涅槃図はどこにでもあるが、これは、釈迦も、嘆き悲しむ十大弟子や羅漢さんや動物たちもみな彫刻である。いわば、”立体釈迦涅槃”である。法然寺には82体あるが東博には26体もお出で下さっている。

全部撮り切れないほどたくさんの彫刻像。

中央部に横たわる釈迦。”嵯峨の立釈迦、さぬきの寝釈迦”として古来より知られる。2メートル超えのお釈迦様。

右側に獅子、猿などの動物たち。

左側にも象やヘビ、兎などの動物たち。

迫力のある立体釈迦涅槃でした。

展示室では高松の法然寺の仏涅槃像の映像が大画面のスクリーンに写す出されている。ここにはないが、天井からは釈迦の母・摩耶夫人が迎えにこようとしている像。この涅槃世界を見守る阿弥陀・釈迦・弥勒の本尊三仏。ぜひ一度、訪ねて見たい寺だ。

いくつかの名品を記録しておこう。

国宝・法然上人絵伝(鎌倉時代・14世紀、知恩院蔵) 全48巻。浄土宗に帰依した公家・武家や弟子たちの事績までをも収めた、数ある法然伝の集大成といえるもの。

国宝・阿弥陀二十五菩薩来迎図 鎌倉時代・14世紀 京都・知恩院蔵  ”早来迎”は、対角線構図によって速度感を強調した来迎図を指すが、本図は異例な正方形画面とし、生まれた余白に山水景観を描くことで、三次元的な情景表現を達成している。

国宝・綴織當麻曼陀羅 中国・唐または奈良時代・8世紀 蓮糸で織られいる。浄土経典『観無量寿経』を織り出した縦横4メートルに及ぶ大曼陀羅で、古代から浄土信仰の聖地でありつづけた當麻寺の本尊。

本展はこのあと、京都展、九州展と巡回するが、この東京展では第4章・江戸時代の浄土宗、の中で関東地方の浄土宗のお寺の寺宝が展示される。増上寺からは狩野一信筆の五百羅漢像など、祐天寺の祐天上人坐像など。 

五百羅漢像 狩野一信筆 江戸時代・19世紀 東京・増上寺蔵。ぼくは増上寺での五百羅漢像展を観ている。狩野一信は鎌倉、円覚寺の”五百羅漢図”(伝・張思恭筆、元時代)を参考にして描いた。なお、現代画家、村上隆が五百羅漢図を描いているが、彼は増上寺のを参考にしている。ぼくはこれら三つとも見ており、”五百羅漢図の三冠王”である(笑)。

素晴らしい特別展であった。あの日、白躑躅も見事だった。

では、おやすみなさい。

いい夢を。

近所のエゴノキの花も見頃になってきました。

コメント (4)
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