おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

マトリックス

2024-03-11 06:54:38 | 映画
2019/1/1より始めておりますので10日ごとに記録を辿ってみます。
興味のある方はバックナンバーからご覧下さい。

2019/9/11は「戦場のピアニスト」で、以下「戦場のメリークリスマス」「戦争と人間 第一部 運命の序曲」「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」「千利休 本覺坊遺文」「ソーシャル・ネットワーク」「早春」「そこのみにて光輝く」「そして父になる」「卒業」と続きました。

「マトリックス」 1999年 アメリカ


監督 アンディ・ウォシャウスキー / ラリー・ウォシャウスキー
出演 キアヌ・リーブス ローレンス・フィッシュバーン
   キャリー=アン・モス ヒューゴ・ウィーヴィング
   グロリア・フォスター ジョー・パントリアーノ
   マーカス・チョン ジュリアン・アラハンガ

ストーリー
警察は男女が誰かを監視している会話を盗聴してトリニティという女の部屋に踏み込んだが逃げられた。
常人を凌駕するエージェント達は彼女の監視していた男を検索し始めた。
寝伏していたアンダーソンことネオは、パソコンが勝手にメッセージを受信している事に気付いた。
翌日ネオが出社すると宅配で携帯電話が届き、その携帯から男の声が聞こえて来て、ネオはそれが探していたモーフィアスだと気付いた時エージェントがネオを逮捕しに来た。
ネオはモーフィアスの的確な指示で逃げるが最後の指示が完遂できず逮捕されてしまう。
取調べは威圧的でネオは弁護士を要求するが、エージェントの一言でネオの口が消えていた。
驚くネオをエージェント達は押さえつけ、虫のような機械をへそから潜り込ませネオはそこで気絶してしまう。
ネオは自分のベッドで飛び起きたが口はあった。
夢かと思うとそこにトリニティからの電話で呼び出され、吸引機のような機械で体内に居る虫を吸い出してもらい、目的地に向かった。
目的地のビルでモーフィアスと面会すると、彼はネオが探しているマトリックスと世界の真実を見せると言いある薬を飲ませたところ、ネオの体が徐々に、塗装が剥れて行くように変わっていった。
彼の意識が混乱し、もがき、何かを突き破ると、そこは奇妙なカプセルの中だった。
モーフィアスは回復したネオに、世界はネオの認識より遙かに時間が経過しており、人間は機械が作り出したマトリックスという仮想現実空間で眠りながらその中で電池としての一生を終えていると告げる。
その中で世界の虚構に気付いた者がおり、脱出してザイオンという街を作って抵抗していた。
モーフィアスはこの世界を救う救世主を探していてそれがネオだと言う。
ネオは真実を知りショックを受けるが、次第に現実を受け入れるようになる。


寸評
現実だと思っている世界が実は仮想現実だったという物語をカンフーアクションと融合させた斬新なSFである。
ネオが上半身を反らせて飛んでくる銃弾を受けるシーンや、ネオとエージェント・スミスが宙に飛び上がったまま銃を撃ち合うシーンなどのアクション場面ではVFX技術が駆使されて見応えがある。
とは言うものの、僕は本作のようなオタク好みのような作品はあまり好きではない。
現実の世界から仮想現実の世界に入り込む描写や、ネオの口が消えたり、変な虫がへそから体内に入れられたりすることでSFの世界に引き込まれるのだが、どうも人間の情緒的な物を感じることができない単なるアクション映画と思ってしまうのだ。
しかし一方ではキアヌ・リーブス主演のシリーズとして支持を受け人気があるのも事実なのだが、僕は興味を持つことはなくこの作品以降の続編を見ていない。

ネオは人類を救う救世主なのだが、僕たちは分かっていても登場人物たちは彼が救世主であることは最後になって知るので、それまではエージェントから逃げ回っているだけである。
基地ではコンピューターを駆使して居場所を突き止め逃げ口を指示するのだが、そのツールが携帯電話と言うのがアナログっぽい。
作品は日本のコミックの影響を受けているのか、縦に流れるプログラム文字の中にカタカナが見られたり、ネオがモーフィアスからカンフーの訓練を受ける部屋は日本家屋の道場のようである。
カンフーとワイヤーアクションによる空中格闘だけは香港映画の様であった。

エージェントは人類だけは特殊な哺乳動物だと言う。
ある地域に住み着いて資源を荒らしまわり増殖していく。
それはまるでウィルスのようで、人類はウィルスなのだと言うのだ。
エージェントの言葉は全人類への警告でもあったと思う。
確かに人類は特殊な哺乳類である事は間違いない。
あらゆる動物は生涯に歩く距離はほぼ同じで、チョコチョコ動くネズミは寿命が短く、のっしのっしと歩く象は寿命が長く、結局歩く距離は同じだそうである。
ところが人間だけはその行動範囲は極端に広い。
生物の頂点に立つ人類なのだが、増長が過ぎてある程度は駆逐されるのかもしれない。
その相手はウィルスなのかもしれないが、ここでは仮想空間にうごめいている人間もどき達であろう。
彼らは機械が作り出したアンドロイドで、本当の人間は一部が生き残り別世界で潜んでいるらしい。
その人類を救い出す救世主がネオなのだが、潜んでいる人類を救い出すまでには至っていない。
この後がシリーズ化によって描かれそうなエンディングとなっている。

ところで体内に入れられた虫は何をする虫だったのだろう。
またモ-フィアスは注射を打たれながらも暗号をもらすことがなかったのは何故なのだろう。
簡単に死ぬ人間と、なかなか死なない人間がいるのはこの手の作品では当たり前となっているようだ。
コンピューターのオペレーターと裏切り者などはその典型であった。


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