馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

Barbaroの蹄葉炎、ANMEC、お留守番

2007-01-13 | How to 馬医者修行

 Barbaro の左後肢がまた痛くなったらしい。Barbaro061220

年前には、Dr.Richardoson に曳かれてあるく姿をネット上で見ることができた。

痩せていたし、骨折治療のため球節とその下の関節を固定されている右後肢は、あまり屈曲させずに前へ大きく振り出す歩様だった。

骨折事故のとき、オーナーは2000万ドル(24億円)の生命保険を受け取ることもできたのに、この馬を愛するがゆえに助けられるものなら助けたいと願った。と説明されていた。

USAの獣医師の間でも、いろいろな感想が述べられていたが、私は助けたい人がいて、生きたい馬がいれば、それに答えられること、答えられるようにチャレンジすることは素晴らしいことだと思う。

まだまだ油断できない状態が続くのだろうが、乗り越えて欲しい。

                          -P1040160

 今日は土曜休みの予定だったのだが、骨折の手術が入って休み返上。

私以外の家族は泊まりでスキーに行ったので、一人でお留守番。

怪我せず無事に帰って来いヨ。

                          -

 日本獣師会雑誌に某大学の動物病院が紹介されていた。

診察室が12、陽圧手術室を含めて3つの手術室、CTとMRI、放射線治療室、etc.立派な獣医教育病院だが、あれっ?というか、やっぱりというか、大動物のエリアはまったくない。

もう、大動物は教えなくても良いんだろうか・・・・・?

 昨年約1000名の獣医師が誕生したが、牛と馬の臨床医になったのは60名ほどだそうだ。

そんな現状だから、講義で少し触れ、実習で少し見せておけば、後は就職先で覚えればいいでしょ。ということなのかもしれない。

雇う方は、よく考えた方がいい。

少しでもその分野への熱意と知識・技術を持った者を雇った方が良いし、職場での教育が必要だろう。

                          -

                   春季実習生募集中です。

 


8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あそこは新しく建てたとき、見学会があり見せて頂... (sutemaru)
2007-01-13 22:37:14
あそこは新しく建てたとき、見学会があり見せて頂きましたがもう改築なのですね。
此処だけではありません。私が出た所も大動物用の設備はありません。
本当に心細い現実です。
 >sutemaruさん (hig)
2007-01-14 07:13:07
 >sutemaruさん
  大動物は、勉強したかったら自分で勉強しなさい。というのがいくつかの?
  ほとんどの?大学の考えなのでしょう。
  
  Small ANimal MEdical Center と名乗って欲しいと思います。

  動物看護士の職域確立が唱えられていますが、
  大動物を含めないなら「小」動物看護士として欲しいと思います(涙)。
そうですね、同感です。 (sutemaru)
2007-01-14 22:58:31
そうですね、同感です。
大きいと恐いという感覚が大動物では持たれてしまう事がかなり東京ではあります。
馬のお医者さんになってと言うと「恐いから嫌だ」と言う返事が返ってきます。
「死にたくない」とかね。確かに命がけでしょうが、それ以上に可愛い事も知って貰いたいです~
今の学生さんは怪我をさせたら大変とか、違う事で先生が気にする事も多くて、動物の命より、人間の扱いの方が難しい事も多いようです。
馬に蹴られたり、齧られたり(幸い私は今迄そういうことはなかったのですが、友人は額を蹴られ、蹄の後がずっと顔を降りてきましたけど)、それも大事な経験ですから、それを超えて扱い方を学んで欲しいですね。
>sutemaruさん (hig)
2007-01-15 07:09:53
>sutemaruさん
 咬む犬、引っ掻く猫、蹴る馬、襲ってくる牛、に向き合う姿勢は共通のものがあると思っています。油断はしてはいけないが、怖がらないこと。敵対しないが、気持ちで負けないこと。
 馬の実習がとくに危ないとは思わないんですけどね~
 たぶん、教えなければいけない立場の人も触ったことがないので怖いのでしょう。
 hig先生、はじめまして。 (anko)
2007-01-15 15:57:56
 hig先生、はじめまして。
 このページでは、いつも勉強させていただいています。
 わたしは現在、某国立大学獣医学科に在籍し、大動物(牛)獣医師を目指している者です。
 わたしも大動物に関する教育は非常に物足りないと感じています。特に内科学では「大動物分野は講義しない」とはじめから言われましたし、外科学においても、実習は小動物だけです。馬に関しては、カリキュラムの中では、触れるチャンスすらありません。
 現在の日本の大学では、大動物獣医師を目指す学生は、大学のカリキュラムとは別に座学・実習をこなすことが必要、というのが現状なのでしょうか。

>ankoさん (hig)
2007-01-15 20:44:58
>ankoさん
 「講義しない」と宣言するというのはすごいですね。馬はともかく牛については教えないとまずいと思うんですが・・・・・
 学びたいことを教えないで、よそへ行って自分で勉強して来いというのは、「金返せ!」って話ですよ。
 某私立大学は、学外実習の費用を一部大学が「払い戻し」してくれるそうです。良いんだか悪いんだか。
大学の馬の実習では馬術部の学生の方が先生より扱... (sutemaru)
2007-01-16 17:30:10
大学の馬の実習では馬術部の学生の方が先生より扱いが上手ですね。
でも助けなくてはならない時、先生は学生の方を大事に考えていると感じた事は多々あります。変わりに私なんぞが動いたこともあります。例え実習でも馬が救いたくて見ていられなくてこうしなさいああしなさいと動きましたが、設備が駄目。これは本当に辛い所です。危ないのは何でも一緒ですものね。馬の方が猫よりずっと大人しい事だってありますからね。その子の性格と、こちらがその動物を承知して扱うという事が基本ですものね。
診療で扱う動物は耳学問だけでは絶対に無理と言うところは実際に色々な動物を扱う場合自分で感じる所が多いです。貪欲に自分から吸収しにいく事が大事だと思います。待っていても駄目、自分からチャンスを作らなくてはね。
>sutemaruさん (hig)
2007-01-16 17:51:04
>sutemaruさん
 「貪欲に自分から吸収しにいく事」。同感です。「自らチャンスを作らなくては」。まったく同感です。
 

コメントを投稿