末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

NTライブ/十二夜

2021-12-12 08:16:16 | 映画のはなし
久しぶりに、ナショナル・シアター・ライブの作品を鑑賞したので、その覚書きです。

とは言え、12月3日(金)より公開されている、
2021年新作プログラムの最終演目「ジェーン・エア」 ではなく、
10月公開作品だった、シェイクスピアの喜劇「十二夜」(演出: サイモン・ゴドウィン )の鑑賞メモです。
オリジナル上映期間中は、映画館へ行く都合がつかず、とても残念に思っていたのですが、
吉祥寺オデヲンが11月下旬に後発で上映 してくれたおかげで、見逃さずに鑑賞できたのが嬉しかったので。。

これまでに見たナショナル・シアター・ライブの作品で、一番笑った作品でした!
しかも、映画館なのに、声を出しながら(笑)

物語は、双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラの乗る船が嵐で難破し、
ヴァイオラが見知らぬ国イリリアに流れ着いたところから、はじまります。
ヴァイオラは身を守るために、生き別れたまま行方のわからない兄セバスチャンそっくりの姿に男装して、
イリリアの公爵オーシーノのもとで、小姓として仕えるのですが ─ 。

オーシーノ公爵、伯爵家の女主人オリヴィア、男装して 'シザーリオ' と名乗るヴァイオラの、
三人の恋の糸がもつれて絡まりあい、最後に二組のカップルが誕生するまでを、
笑いあり、涙ありで描いていく、ハッピーエンドなメインストーリーと、
最後に苦い思いが残る、伯爵家の執事マルヴォーリアが味わった、彼女に対する仕返し計画の顛末を追うサブストーリーと。
二つの物語による構成で、男と女、光と陰、ハッピーとアンハッピー等の対比が巧みに配置され、
'笑い' ひとつ取っても、表裏一体の要素が見え隠れし、笑いの輪郭がくっきり深く、突き刺さってくるのが良いです。

今回、プログラムを読むのもとても楽しく、
北村紗衣さん の寄稿と、河合祥一郎さん松岡和子さん の対談が、読み物として掲載されているのですが、
後者の対談は特に、本作鑑賞中に気になった事や、すごく印象に残っている場面等が、悉く話題にあがっていて、
読んでいると、脳内で本編がリピート上映されてくるほどの充実ぶりでした。

本作のアンコール上映があれば、また見たいなと思いますし、
他のプロダクションによる「十二夜」も、機会があったら見てみたくなりました。

*~*~*~*~*~*~*~*~*

   NTライブ 『十二夜』

  ◇原題:National Theatre Live: Twelfth Night
  ◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2021.11.25. 映画館にて

コメント    この記事についてブログを書く
« 松竹ブロードウェイシネマ/... | トップ | To Celebrate Tolkien's 130t... »
最新の画像もっと見る

映画のはなし」カテゴリの最新記事