馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

海外、革命児、そして官僚

2007-11-21 | 日常

 hig's リンクに入っている winchester farm のHPですが、クリックすると英語ページに飛ぶようになっていました。吉田直哉さんから直々にご指摘いただき、日本語ページへ飛ぶよう修正しました。

英語じゃチョッとという方は(私もです)、新たにクリックしてみてください。

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Pb210044  司馬遼太郎「翔ぶが如く」を読み直している。

西郷隆盛は、無私の精神を持ち、大事をなしたという点でまさに日本史の中の英雄の一人なのだが、西郷ほどの人が明治維新を成し遂げた後では判断を誤っていったように見える。

観ようによっては、この時代に洋行して海外を観た者と、洋行しなかった者の間に考え方に差ができてしまったのかもしれない。

国としてできあがってもいなかった日本が韓国へ出兵する(征韓論)など、世界情勢を観れば暴論でしかなかった。

西郷は海外の情勢に疎かったわけでないようだ。

海外から帰ってきた者の話をよく聞き、欧米の事情もよく理解していたようだ。

しかし、実際に洋行し肌で先進国の在りようを実感してきたものと、聞いた話として理解した者とでは埋めようのない差があったのかもしれない。

ホースマンも、馬医者も、若いうちに海外を観るべきだろう。

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 そして、既存の体制を打ち倒す革命家と、新しい国家を作る官僚・政治家には、ちがう才能が必要とされるのだろうか。

西郷もゲバラも革命家であっても、官僚にはなれない人だったのかもしれない。

徹底して堕落と不正を嫌う潔癖さも官僚になれない要因の一つだったのかもしれない。

日本の官僚機構は明治の太政官から何も変わっていない。と司馬遼太郎さんは人の言葉として書いている。

西郷のような人には許せない、耐えられないくらい、官僚というものは腐敗するものらしい。

社会保険庁と防衛庁が無駄にした税金を計算してくれ。

国全体では押して知るべし。

その点では、正義をなせない国など滅びても構わないと言った西郷は正しかったのかもしれない。