ウマ科学会学術集会から帰ってきた。長年、会員ではあったのだが、この学術集会に出るのは実は初めてだった。
ウマ科学会の立ち上げのとき、どのような会を望むか、ハガキのアンケートが来た。馬臨床獣医師が参加できるような集まりになることを望む。ということを書いたのを覚えている。
しかし、当初、学術集会は春に開かれていた。馬の獣医師を広く集める学会・集会で春に行われているものはない。
生産に関わる獣医師が春は忙しいからだ。
われわれ生産地の獣医師には関係のない集まりなんだなと思わざるを得なかった。
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私の知るかぎりでも生産地でも、競馬場でも、臨床獣医師は会員でない人が多い。
いままでのウマ科学会が馬臨床獣医師にとって魅力がなかったからだろう。
一方、日本では馬臨床獣医師が集まる会はない。
これからウマ科学会が馬臨床獣医師が参加しようと思う会になることは、ウマ科学会にとっても望ましいことなのではないだろうか。
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毎年12月最初の月曜日にはJRA調査研究発表会が開かれる。
これには私も何度も出張してきた。発表させていただいたことも何度かある。
JRAの競走馬に関する研究はレベルが高く、臨床獣医師にとって興味ある演題も多い。
ただ、以前2日にわたって日本都市センター、九段会館などの大会場で行われていたこの発表会も、1日だけになり、会場も東大農学部弥生講堂で開かれるようになった。
時間的にも、会場的にもゆとりがなく、内部発表会の性格が強くなったように思う。
しかし、来年は50周年とのことでウマ科学会学術集会と、日程をつなげて3日間開かれる。
その中で、馬臨床獣医学の教育講演が半日にわたって開かれる(予定)。
一般の馬獣医師にとっても参加する価値が大いにある集まりになるのではないだろうか。
馬医者の皆さん! 来年12月東京に集まって、馬臨床獣医師の集まりを作っていきましょう!
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ウマ科学会総会でウマ科学会の学術誌 Journal of Equine Science (JES)の編集委員長から投稿を呼びかける発言があった。
JESも慢性的に論文数の減少に悩んでいる。
獣医療学術誌としてPub Med などで検索できるように登録してもらうことを目指しているが、論文数が少ないのと、「(veterinary)medical」ではない。ということでまだ Pub Med の検索対象になっていない。
それで大いに論文掲載数を増やしたい。症例報告も、もちろん、受け付ける。
今は機械翻訳ソフト、翻訳会社、電子辞書もあり、昔より英語でリポートを書くのは難しくなくなっている。(ホントカ?)
英語で論文を書いておくと、欧米人に自己紹介するとき一目置いてもらえる。
老若男女問わない(笑)、ぜひ投稿を!
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正直言うと、私は日本人が審査する英語学術誌に抵抗があったのだが、編集委員長の
「自分達の学術誌を持つということの価値」
「レフリーは著者の味方であるべき」
という言葉に説得されてお手伝いしている。
日本にも馬獣医学があることを示そう!
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少しずつ、ウマ科学会で見たこと、聞いたこと、しゃべったこと、会った人について書きたいと思っている。
東京飯田橋の月。
ビルより低い。