日曜日もふたり出勤。
朝、繁殖雌馬の下顎の最後臼歯が伸びていて、立位では削れなかった、という症例。
立位でトライして昂奮させてから全身麻酔するのは良くないだろう、と判断して最初から全身麻酔。
開口器をつけて口を開くと・・・
311がひどく伸びているのがわかる。
上顎にはいつも”刺される”部分がある。
バールを当てておいて、ハンマーで叩いて破折する。
帯同してきた若い獣医さんにやってもらう。
力加減と感触を知っておけば、おとなしい馬なら立位でもできる。
この馬、ひどいカケスで、上顎と下顎の切歯もまったくかみ合わず、ひどく伸びてしまっている。
歯鋏で切断しようかと考えたが、ひどく力が要るし、歯が割れる可能性がある。
電動歯鑢で削ると、あまりに長い部分を削らなければいけないので、熱を持って、歯髄を火傷させる可能性がある。
切りたいところでグラインダーで切るのが良いだろうと判断した。
311と411を2度に分けて折った欠片4個 + 上顎と下顎の切歯を切った欠片6個。
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全身麻酔の起立は問題なかった。
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他の地域から、子牛の骨折症例の相談と、別な子牛はプレート固定で問題なく治りました、とのメール。
次の日から、牛の骨折プレート固定を教えに行く私には嬉しいメールだった。
十勝NOSAIは、牛の骨折をプレート固定で治せることもある、とお知らせしている。
素晴らしい。
怖かったり痛い経験はその後の管理によくないこともあるでしょうから全身麻酔ができればそのほうが。
亀の経験から嚙み合わないのに削ることには多少疑問も感じますが、馬の歯は伸びすぎはいけなのでしょね。
牛さん、よかったですね。
ご相談の子牛も治してもらえますように
よーく冷えとる
グラインダーの切れ味凄そうですね。
治せるものがあると胸を張って言えることは素晴らしいことだと思います。
費用対効果のオッズが大きい以上モチベーションが必要になると思いますが、治った牛の写真が一枚でもあれば既成概念で固まった飼養者に訴えるものがあるかもしれません。
若い生産者はwebで否が応でも期待が膨らむ画像を見る機会があるでしょうけれども、年配になるとやはり普段から付き合いのある獣医師を含めた伝聞でしょうから。
研修から帰ってきました。
臼歯はできれば1年1回、すくなくても数年に1度、手入れしてやりたいところでしょうか。
さて、子牛の骨折はプレート固定してでも治すようになるか、ならないか、いよいよ分かれ目のころだと思っています。