馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

滾転

2007-11-13 | 急性腹症

  馬はひどい疝痛を起こすと、ころがりまわる。つまり、七転八倒する。

人でもひどい腹痛のときに転がりまわるというが、そんなひどい腹痛を経験している人は少ないだろうから、馬の疝痛のひどさがわかる。

 この転がりまわることを何と言うか?

 古い獣医学の教科書には「滾転」と書かれている。

 読めますか?

 「コンテン」と読みます。

 「滾」は「たぎる」です。「煮えたぎる」の「たぎる」ですね。

 この辺りの人は「ゴロをうつ」と表現することが多い。

「こんてん」なんて言うよりはわかりやすいかも知れない。

 英語では roll と表現する。

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 転がり回らせると腸捻転を起こす。と考えている人がいるが、これは逆で、腸捻転を起こしているから転がり回るのだ。

ただ、好きなように転がり回らせておくと、顔も肢も傷だらけになるので、放っておくのも良いことではないと思う。

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 私の頚もようやっと痛みが引いてきた。ご心配おかけしました。痛みは防御反応とはいうものの厄介な物だ。

 今日は球節剥離骨折の関節鏡手術。午後に競走馬の喉の不調の内視鏡検査。その後、仔馬の鼠径ヘルニア。

その後、外国人3名を含めたご一行の来所。

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