「日本人人質『殺害』」(上)の1 交換場所も協議…期待むなしく
「日本人の命が大切だからといって、50人以上を殺害したテロリスト(サジダ・リシャウィ死刑囚)を交換で釈放してほしいとヨルダンに求めるわけにはいかない。それをやるとダッカ事件以下になる」
首相は周囲にこう語っていた。ダッカ事件とは昭和52年、日本赤軍が日航機を乗っ取り、収監中の仲間の釈放と身代金を要求した事件だ。このとき、首相官邸の判断で釈放された1人はその後、インドネシアでテロ事件を起こしたのだ。
テロリストを安易に解き放つと、新たなテロを招きかねない。首相としては、ダッカ事件の轍(てつ)を踏むわけにはいかなかった。
首相はヨルダン、トルコなど関係国の首脳との個人的な信頼関係を最大限に活用した。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」の成果のひとつで、世界有数の諜報機関を持つイスラエルとも緊密に連携したほか、米国や英国からも多くの情報提供を受けた。
「わが友、シンゾー、どうしたんだ。全面的に情報を渡す」
トルコのエルドアン大統領は協力を求める首相にこう約束し、実際に多くの情報を提供したという。
「日本人人質『殺害』」(上)の2 残る3つの「なぜ」
日本国内では事件発生直後から、この時期に中東を歴訪し、イスラエルで記者会見した安倍晋三首相を批判する声が出ており、日本の世論を分断・混乱させる狙いは一定の効果があったようだ。
例えば、イスラエルはイスラム国が当面の敵としている(1)イスラム教シーア派(2)シリアのアサド大統領(3)クルド人(4)十字軍連合-には含まれていない。
にもかかわらず、テレビや雑誌などで「イスラエル訪問がイスラム国を刺激した」といった議論が飛び交う現状は、すでにイスラム国の術中にはまっているといえる。
安倍ちゃん応援団による記事
RISKY BUSINESS02.01.15
Japan’s Prime Minister Knew He Was Putting Hostage Lives at Risk
想定外の悲劇?日本のマスコミは人命を優先して人質事件を静観した。何で日本の総理大臣はできなかったのか
2015年2月2日 6:35
NYTの反安倍ちゃん記者タブチさんご推薦の反安倍ちゃん記事 jake adelstein氏による。
It’s not clear whether ISIS really believed that Abe’s initial promise of $200 million to states in the region was a declaration of war or simply interpreted it that way for its own political purposes. Maybe it didn’t matter what Abe did. Maybe the hostages would have been killed either way.
But one thing is certain: Shukan Post, which often matches scandalous headlines with solid reporting, took the threats to the lives of the hostages seriously enough to kill its story at the request of the Ministry of Foreign Affairs. Abe neither paid attention nor seemed to care about what the ministry had to say.
The tragic irony at the center of all this maneuvering is that Kenji Goto, who devoted his life as a journalist to shedding light on the tragedies of war, will now be used by the Abe administration to expand the powers of Japan’s Self-Defense Forces and make it possible for Japan to wage new wars of its own.
果たしてはISISは本当に2億ドルの支援の表明を宣戦布告として受け止めたのか、それとも都合よくそう解釈したのか、不明のままだ。安倍総理の言動と人質の運命は全く関係なかったかもしれない。いずれにしても殺されたかもしれない。
ただし、一つのことが言える。低俗な見出しでよく知られながら地道な取材もする週刊ポストでは、人命の危機を優先的に考えて外務省の嘆願を受け入れて事態を静観していた。しかし、安倍総理は外務省の嘆願や人命の危機に不注意だったか、それとも無関心だった。
二人の人質がテロリストに処刑されるなんて悲劇だ。とても皮肉な悲劇なんだ。後藤健二さんは記者として戦争の悲劇を訴えるために命を捧げていた。
そう考えると、彼の人生が再軍備と戦争参加の正当化に利用されるのは、一番皮肉なことだ。
(1)ポストで引用されている安倍ちゃんの発言の有無、真偽が不明
We don't know whether Abe actually said as Weekly Post described it.
(2)認めているように、安倍ちゃんの支援表明とテロ行動との因果関係が不明。
仮に、”挑発”と受けとめたとしても、レイプ被害者、いじめ被害者を責められないように、この点で、安倍ちゃんを責めることはできない。
We don't know whether Abe's promise of $200 million to states in the region has anything to do with the terrorism.
Even if his promise "provoked" the terrorism, just like the "provocation" by the victim of rape and bully, it is not his fault.
(3)あたかも、再軍国主義化するような書き方は不当
It is not legitimate to write as if Abe wanted to "make it possible for Japan to wage new wars of its own"
(a) Abe promised to take the responsibility in the international community by expanding the humanistic aid such as sending food and medicine to the middle east
(b) Abe said "it is impossible for Japan to participate in airstrikes on ISIS nor to engage in the combat service support for it.
(c) Koumura, the current Vice-President of the Liberal Democratic Party, told that the use of military force against IS would be prohibited even after new interpretation of the constitution. *
I am not a fan of Abe at all , but the criticism is wide of the mark.
Somebody said, "Journalism these days survives off of sensationalism" This might be a good example.
Let's avoid the sensationalized and gossip-driven media
*
首相、有志連合参加・後方支援を否定 対「イスラム国」
2015年2月2日11時45分
安倍首相は会議後、参院予算委員会に出席した。首相は答弁で「テロに屈してはならないし、屈することはない」と強調。そのうえで「中東への食料、医療などの人道支援をさらに拡充し、テロと戦う国際社会において責任を毅然(きぜん)と果たしていく」と語り、非軍事分野でテロ対策の支援を拡大する意向を重ねて示した。
また、米国主導の有志連合による「イスラム国」への空爆について、「参加することはありえないし、後方支援も考えていない」とも述べた。日本の軍事行動への参加を否定し、補給などの後方支援も行わない考えを強調した。「ISIL(『イスラム国』の別称)が残虐な方法で支配地域を拡大している。この動きをとめなければならない」とも語った。
「イスラム国」との戦闘、参加できない…高村氏
2015年01月29日 08時52分
集団的自衛権の限定行使を可能にする憲法解釈の変更後も、イスラム国への武力行使は憲法上許されないとの考えを強調したものだ。
ISが日本の情報を得ていたとして、グーグル翻訳で、情報を得ていたかもしれない、という人があったが、私はそれは、ほぼなかろう、と思う。フランス語やドイツ語から英語というのはかなり有益な翻訳になるが、日本語から英語から機械翻訳してもなんだかわけのわからない文章になってしまうからである。
読んでいたとすれば、英語圏で流通する右傾化、軍国化、変態、変人の日本記事であろう。
英語圏の記者たちが、日本が軍国主義化しており、中東に武力支援するかのような記事を書いていたからこそ、ISは日本の人道支援の実態を無視して、言いがかりをつけてきた可能性のほうがよほど高いだろう。
外国記者クラブの記者、および、大手英語メディアの日本担当の記者たちは、後藤さんや湯川さんの殺害についてちょっとは責任をかんじているのだろうか?
私は安倍ちゃんのファンではない。しかし、今回、できることは少なかった。その少ない範囲で批判するとすれば、人質事件が判明した時点から、いつの時点で、どれだけ、情報収集をして、どれだけパイプを作ったか、その点をもっとはっきりさせるべきだ。
P.S.
因みに、
t a meeting in Cairo on January 17, aware that ISIS held two Japanese citizens hostage, Abe pledged that Japan, in order to “reduce” the ISIS threat, would “provide $200 million in aid to those countries fighting ISIS” (our emphasis). The speech seemed to declare war on the self-styled Islamic State, widely known as ISIS or ISIL. Or maybe something got “lost in translation.” The official English-language version of the speech softens the language somewhat as Abe says, “I will pledge assistance of a total of about 200 million U.S. dollars for those countries contending with ISIL, to help build their human capacities, infrastructure, and so on” (again, our emphasis).
安倍ちゃんの演説の英訳がまずかったという人がいたが、むしろ、英訳の方が日本語訳より語感が柔らかになっている、といわれている。