細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『セブン・サイコパス』未完成シナリオの迷走にアタマが混乱。

2013年10月07日 | Weblog

10月4日(金)六本木<シネマートB1試写室>

M-125『セブン・サイコパス』Seven Psychopaths (2011) film 4 / hanway films / blue print pictures

監督・マーティン・マクドナー 主演・コリン・ファレル <110分> 配給・クロックワークス ★★☆☆☆

おそらく脚本家で監督のマーティンが、前作のシナリオがアカデミーにノミネートされたので、焦って苦心した発想だろう。

一応、タイトルだけは決まったものの、ストーリーが思いつかないのだ。そこで悪友たちに相談するのが混乱のはじまり。

むかしジュリアン・ヂュヴィヴィエ監督が作った「アンリエットの巴里祭」が、オードリーの「パリで一緒に」にリメイクされた。

たしかティム・ロビンスの「ザ・プレイヤー」やタランティーノの「キル・ビル」なども似たような展開だ。

あれと同じ発想で、アイデアと同時にストーリーが進行する仕掛けだ。ところがこの紙上の発想は次第にリアルになり、破綻しだす。

当初は、7人のサイコパスなクレイジーたちが殺し合いをする、という単純な段取りのはずだ。

その着想をしたライターのコリンは、つい先日見たばかりの「デッドマンズ・ダウン」の、これはその前の作品らしい。

殺し屋のウディ・ハレルソンも、仲間のクリストファー・ウォーケンも、このところ新作で売れている面々。

金持ちのペット犬を盗んで、お礼金目当てに後日飼い主に返しに行って金をせびるという、セコい奴らのスケッチが前半。

ところが気軽に盗んで来たペットの子犬が、ギャングの大ボスの愛犬だったものだから、さあ大変。

とうとうハリウッドから、ネバダの砂漠までの西部の対決が大袈裟にエスカレートしていく。

ま、サム・ロックウェルも絡んでの、ハリウッド中年スターたちのお遊び追跡ごっこにおつきあい。という笑えないコメディ。

 

■ファールで粘ったものの、サードのファールフライ。

●11月2日より、新宿武蔵野館などでロードショー