文化の日は、旧NOSAI日高の内部の実習。
5名の獣医さんが集まって、講義と超音波画像診断実習、午後は講義とX線撮影実習。
私も臨床獣医師になったころ、先輩獣医師に「まず診断」と教わった。
あの頃よりはるかに診断手法は増えている。
しかし、使いこなすには勉強と練習が必要だ。
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黒毛和牛が、分娩予定10日前に元気食欲不振で、子宮捻転しているので帝王切開して欲しい、との依頼。
研修が終わる頃に連れて来てもらうことにした。
直腸検査すると、子宮は雑巾を絞ったように右回転している。
これは帝王切開が必要だろう。
立位、枠場保定で左膁部を切開する。
捻転をとても直せそうにないので、子牛の蹄らしき部分を子宮切開し、肢を引き出して産科チェーンで引っ張ってもらう。
幸い両後肢から引き出せた。子宮壁は「T」に裂けたが、縫合は問題ない。
子宮内の羊水を吸引して、子宮を軽くして捻転を整復しようと考えたが、胎盤が邪魔でほとんど羊水を吸引できない。
仕方がないのでそのまま子宮を閉じる。
捻転を整復したら、子宮縫合部はぐるっと回って、また手前側に来た。
360度右回転していたわけだ。
インターンシップで来ていた大学院生と手術した。
NOSAI北海道みなみに就職内定しているそうだ。
良い経験になっただろう。
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夜、心拍100、発汗、呆然虚脱の当歳馬が来院。
消化管破裂で手の施しようがない。
盲腸破裂だった。
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疝痛の繁殖雌馬も来院。
右で結腸動脈が見える。
直腸検査では、粘土状の結腸内容に触れる。
疝痛が治まっているようなので、入院厩舎で様子を観ることにした。
痛くなったら開腹だが・・・・・
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今年は異常高温で紅葉は2週間以上遅れた。
黄色が多い、北海道特有の黄葉。
山の木の実も成りが悪くて、鳥もヒグマも餌不足らしい。
大千軒岳でヒグマと闘った消防士さんは立派。
バラバラになって逃げず、襲われている仲間を助けるためにナイフでヒグマを刺したそうだ。
見事に仕留めたことも、二次災害を防ぐことになった。
クマに遭遇したら、眼をはなさずに後ずさり、などというが、
クマが向かってきたら、最後は本気になって闘うべきだと思う。
大きな動物に人が勝れるのは、意志と知恵と精神力しかないのだから。
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クマ除けスプレーはすぐ使えるように持っておきましょう。
若い先生方、一次診療先生方のご健勝も心よりお祈りいたします。
紅葉の中であちこちの馬たちに久しぶりに会いました。
たくさん手をかけてもらっていて、状態もよく、人との生活やお仕事に向かってそれぞぞれの課題を確実に身に着けている様子に感動すら。たくさん遊んでもらいました。好天でめずらしく駐車場も満車。広い敷地内でみなさんそれぞれにお過ごしでした。
熊よ、熊スプレーが有効な5mまでなんて来るなよ!だし、5秒あれば逆に仕留められそうですが、極限で有効な備えはして温暖な秋を楽しみたいです。
人の事故は熊のことだけではないので、健康にも、事故にも気を付けて過ごしたいものですね。
ホルよりは素因だと思います。
これは脚ですね。
最近黒和の臀位多いです。
牛でほぼないはず?の頭と後ろ足引っ張るパターンもそのうちやらかすと思います。
男のせいです笑
カナダ国旗は赤なので黄色は亜寒帯括りではなくてやはり北海道植生ですか。
熊ナイフで仕留めるとかすごいですよね。
相当イメージトレーニングしていたのではないでしょうか。
それあっても私なら無理でしょうね。
そもそもイメージ沸かない。。素因だな。
本気で襲ってくるヒグマに逃げずに対応できるか?消防士さんは命をかけた覚悟をする訓練ができていたのだろうと思います。
モミジが少ないのか、シラカバの黄色が目立つのか、北海道の紅葉は赤が少なく、黄色が多いと思います。カナダは・・・知らん;笑
仲間にクマ乗りになっているヒグマにナイフで立ち向かっていけるか、眼球をねらえるか、自分に乗っかってきたヒグマの頚動脈を刺せるか、「素人じゃないな」と思いました。そうか、救急救命の知識か経験が役に立ったのかも。
逆子言ったらまず尾位だと思うのですが、ケツから出てくるのがやたら多いんですよ。
いわゆるエビでして、捻転よりは直せるけど、まあやりたくない奴です。
おそらく長脚を畳めないのが原因なので、そのうち頭位股関節屈曲気づかずエイヤーが出てくるだろうと。
それくらい極端に多いんです。ヒップボンバー
ここで終わらないように、肋折らないようにはほんと気をつけてます。
黄色聞いてカラマツ考えたのですが、亜寒帯言ったらカエデだろカナダだろと思ったわけですね。
原生林眺めて歩けば、黄色植生が人工的な物なのかどうかわかるのかも知れません。
頸動脈一発でなんて解剖見ておかないと、それでも無理だなーと思います。
武井壮霞んでゴルゴにしか思えないです。
カラマツの黄葉もきれいだったりしますけどね。シラカバはパイオニアプランツとしての自然植生かな。北海道は火山灰土が多く、土が肥えていない、とかもあるかも。
刃渡り5cmの山菜ナイフだったらしいです。幸運もあったのか、急所の知識が役立ったのか・・・・
分娩子牛の死亡は過大子(焼却場の10kg単位の秤で60kg)1頭、早期胎盤剥離2頭。
早期胎盤剥離の1頭目は羊膜に赤黒い肉片のようなものが着いていておかしな分娩と思ったが、どうすればよいのかわからず、手遅れ。2頭目は待っては助からないと思い、すぐにけん引したが、ダメでした。
これらの経験から、滑車(牛舎構造上、使えない、使い難い牛舎もあるが)と分娩開始通知システム(立会を考えると子牛がセンサーを押し出すタイプが最も良いのかなと思っていますが他を使ったことがないので比較できていない。笑)は必須と思います。
分娩立会300に満たないものの経験です。
過日出荷5週間前に左前跛行した子牛。
自ら、触診、蹄底の少しの削蹄で原因わからず。
かかりつけ獣医、家保の獣医に診てもらって痛いところわからず。でした。
我が地域では、事例の少ない跛行診断、治療がなかなかな゙ところが、農家にとっては気を揉むところです。
クマ被害という報道、レベル的には北海道のヒグマは死を覚悟、本州以南のツキノワグマは大ケガを覚悟なのでしょうが、報道の仕方、用心の仕方は違うように思うのですが、ごちゃ混ぜ。
我が家付近もクマ(本州西なのでツキノワグマ)の出没情報が出ているので、夜間洗濯物の取り入れ、プランター野菜の収穫に屋外に出る時は、出る場所付近の部屋の照明点灯、手にはハサミかほうきなどの長い棒を持って、覚悟を決めて、出ています。笑
私は、飛節がこちらへ来ていても、来ていなくて臀部から来ていても、それは胎勢の問題で、「尾位」だと思うのです。
早期胎盤剥離が牛でもありますか・・・・牛の分娩は馬以上に調査研究の対象にされないまま放置されているように思います。胎仔死にしても、流産なのか、異常産なのか、生後直死なのか、ほとんど調べられずに片付けられています。
10ヶ月前後の子牛の跛行ですか。触診でも痛い部位がわからなかったのですね。血液検査で炎症像を診たいところです。
ツキノワグマなら闘って追い払えるチャンスがあると思います。ヒグマだとほとんど瞬殺されます;笑 クマ除けスプレーは備えて置かれるべきだと思います。
そして頭位股関節屈曲は逆エビと言われるようになり、ますます獣医学は奥深くなりそうです。
牛の胎盤剥離は娩出遅延の方が要因として強いかも知れません。
カラマツ綺麗ですよね。でもこれ人工林の定番みたいで北海道に限らず、みたいなんですよね。
シラカバの寒冷僻地で勝手に生えてくタフさとは好対照なのかも知れません。
カラマツもきれいに黄葉するのは日当たりなどの条件が必要なんですかね。日高はあまり植えられてないし、シラカバもあまりきれいには黄葉しないようです。