気ままに

大船での気ままな生活日誌

團十郎の幡随院長兵衛 

2024-05-08 09:02:05 | Weblog

おはようございます。

コロナ以前は時々歌舞伎座に行ったものだが、最近はとんとご無沙汰している。先日、たまたま歌舞伎座の前を通りかかったら、一幕見席に並ぶ列がなく、まだ販売中の様子だった。そして、演目は極付・幡随長兵衛で團十郎が主役。10年ほど前、海老蔵時代にこの演目を見ていて面白かったので、迷うことなく購入した。幕見席は以前は全部自由席だったが、今は大部分が指定席になっていて両脇に自由席が少々あり、それが売れ残っていたのだ。ここは最上階(4階)で舞台から遠く花道もわずかしか見られない。ただ料金が格段に安いので、月に何度も来る歌舞伎通や(ぼくのような)ちょい見したい素人にはうってつけだ。ぼくの席の周りは外人2組と若い日本人カップルが二組だった。

団菊祭五月大歌舞伎で團十郎、菊五郎を中心に6演目あり、昼の部の最後が”極付幡随長兵衛”だった。幡随院長兵衛に團十郎、敵役水野十郎左衛門に菊之助という配役。

第一幕から面白い。劇中劇で村山座の舞台が上演されている。そこに、酔った旗本奴が花道から入り込んで、舞台の邪魔をする。舞台番が止めようとして喧嘩となる。さらに騒ぎが大きくなると、(実際の)客席から一人の着流しの男が舞台に上がってくる。江戸で知られた侠客、花川戸(浅草)の幡随院長兵衛(團十郎)だ。旗本奴を軽くいなして、その場を収める。芝居小屋の桟敷席にいた旗本の水野十郎左衛門(菊之助)が、この一部始終を観ている。許しておけぬとだまし討ちを考えるのであった。水野率いる白柄組と長兵衛を親分とする町奴たちはもとより犬猿の仲なのだ。

第二幕は長兵衛の家。水野の使いがやってきて、藤の花見の酒宴に招待したいという。騙し討ちはわかっていたが、長兵衛は喜んで参上すると答える。女房お時(児太郎)、子分衆も引き止めるが、ここで断れば、男がすたる、「人は一代、名は末代の幡随長兵衛、ここが命の捨てどきだ」と名せりふ。駆け付けた兄弟分の唐犬権兵衛(右團次)に死んだあとのことを頼む。そして、子分に、幾時かあとに、早桶(棺桶)で迎えにくるように耳打ちする。

そして、第三幕。酒宴の席でわざと酒をこぼされ、裃を乾かす間、風呂にでもと誘導される。そして、裸になった長兵衛は、風呂場で水野一派に斬りつけられる。しかし、早桶が来たことを知った水野は、長兵衛の覚悟のほどに感じ入り、とどめをさすのを止めるのであった。

写真がないので、江戸時代の浮世絵で。

湯殿の場。月岡芳年の”東錦浮世稿談 幡随院長兵衛” 歌舞伎の舞台ではこのような血みどろにはならない。

三代目豊国 当世好男子伝 公孫勝に比す幡随院長兵衛

歌川国芳「国芳もやう正札附現金男・幡随長兵衛」

江戸時代初期、浅草花川戸に実在し、日本の俠客の元祖と言われた幡随院長兵衛を主人公にした物語のなかでも、本作は九世團十郎に当てて河竹黙阿弥が書いた「極付」とされる傑作。町人の意地と武士の面子を賭けての対決、柔術を組み入れた立廻りなど、江戸の男伊達の生き様を描いた世話物として評価が高い

團十郎にはぴったりの役柄。これを機会にまた、歌舞伎座にも足を運ぼうかな。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で。

大谷、4試合連続ホームランなるか。山本由伸4勝目なるか。今日は出掛けるので、スマホでチェックの予定。がんばれ、翔平&由伸!

コメント (5)
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