ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ロングブレスのおまじない

2019-11-24 12:37:20 | 日記
溺れる者は藁をも掴む。きょう新聞で、次のような広告を見かけた。
『美木良介 120歳まで生きるロングブレス』

「呼吸を変えれば、人生が変わる!」とキャッチコピーがあった。これだけならどうということはないが、私が瞠目したのは、次のように書かれていたからである。
「ある日テレビで、脳梗塞の後遺症で左半身にマヒがあり、言葉も出にくくなってしまった石原(慎太郎)さんをお見かけしました。(中略)『必ず歩けるようになります』と申し上げた私を石原さんはじっと見て『美木さんに命を預けます』とおっしゃいました。そして80分のトレーニングを終えて帰るとき、もう一度『美木さんに僕の命を預けました』と言ってくださいました。」

私も脳出血の後遺症で左半身にマヒがあり、うまく歩行できない身体になって久しい。この「ロングブレス」とやらを習得すれば、この自分もまた歩けるようになるかも知れない。そう思ったのである。

もっとも私は、この手の本は買わないことにしている。さっそくタブレットを取り出し、「ロングブレス」でググってみた。いくつかの記事が見つかり、動画まで添えられていた。要するに、キモは簡単なことで、「3秒で鼻から息を吸い、7秒かけて口から息を吐き出す」という動作を繰り返せばいいらしい。

タブレットの動画を見ながら、私はついウトウトとし、「こりゃ駄目だ。ムリだ」と思うに至った。簡単な動作ほど難しい。それを継続するのはもっと難しい。私はすぐこの動作の繰り返しに飽きてしまい、三日坊主に終わるだろう。訓練を強制される環境がない限り、私がこの呼吸法を体得できないことは、火を見るよりも明らかだった。加えて、この呼吸法を体得しても、それが歩行機能の改善につながるかどうかは判らないのだから、「ロングブレス」のお呪いは、私には無いも同然である。

そんなことより、今の私に必要なのは、平行棒を使った歩行訓練ではないか。そう思った。大相撲はきょうが千秋楽。あすから取組みを見ながら訓練する楽しみはなくなるが、徐々にではあれ、歩行が上手になることはそれだけで楽しいものだ。

最近は何とか杖なし歩行ができるようになり、先週のデイサでは、Aさんに見守ってもらいながら、サポートなしで(恐る恐る)歩くことができた。これは大きな自信になった。今週のデイサでは、Aさんをびっくり仰天させるよう、きょうもこれから平行棒の自主トレに励むことにしよう。外はきょうも雨模様。外出への誘惑もなく、これは私にはもっけの幸いである。
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