健保のつぶやき

食事、トイレと他人様に頼る必要はないが、薬に頼る生活がソロソロ始まりました。当面は「親鸞さん」に照準。

私今、ほろ酔い。でも新井医師 納得のブログでしょうね。

2018-02-15 20:29:05 | 新井医師

『解糖系はエネルギー産生を目的とするものではない』

『糖代謝』という表現をする人がいるが恐らく実態を理解していないはずである。

解糖系は、基本的には、エネルギー源であるアセチルCoAを急速に補給するためのものである。

常時、解糖系が働いているのはどこでしょうか?
簡単な問題です。
そこでは常時ブドウ糖が細胞内に高率に取り込まれるはず。
わかりましたか?どうやって証明しますか?

『糖代謝』は、目で見ることができます。
『糖代謝』の画像を見てみてください。--PET画像ですよ!

常時、解糖系が働いているのは、グリア細胞であることがわかりますね。
ここでは、ブドウ糖→乳酸と代謝され、常時高度な仕事をしている神経細胞に直接手渡しのような形で供給されているわけです。『乳酸→アセチルCoA→TCA回路』が主経路であることは言うまでもない。蛇足ながら、神経細胞はヒドロキシ酪酸も
『ヒドロキシ酪酸→アセチルCoA→TCA回路』と利用できる。

さて、時に解糖系が働くのは?
これもPET画像が教えてくれます。
はい、それは骨格筋ですね。安静時には、骨格筋といえども、全く糖は取り込まれません。安静時の骨格筋では解糖系が働いていないことがわかりますね。
骨格筋運動時には、その細胞内で、TCA回路がフル稼働。
『ブドウ糖→ピルビン酸→アセチルCoA→TCA回路』
解糖系の高速ブドウ糖代謝の活躍の場となります。
当然、ブドウ糖は大量に骨格筋に取り込まれます。

他には?
安静時に、結構な量のブドウ糖が肝臓に取り込まれています。肝臓でも解糖系が働いていることがわかります。ここでは、その後、インスリン追加分泌下において、中性脂肪に合成されることが主たる代謝経路となっています。

健康な個体ではこんな感じです。

病的個体で常時、解糖系が働いているのは?
これは言わずと知れた『癌』ですね。
ここでは、『ブドウ糖→5炭糖→核酸合成』が主たる代謝経路となっています。