Japanese and Koreans invaded Asia. We apologize.

RACISM

2008年05月02日 04時01分51秒 | Weblog
この前ありがたくも図書券もらっちゃって、そいてもって、休みの日にプラプラと紀伊国屋いって数冊洋書を購入。その一つ。Racism: A Very Short Introduction 。この入門シリーズってのは、値段も手頃で、ポケットにちょっこっと入るからわりに好きなシリーズではある。当たり!!と言えるのもあれば、ハズレって感じなのもある。今回のはまあ、中間くらかな?
 全体としては、多少左がかったと言える論者からの差別に関する論攷。(因みに最近読んだので、松尾匡のページ 
用語解説:右翼と左翼
は右翼と左翼について面白い分析である。ーーーもっとも「ぼくは右ですから、こう考えます、というような思考は、ちゃんとした議論とは言えないし、あいつは左だから、というのは何か言っているようで何もいっていない、ということは多多ある。要は、具体的な問題にどういう理由でどう考えているかである。)
 世界の潮流として、差別!!差別!(人種差別、文化差別、国家差別など)と叫ぶ声が大きくなってきた。何が問題にされているのか、どのような言動が批難されているのか、その最新の議論を日本の政治家や官僚も知っておくべきだ。
 で、ぱらっと読んで、面白い議論はいくつかあるが、気ままに取り上げてみる。まずは中心的と思われる議論、差別主義者のアイデンティティについて。(Chapter 7 page 114)

アイデンティティについてのいくつかの命題

1 個人やグループのアイデンティティは自分たちによる同定であると同時に、他人による同定でもある。
 「おれさまはかくかくしかじかだぁ」、という部分と「お前さんはかくかくしかじかだ」という側面がある。

2 アイデンティティは原則として差異を前提とする。
 「あたいの肌の色は黒、あんたのは茶色」

3 アイデンティティの境界線は様々な権威に承認されて生成する。
 父「家の家柄を考えなさい!!」法律「少しでも黒人の血が混じれば黒人」

4 境界線は永遠に固定されているものではない。
 オレみたいな日本人だと気づきにくいし、どうでもいいことなんだが、アイリッシュやイタリアンってのは歴史的なんと黒人に近いと分類されていたらしい。写真参考

5 アイデンティティは複合的である。
 ある女性は、妻であり、姉であり、娘であり、戦闘的フェミニストである、かもしれない。それぞれのアイデンティティを複合的に担っている。

6 複合的なアイデンティティは整合的であるとは限らず、矛盾を含む場合も多い。
 だから、外では、男らしく、家ではむしろ主婦的にふるまう男性がいてもおかしくない。

 このように、境界を非固定的にそして、アイデンティティを複合的にとらえると、本質主義を否定しつつ、純粋に全面的に差別主義者、平等主義者という発想ではなく、差別主義的な傾向が強いか弱いか、というとらえ方ができるようになる、というわけだ。
 
 面白いコロラリーとして、
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A woman journalist from Wales reporting from India for a British newspapermay accept an Indian 's Indenfication ofher as 'English ',butin Britain may want to emphasize the disinterestness of her Wleshness. In India or Afrian or....she may be willing to accpect the label "European", but she may be opposed to membership of the European Union on account of a strong beliefin a distinctive British identity and national interest.

要するに、インドではイギリス人、イギリス本土ではしかし、そんなこと無関心、アフリカではヨーロッパ人だが、EU統合に関してイギリスの特性を強調して反対することもある。要するに、アイデンティティーは状況・文脈(situational, contextual)によるのである、というわけだが、ときに日本人のメンタリティの特性としてあげる「ウチ、ソト」の区別意識もこれと同じじゃないだろうか?

 ま、こうして、本質主義を否定し、ある概念ーーこの場合、差別主義ーーーをなだらかな色調の変化によって論じられるメリットはあるが、しかし、逆に論者の考える差別主義がいかなるものであるかが、薄ぼけてしまううらみがある。論者が差別についてどう考えているを示す議論として、「偏見+権力=差別主義」という公式に対する反論の議論が参考になる。(page 130)

1) この公式の背後には、偏見は無知と不条理の産物で、啓蒙していけばよい、という信念があるが、偏見は議論によって打ち負かせるものではない。といのは、偏見は不条理であり、不条理とは定義により、議論や証拠によって覆されるものではないからである。(但し、無知が偏見を助長することはある)。

2) 偏見をもつことは人類の普遍的な特徴である。
 社会的に切り分けられた社会的な現実に対応しながら、社会的な分類・切り分けを学習するが、その切り分け自体偏ったものである。だからといって、人間がみんな差別主義者であるわけではない。

3) 無権力者にも差別主義者はいる。
貧乏人にも差別意識がある。

4) 部外者に対して非友好的な見解を持つからと言ってただちに差別主義者になるわけではない。差別主義には、人種(文化・国家)の存在に対して特定な信念があり、かつ、多くの場合、生理学的・文化的基準などにもとづく優劣の階層意識がともなう。

 つまり、ある無根拠な分類の存在と優越意識を重要な徴表にしているわけである。

 以上がおれが思った本書の議論の核心部分。

 因みに、白人、黒人という区別も理性的な根拠があるわけではない。白人の血が混じっても白人になるわけではないが、黒人の血が混じると黒人になるというのは理性的なものではないし、遺伝子的にも肌の色というのは科学的分類にとって非常に偶有的なものである、と論じている。
 先日も黒人の知能指数は先天的に低い、というような発言をして問題になった科学者がいた。そうした発言そのものを禁止しろというわけではないが、差別主義的動機以外意味の少ない発言であったのではないか? いうところの「黒人」の範囲は科学的な根拠に基づいていたかどうか?(これについても本書に議論が掲載されている)
いずれにせよ、仮に、そうした「科学的な知見」があったからといって、一義的に政策が決定されるわけではないーーー知能が低いから、排他すべきだ・保護すべきだ、の両者とも帰結可ーーーのだから、発言の動機について批判されるのは妥当であろう。

 でもって、著者は従前の差別主義強硬派と新しいソフトな差別主義があるという。
差別主義強硬派ってのは、ナチとネオナチなどを念頭におけばいい。新差別主義として、例えばつぎのようなサッチャーの言質がことあげされている。
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If we went on as we are , the by the end of the century there would be 4 million poeple of the New Commonwealth ...here. Now that is an awful lot and I think it means that people are reall rather afraid that this counrty might be swamped by poeple with a different cluture. And you know the British character has done so much for democracy, for law and done so much throughout the world , that if there is a fear thatit might be swamped , people are going to react and rather hositile to thos coming in.

 このままだと、今世紀の終わりには英連邦には4百万の人口になります。これはすごい規模ですが、この国が他文化によってごったがえしになることを不安に思われるかもしれません。ご承知のように、イギリスの特性が民主主義や法、あるいは世界に対して、て多くのことを貢献してきました。この国がごった煮になるという不安があれば、反動的になり、新参者に対して敵意を持つ人々もでてきましょう。



 で、この場合、明確に人種や優越意識の言及はないものの、「コモンウェルズ」は白人の暗喩しているという。( The 'New Commonwealth”in Britishpolitical culture, has always functioned ina clour-coded manner by being contrasted with the predominantly white old Commonwealth ofAustralia, New Zealand, and Canda.)、で、イギリスの特性やそして、その民主主義や法制度に対する成果を強調することでそれ以外の人々との優劣意識を暗示している、というのである。

 こうした言明に対して、こうした批判があるのだということは、日本の政治家もこの点は大いに参考にしてただきたい。
 
 欧州の右派勢力による議論に対する批判はいくつもあるが、その要は彼らが本質主義者であること、幻想された区別にもとづいて、その区別を自然的に、あるいは実体あるものと錯認し、他者を排他的に取り扱っていることである。

 まあ、ここいらは、日本文化・伝統云々を強調しすぎる日本の右派も気をつけたほうがいい。

 あと他にも面白い話はいくつかあって、ホロコーストってのは、それ以前にあったユダヤ人に対する偏見だけでなく、複合的な原因によって惹起された、とか、植民地化により、欧米人のアジアに対する神話的な物語が創出されオリエンタルなおねえちゃんに対する幻想を抱くようになったーーーこれは今でもあるように思うがーーーとか・・・・

 そういえば、有道くんが一派が、日本は差別主義的である、従って、オリンピックを開催すべきではない、G8の開催国になるべきではない、国連安保理事になるべきではない、云々とよくいう。推論の稚拙はおいておくとして、~すべきではない、という主張内容についてもおれはどうでもいいと思っているのだが、彼の祖国アメリカの現状はどうなのか?仮にもっと惨憺たるものであるにもかかわらず、日本のみを非難の対象とするなら、それは彼らの偏見と差別意識が投影されている、と言えまいか?
 アメリカの差別の歴史については、ほぼナチに近いともいえる差別の歴史、慰安婦の性奴隷なんが屁みたいな奴隷の性的搾取の歴史があるわけだが、現状はどうか、それについての記述も随分あるのでちょっと抜粋してみよう。


140
Gross inequality persist in en era where legalized segregation has been abolished....
141
...In the USA, in 2001, the real median income black families was only 62% of that that of whites, a figure that drops to 58% if Hispanics are excluded. And this in only 10 % higher as a proportion that it was in 1947.
Unemployment rates for black men have remained stubbornly at least twice that of all white men for very long period, including decades since the middle of the 20th century.
Black American children are almost three times as like as white children to grow up in officially defined poverty. Not only are black children considerably more like to be poorer, some two-third s are more like to grow up in low-income neighbourhoods than whites. This is because they are much more likely to grow up in segregated neighbourhoods.
African Americans remain the most residentially segregated group in the USA, partly because white Americans refuse to live in areas with more than 20% blacks. In addition, they are less likely to own a home, and when they do they get less advantageous mortgage term than whites. In general , blacks pay higher interest rate for mortgage for properties that are worth less than those of whites.

The differences in infant mortality rates, a stark indicator of the health of population, are significantly large. Black infants mortality rates are twice those of whites, and this despite the fact that Medical support helped to drop infant mortality rates by half between 1960 and 1980.

142
Some 75% of African Americans now achieve a high school diploma. But only 14% can earn a college degree. Given the difference in educational achievement, it is surprising that while nearly half of all whitemen are in white collar' job, the proportion for blacks in less than one-third.

Striking disparities between American whites and blacks are to be found in crime and the criminal justice system. While blacks make up around 12 % of the total population , they constitutes 50% of the prison population, a figure that has risen from 29% in 1950


143
Black defendants are more likely to be executed than white defendants. And those who commit crimes against black victims are less harshly punished than those whose victims are white.

A study by the US Department of Justice shows that between 1975 and 2000, 72% of death penalty prosecution approvals by the attorney-general were black, although there were equal number of black and white perpetrators of murder. 

144
It is important to grasp that black also face continuing discrimination in employment right into the present, in addition to the fact that they are living in areas with poor employment opportunities....Social audit studies....consistently find that employers are less likely to offer interviews or job to non-whites.


 要するに、所得・有罪率・死刑率・生活居所・生存率、あらゆる面ですさまじい格差がある、と。
 有道くん一派にいわせれば、こんな国が安保理常任にいるのもおかしい、G8のメンバーでいることも、いや、国際的になにか発言する資格なぞないんじゃないかとさえいえるのではないか?
 まあ、有道一派は敵意むき出しの閉鎖的孤立的英米語話者の共同体である。そんなやつらの論理のまねをすべきではない。
 ただ、有道一派のように、友好を拒絶し、敵意ある閉鎖的共同体が日本国内に独自に数多くその存在を主張しはじめるとしたら、それに恐怖しない、というのもおかしな話であろう。
 
 おれとしては、立派で協調的で、非差別的なそれでいて異なる背景を持つがゆえに個性的でもあるーーーあるいはそれほど個性的ではなくても、外国人、外国出身者との友好と協調を強調していきたい。


参考記事ニッポンの差別

更新 ロイター
Racial minorities were more likely than whites to be sentenced to death or to life without parole as juveniles, according to the U.N. Committee on the Elimination of Racial Discrimination. It monitors compliance with an international treaty which Washington ratified in 1994.











 





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