住職のひとりごと

広島県福山市神辺町にある備後國分寺から配信する
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今年の暑さとの付き合い方

2024年08月13日 14時27分58秒 | 仏教に関する様々なお話
今年の暑さとの付き合い方




話題に事欠かないオリンピックも終わり、国民的大行事お盆の時期を迎えているわけですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年も、記録的な猛暑の夏となりました。

加えて地震や台風が列島を襲い、お盆休みも気楽に旅をするという気分から身を引き締めて外に出ねばならなくなりました。国外では、未だに戦禍にある国々があり、さらに大きな戦争に発展するかの危険もはらんで落ちつかない日々を過ごしていることと思います。

あるサイトを見ていたら今年は太陽の黒点の活動がかなり活発で、こうした時期には大きな戦争や内乱、暴動や革命が起こっているのだとか。すでにイギリスで暴動が起きバングラディシュでは民衆の蜂起から政変がありました。今年から来年にかけてさらに不安な時代を生きねばならないのかもしれません。

ところで、こうした毎日の暑さの中、体に感じる感覚についてどのような見方をしたらよいのか、お釈迦様が教えられていることについて少しお話ししてみたいと思います。

私たちはこのからだが自分と思っていますが、仏教では、心と身体は別のもので、身体はこの世に生まれた時に借り受けた衣であって、心は何度も生まれ変わり、前世から来て来世に受け継いでいくべきものと考えています。

身体に感じる感覚は体に起こる変化であって、その感覚と一つになることなく、客観的に他人の身体に起こっていることのように、冷静に、例えば、そこに暑さがあるというような捉え方をします。暑い暑いとつい言ってしまったり思ってしまいますが、それでは感覚が自分そのものとなり暑さは増すばかりです。暑さ暑さがそこにあると観ていくことでその暑さの様子が変化していくことを観察するのです。

今年は三十五度を超えるような日が多いため、蚊も少なくて済んではいますが、蚊に刺されたようなときには、かゆいかゆいではなく、かゆみがそこにあると思って、かゆみかゆみと心の中で言いながらそのかゆみを観察しているとかゆみも薄らいでいくのがわかります。

昔小さな子供にそんなことを話していたら、その子が蚊に刺され、その時かゆみかゆみと言ってみたら、私が言ったので、その子はかゆみがなくならないと言っていました。が、自分で言葉で心の中ででも言ってみると実際にかゆみが変化していくことがわかります。

身体の痛みなども同様で、坐禅などを長くしていると足が痛くなるわけですが、そうした時にも痛み痛みと心の中で言いつつ観察していると痛みが変化していくことがわかります。是非試してみて欲しいと思います。

まだまだ暑い落ち着かない日が続くことと思いますが、どうかそんな仏教の感覚との付き合い方を参考にやり過ごしていただけたらと思います。いろいろなことがありすぎて不安な毎日とは思いますが、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。



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コメント (2)
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