ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

朝日、久々のヒット!

2018-02-03 14:55:36 | 日記
このところ本ブログは、成り行きから、朝日新聞の社説をネタに取りあげて
いる。取り上げれば、勢い批判せざるを得ないが、きょうはこれまでとは
ちょっと違っている。「おっ、空振り続きの朝日だけど、珍しくヒットじゃ
ないか!」と褒めてあげたい気分なのである。どうやら私は、いつの間にか
朝日の(意地悪で辛口の)ファンになってしまったらしい。

朝日の社説は、では、どんなふうにヒットを放ったのかーー。まず、ともす
れば見過ごされがちな、小さな裁判に目をつけたことである。安保法(安全
保障関連法)をめぐって陸上自衛官が起こした訴訟を、ご存知の読者はおそ
らくそれほど多くないだろう。この訴訟に基づく裁判に、朝日は注目したの
である。

この裁判で、自衛官側は、(憲法9条に違反するという理由で)「存立危機事
態」になっても防衛出動の命令に従う義務はない、と主張し、この主張が正し
いことの確認を求めた。朝日が問題にするのは、これに対する国側の主張であ
る。国側は、存立危機事態の発生は想定できない、との立場を終始とり続けた。
「国際情勢に鑑みても具体的に想定しうる状況にない」、「(北朝鮮との衝突
は)抽象的な仮定に過ぎない」などと主張したのである。

しかし、これはおかしい、と朝日は国側の主張に噛みついている。というの
も、国側、安倍内閣は、長年の憲法解釈を変更して、(存立危機事態を前提
とする)集団的自衛権の行使を容認し、強引な国会運営で安保法を成立させ
たからである。憲法違反ではないか、という広範な疑問の声を抑えこみ、
「国民の平和と安全なくらしを守り抜くため不可欠だ」として、安保法を成
立させたからである。

国側の主張の矛盾点を突き、「安保法がはらむ本質的な問題」を改めて問い
直そうとする朝日の姿勢は、鷹の眼のように鋭く、読んでいて気持ちが良い。
胸のすく思いがする。

このところ国会では、野党が安倍首相を退陣に追い込もうと、あれこれ論戦
を仕掛けるものの、閣僚が線香代をどうしたなどと、マンネリと化した枝葉
末節の揚げ足取りを重ねるばかりで、見苦しいこと限りがない。(野党のよ
うに)正面から攻撃を仕掛けながら、攻め手を欠いて失態を重ねるのと、
(きょうの朝日のように)目ざとく鎧の綻びを突いて、ズバリ核心へと切り
込むのと、どちらが賢明な戦術と言えるかは、論じるまでもない。
コメント
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