末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

21世紀の資本

2020-07-18 08:06:01 | 映画のはなし
予想外に面白くて、驚きました。

私は数字や数式に対する苦手意識が強く、
理系分野はもちろん、経済関連も近寄りたくない人なので、
本作の原作にあたる「 21世紀の資本 」が数年前にベストセラーで
話題になった時も、読もうという気にはなりませんでした。
ただ、当時目にした同書のレビューで、
'これからSFやファンタジーを書く人は、本書を読むべきだ' と指摘したものがあり、
こんな切り口で読まれる経済書があるんだ⁉ とすごく衝撃的だったのを、
今回の映画化のニュースを見て思い出したため、映画版なら多少は取っつきやすいだろうし、
一体どんな内容なのかを知る良い機会なのではと、見に行くことにしました。

とにかく、構成と見せ方が非常に上手い作品だと思いました。

例えば、経済が社会に与える影響については、
18世紀から21世紀にかけての有名な歴史的出来事と経済状況とを、
小説や映画の名作を引き合いに出しながら解説。
また、経済格差がもたらす人々の心理面での変遷は、
複数ペアのボードゲームの対戦を通して示してくれます。
身近だったり、親しんだことがあるものを具体例に、
適切なタイミングで、わかりやすい解説とともに提示してくれるため、
見ている側は、なるほどな~、確かにねぇ~と、無理なく理解できている気分になり、
途中脱落することもなく、映画の最後までたどり着くことができました。

とは言え、私の場合、本作を見ても '原作に挑戦しよう!' とか、
'もう少し、経済というジャンルに興味を持ってみよう!' とはならないので、
自分でも、それが限界なのだと思います。
今後、映画を見たり、本を読んだり、何かしらの歴史を調べる際に、
それらの背景には経済面でどんな影響があったのか、
またはあるのか、という視点が加わるのかもしれませんが。。
ひとまず、本編に登場した映画作品で未見のものを、見てみようかなと思います。
期待通り(笑)、本作の劇場用パンフレットにちゃんとリストアップされていましたので。

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   映画 『21世紀の資本』

  ◇原題:Capital in the Twenty-First Century
  ◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2020.7.6. 映画館にて

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