◎人格を高め、人柄が優雅になる雑誌『雄弁』
今月にはいってから、『青年愛誦 ポケット詩歌集』という冊子を入手した。大日本雄弁会講談社が発行していた『雄弁』という雑誌があったが、その一九三七年(昭和一二)一月号の付録である。
「漢詩篇」と「歌謡篇」の二篇に分かれている。歌謡篇の目次を見ると、軍歌あり、校歌あり、寮歌あり、中学校唱歌あり、民謡ありと多彩である。「ローレライ」や「アリランの唄」まで入っている。
まず感心したのが、巻末に掲げられていた、雑誌『雄弁』のキャッチ・フレーズである。
最初に、「『雄弁』をつゞけて読めば!」とあって、そのあとに次の一〇箇条が並んでいる。
○演説談話交渉応対が巧みになる。
○古今東西の大人物に接触できる。
○居乍ら世界を知り時勢に遅れぬ。
○人格を高め、人柄が優雅になる。
○希望に輝き煩悶懊悩がなくなる。
○世の中を知り成功の近道がわかる。
○趣味が高尚に人生が楽しくなる。
○常識が高まり交際上手になれる。
○人物が練れて万人に尊敬される。
○世の為人の為に尽すやうになる。
大日本雄弁会講談社といえば、「面白くて為になる」をモットーに、大衆雑誌『キング』、少年雑誌『少年倶楽部』を成功に導いてきた出版社である。創業時から、キャッチ・コピーの威力を意識すると同時に、読者に対し、常に、インパクトのあるコピーを提示しえた出版社だったと言うことができよう。
それにしても、右の一〇箇条はよく出来ている。
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