お祝いをしたいよ

私の妹は、この春に仕事を失い、就職活動をしていました。

御蔭様で先週の金曜日に内定を頂くことができ、皆で喜びました。
ゆうやもとても嬉しかったのか、会う人会う人に「新しいお仕事するんです。」と私の妹のことを報告していました。

その日の夜、私達家族は妹と外食することにしました。
ゆうやの入浴介助が済んでから、ちょっと遅いですけれど９時半頃にお店に行きました。

「おめでとう！」
ゆうやは、何かもじもじしていました。

「お母さん、プレゼントを渡さないとー。」
「え？でもさっき連絡をもらったところだから、まだ何も買っていないのよ。」

「服とか、プレゼントしようよ。」
「そうね。」
「で、服は？」
「まだ買っていないよ。」

ゆうやは、すぐに服をプレゼントしたかったのですね。
「あの、これ〜。」と言って、ゆうやは自分の着ているポロシャツをつまんで引っ張ろうとしていました。

「これ、良かったらプレゼントします。」
「ゆうちゃん、ありがとう。でも、それはゆうちゃんの服だからいいよ。着ていてね。」

「そんなこと言わないで、ほら、これどうぞ。」
ゆうやは自分の着ているポロシャツを前の方にぐいぐい引っ張りました。

「ゆうや、また買うからね。ゆうやはそれを着ていてね。」と私が言うと、ゆうやは一旦、諦めました。
でもしばらくすると、また「あの、これ良かったら〜。」と言って自分の服を摘んでいました。

ゆうやは本当に嬉しかったのですね。
ゆうやが喜んでいる姿を見て、私もさらに嬉しくなりました。

ゆうや、お祝いは、また日を改めてしましょうね〜。


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