2016年10月04日
糖質ゼロ点滴についての、現時点での考察。
点滴治療について、現時点での私の考えを書きます。
そもそも点滴は、血管内に直接水分を注入する行為であり、人間の体に不自然なこと。
点滴は状況によっては有益だけど、体には負担。
これが私の基本的な考え方です。
そもそも、エネルギーの補給の目的でブドウ糖点滴が行われるとすれば、間違いですね。この外科医はヤハリ正しい。糖質制限、ケトン体、糖新生を関連すれば、血管に5パーセントのブドウ糖注射はありえない。インスリン打つなんて、今話題の事件より恐ろしいことが、全国の病院で行われている。直接死にはつながっていないが。
(Ⅱ) 栄養輸液剤
経口摂取が出来ない状態(手術、嘔吐、腸炎、閉塞性腸疾患など)では、生体が回復するまで、水分と適切なエネルギーを補給し、蛋白異化(体組織の消耗)をできるだけ抑えて組織回復を助ける必要があります。
栄養源は、(1)糖質 (2)アミノ酸 (3)脂肪 があります。
また必要に応じて、(4)ビタミン (5)微量元素 を追加します。
電解質、pH、濃度を調整して組成を決定します。市販の栄養輸液はすでに調整されており一般的使用に有用です。
(Ⅱ)-(1) 糖質 【表5】
ブドウ糖は1g=4kcalのエネルギーを発生します。ブドウ糖は重要なエネルギー源で、特に心筋や脳はブドウ糖を必要とします。なお、ブドウ糖代謝にはビタミンB1が必須です。
糖質輸液は5~50%の濃度の製剤があります。
5%ブドウ糖(体液と同じ浸透圧濃度)は、栄養補給としての意味よりは、水分補給の意味として使用されます。
一方、ブドウ糖の利用にはインスリンが必要であるため、糖尿病や耐糖能異常時は糖代謝が低下して高血糖の危険性があり注意を要します。ブドウ糖濃度が濃い溶液を点滴する時は血糖を確認し、場合によってはインスリンも使用されます。
耐糖能異常でブドウ糖利用が不良時に、他の二糖類(キシリトール、フルクトース、ソルビトール、マルトース)を入れた製剤もあります。
なお、10%以上のブドウ糖の持続点滴は静脈炎を起こす危険性があります。末梢を使う場合、20、50%ブドウ糖の少量単回投与は可能ですが、高浸透圧による血管組織障害のため持続点滴はできません。