礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

旭化成提供、河井坊茶の「ぴよぴよ大学」

2015-10-23 04:00:14 | コラムと名言

◎旭化成提供、河井坊茶の「ぴよぴよ大学」

 一昨日の鵜崎巨石氏のブログによれば、氏は、その少年時代に、ラジオ番組「ぴよぴよ大学」の公開収録(茗荷谷ホール)に立ち会われたという。そのとき氏は、カイゼル髭に丸メガネ、総長帽をかぶり、ガウンを羽織った「チキン総長」こと河井坊茶〈カワイ・ボッチャ〉の姿を、実見されたことになる。
 本日は、『クイズ年鑑 1955年(前期)』から、その「ぴよぴよ大学」の解説および問題、ついでに、河井坊茶のエッセイを紹介してみたい。問題の解答は、次回。

ピョピョ大学〔ママ〕
  旭化成提供
 解 説
「ピヨピヨ大学」などというと、いかにも子供向のクイズのような感じがするが、これはまた相当に高い知識を要求されるクイズで、問題の選定、検討の入念なことで定評がある。
 演出は、一つの課題に対し、正誤とりまぜて三つの解答が用意され、その中から解答者が正しいものを選ぶ、という形ですすめられるのだがその三つの異った答は「おんどり博士」「めんどり博土」「ちゃぼ博士」の三者から提出される。
 解答者は親子連れで出演し、親子が夫々〈ソレゾレ〉で正しいと思う答を採って答えるのだが、親子意見を異にして、別々に答をとり、親が誤まり子供が正解をして、「お父さん、駄目じゃないか」と子に叱られ、親が子に謝まって満湯の爆笑を誘うことも多く、内容の固さを、うまい演出で柔らげ立派なファンを保持している。
 放送局名 北海道放送、ラジオ東京、中部日本放送、ラジオ北陸、ラジオ北日本、福井放送、朝日放送、ラジオ九州
 出演者への謝礼 親子共正解二千円、どちらか一人正解の時五百円
 出題者への謝礼 採用分一問千円
 出題及び出演申込先 (ラジオ東京―東京都中央局区内 旭化成ラジオ係)(朝日放送・中部日本放送―大阪中央局区内 旭化成ラジオ係)(ラジオ九州―福岡市天神町、旭化成ラジオ係)(北海道放送―札幌市、北海道放送局気付ぴよびよ大学係)
 プロデューサー 大垣三郎、野田裕
 司会(チキン総長) 河井坊茶
 問 題
 魚は焼いたものと、煮たものと、生のとではどれが一番消化しやすいでしょう。
 イ 焼いた魚
 ロ 生の魚
 ハ 煮た魚
 (出題者・佐賀県 中山享)
 人によって、でべその人がいますが、どうしてでべそになるでしょう。
 イ 赤ん坊のとき腸がおへそに出て来たため
 ロ 遺伝のため
 ハ 子供のとき、おへそをいじりすぎたため
 (出題者・三重県 高尾正忠)
 漫画でよくタコが歩いている絵をみますが、タコは歩くことかできますか。
 イ 漫画とそっくり足を立てて面白いかっこうで歩く
 ロ 海中にいる時だけ水の浮力で歩ける
 ハ 歩くことは出来ない
 (出題者・岡山県 岡本文治)
 頭髪をのばすように、眉毛をのばしているのを見ませんが、なぜでしょう。
 イ 余り長くならないうちに生え変わるから
 ロ 伸びるようでもある程度で止まるから
 ハ 顔を洗うから、すりへってしまう
 (出題者・名古屋市 川地正智)
 パンを作るとき、イーストを使いますが、ふくらむのは何がふくらむのでしょうか。
 イ イースト菌自身がふくれる
 ロ 炭酸ガス
 ハ 水素
 (出題者・東京都 鈴木繁)
 蝶々はどこで味を感じるのでしょう。
 イ 口の中
 ロ 触角
 ハ あしで感じる
 (出題者・広島県 瀬尾岩三)
 暖流と寒流とがぶつかると、どうなるでしょうか。
 イ 暖流が寒流の下をくぐる.
 ロ 一緒にまざる
 ハ 寒流が暖流の下をくぐる
 (出題者・群馬県 横田幸次)
 ヘビやカエルは冬眠をしますが、熱帯地方に住むヘビやカエルは眠るでしょうか。
 イ 眠る
 ロ 最も暑いとき、冬眠のように水や土の中に眠る
 ハ 最も涼しい期間に眠る
 (出題者・岡山県 役重利通)
 アリが遠くまでいっても、迷わずに帰ってくるのはどうしてでしょう。
 イ 薄い臭いを出して歩くので迷わない
 ロ 太陽の位置でわかる
 ハ 地面の温度と風向きによってわかる
 (出題者・鹿児島県 児玉義一)
10 ひじを強く打ったとき、ビリビリと電気がつたわったように感じるのはなぜでしょう。
 イ 神経が浅いところにあり、その後に骨が来ているから
 ロ 骨と筋肉かまさつして、まさつ電気が起ったから
 ハ 神経でなくリンパ管が刺げきされたから
 (出題者・東京都 小沢義宜)【以下略】
    *    *    *
 総 長 放 言  河合坊茶 (芸能人)
 私の大学総長ぶりは、会場へ来られた人以外には知る人もすくないのですが、堂々たるもんですよ。本当に大学総長をやったことかあるかも知れぬと思われるくらいのものです。
 ところがラジオの前では、まことに残念なことに声だけです。いくら総長と紹介されても、私の不幸は声に威厳がすこしかけていることです。名が体をあらわさぬ例外がここにあるということを知ってもらいたいのです。
 吾が「ぴよぴよ大学」の名声は、その知名度において、東大、早大、慶大の次ぎくらい、全国に老若を別たず知られています。従って総長のいでたちも、それと同格。威風あたりをはらい、口のあたり、ひげがそれらしく生えています。
「馬子にも衣裳」といいますが、週一回この衣裳を着る私は、大満足です。総長帽を頭に戴いているうちに、そっと中味もそれらしくなってくれたらいいんですがねえ……

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1 コメント

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Unknown ( 伴蔵)
2015-10-29 13:35:23
 結構むつかしい問題と思われます。
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