細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『グリフィン家のウェディング・ノート』の上質な、古典的ハリウッド結婚騒動記。

2013年10月20日 | Weblog

10月17日(木)13-00 京橋<テアトル試写室>

M-132『グリフィン家のウェヂィング・ノート』The Big Wedding (2013) millennium films / a two ton films

監督・ジャスティン・ザッカム 主演・ロバート・デ・ニーロ <90分>配給・ポニー・キャニオン ★★★☆☆

よくある結婚式でトラブってしまうご両家の騒動を描いたコメディだが、・・・これって案外によくできた作品。

どうせ「花嫁のパパ」のような、ごくありがちなアメリカン・ホーム・コメディと思っていたが、それよりは面白く出来ていた。

デ・ニーロはコネチカットの瀟洒な屋敷に住む悠々自適のアーチィストで、末娘の結婚式の準備に忙しい。

というのも、長男は童貞のプレイボーイで、長女はダンナとは別居中のトラブル最中の出来損ない。

それに加えて、ああ・・・別れた前の妻、ダイアン・キートンが娘の挙式にやってきたから大変だ。

いまデ・ニーロと同居しているスーザン・サランドンは立場がないので、一応、ウェディング・コンサルタントとして絡む。

表向きは上品に挙式したいのだが、結婚相手の母親が、南米コロンビアから式に来るので、ダイアンを家内として紹介したものだから事件は複雑になる。

要するに、「フィラデルフィア物語」の、つまり「上流社会」の焼き直しのようなアメリカン・ファミリーのおかしさが露呈してしまう。

しかし、傑作「最高の人生の見つけ方」のジャスティン監督は、その複雑な家庭の事情を、手際よくシナリオで処理して、案外にすっきりしている。

だから、アカデミー受賞の4人もの名優たちにも、ちゃんとした見せ場を作っていて、上品に、辛辣に、飽きさせないのは、お見事。

つまりハリウッド伝統のソフィスティケイテッド・コメディの味付けを、久しぶりに再現して見せて、終始トラブルに笑える仕掛けになっている。

牧師の役で、久しぶりにロビン・ウィリアムズも顔を見せていて、まずは大いに楽しめたハリウッド伝統のドタバタ家庭騒動。

 

■左中間の浅いフライをショートもキャッチしようとして、3人の間に落ちたヒット。

●11月29日より、TOHOシネマズ、みゆき座でロードショー