「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

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高2女子の恋!(分かり合えた?)

2015年07月17日 | 毎日のしあわせの為の知恵

さて、その時、僕は、イケメン貴島くん(29)、社長の御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(28)、

若いミユウちゃん(25)とで、事務所の近所の西洋居酒屋の個室で、お酒を飲んでいました。

「でも、わたし、やっぱり言いたいのは、恋愛のシーンで、スキンシップって、ものすごく大事だと思うんですよね」

と、少し過ごし気味のミユウちゃんが、白ワインを飲みながら力説します。

「だって、手が触れただけで・・・それまでいろいろ話した以上にわかりあえるって経験をした事があるんですよ」

と、ミユウちゃんは言葉にします。

「へー。それってどういうシチュエーション?若い恋のシチュエーションかしら?」

と、御島さんが先頭に立って、興味を示します。

「それ、わたし、まだ、高2の頃だったんですけど、当時好きだった先輩と鎌倉デートをして・・・」

「切り通しって所に行ったら、すごい勾配がきつくて・・・」

と、ミユウちゃんは話します。

「へー。それでどんな事があったの?」

と、ユキちゃんもニヤニヤしながら、言葉にします。

「で、わたしが滑りそうになったら、彼が・・・ぐいっとわたしの手を握ってくれて・・・」

と、ミユウちゃん。

「お!いい感じ!」

と、僕。

「そしたら・・・それまで、いろいろ言葉を交わしてきて・・・でも、全然伝わらなかった」

「彼の熱みたいなのを感じられて・・・彼の思いがすべて理解出来て・・・それで・・・」

と、ミユウちゃん。

「やっぱり、そのパターンだと、夕方の海岸・・・鎌倉だと、由比ヶ浜パターンかしら?」

と、御島さん。

「ええ。夕方、由比ヶ浜で、二人でキスして・・・お互いの気持ちを理解出来たから・・・」

と、ミユウちゃん。

「なるほどね。恋と言うのは、お互いの熱い気持ちをお互いが理解しあうからこそ・・・先に進めるってわけね」

と、僕。

「でも、先に進めるって・・・どういう事なんでしょうね?」

と、ユキちゃん。

「それが初めてだったの?ミユウちゃんは」

と、御島さん。

「はい。まあ、そういう感じですね・・・」

と、ミユウちゃんは、少し照れている。

「まだ、若いから自分の思いを言葉では、伝えきれない・・・だけど、スキンシップをすれば」

「・・・手を触れ合うだけで、相手の思いがすべてわかってしまう・・・そして、自分の思いも伝わる・・・それは誤解も含めて・・・と言う事ですか?」

と、辛辣姫。

「高校生くらいだとまだ、表現力が拙いから・・・ましてや、恋の経験が少ない二人だと・・・」

「自分の思いなんて、伝えきれないモノでしょうね」

と、御島さん。

「ええ。そうなんですよ。だから、伝えたいんだけど、伝えられなくて・・・それが面映いと言うか・・・」

と、ミユウちゃん。

「でも、手が触れ合った瞬間、すべてを理解出来て・・・もう言葉はいらない関係になる・・・」

「それは経験した人間なら、わかる事ですよね」

と、貴島くん。

「ま、そうだな。あれってほんの一瞬だけど・・・お互い理解しあって、言葉はもういらなくなるからね」

「ちょっと不思議って言えば、不思議な感じだね」

と、僕。

「触れ合っても、わからない人もいるわよ。理解力が低いって言うか」

と、御島さん。

「そうですよ。ゆるちょさんも貴島さんも、そこは理解力の高い相手との経験しかないみたいですね」

と、ユキちゃん。

「うーん、僕らもまだまだ、なんだね・・・お見逸れしやした」

と、僕はユキちゃんと御島さんに頭を下げた。


「ねえ、ミユウは何故、そんなに、その彼の事を好きになったの?」

と、辛辣姫。

「え?どうして?・・・うーん、でも、恋に理由なんてあるんですか?」

「わたしは、いつしか、彼の事が大好きになっていて・・・高校で彼の姿を見るのだけで、すごく嬉しくて・・・」

と、ミユウちゃん。

「二人が恋人になるきっかけは、どんな感じだったの?」

と、御島さん。

「それは・・・靴箱にある時、メモが・・・黄色のポスト・イットに「7月7日午後5時、体育館裏で。田沢」って書いてあって」

と、ミユウちゃん。

「うわー、なんか高校生っぽーい!」

と、ユキちゃん。

「それ、ミユウちゃんの靴に貼ってあったの?そのポスト・イット・・・」

と、御島さん。

「はい。それで・・・待ち合わせ場所に行ったら、田沢先輩が居て・・・それで「付き合って欲しい」って言われて」

「「高校3年生の最後の夏を君と一緒に過ごしたい」って言われて・・・ボーっとなっちゃって・・・気づいたら、オーケーしてて」

と、ミユウちゃん。

「うわあ・・・甘酸っぱい夏物語だなあ、それ・・・」

と、僕。

「わたし、真面目な方だったから・・・それまでそういう経験も無くて・・・メガネ女子だったし・・・」

「もう、何をしたらいいか、よくわからなくて・・・」

と、ミユウちゃん。

「で、まず、何をしたの?」

と、御島さん。

「メガネを外して・・・ちょっとだけお化粧の真似事をして・・・メガネを外しても、外を歩けるか・・・挑戦してみて」

「・・・あれって案外慣れれば、どうにかなるなってわかったんですけど・・・」

と、ミユウちゃん。

「わかったんですけど?・・・何か都合の悪い事でもあったの?」

と、御島さん。

「細かい字が読めないから・・・電車とか地下鉄の乗り換えとか・・・厳しくて・・・」

と、ミユウちゃん。

「その時だけ、メガネをかけて料金とか確認をするようには、しましたけど・・・」

「後はなんとか、メガネをかけないでも、大丈夫って、そこまでは、なんとか出来ました」

と、ミユウちゃん。

「うわー。がんばり屋の高校生そのもの・・・」

と、ユキちゃん。

「だって、それくらい好きだったんです・・・田沢先輩・・・」

と、ミユウちゃん。

「それってどんな先輩だったの?」

と、僕。

「バスケ部のポイントゲッターで、女子にすごく人気があって・・・勉強も出来る人だったから」

「皆からの信頼も厚い・・・そんなタイプの男性でしたね・・・」

と、ミユウちゃん。

「なんか、その田沢先輩、完璧な感じがするんだけど・・・」

と、ユキちゃん。

「わたしも、その頃は、そう思っていました・・・」

と、ミユウちゃん。少し照れている。

「でも、その先輩・・・大学は慶応大学だったんですけど・・・大学に、魅力的な女性が多かったんでしょうね」

「わたし、大学受験の勉強もあったし・・・先輩が大学に入ってから、あまり会えなくて」

「・・・結果、高3の夏前にフラレてしまいました。ま、まだ、子供だったんでしょうね、わたし・・・」

と、ミユウちゃん。

「何か、明確な理由でもあったの?フラれた時・・・」

と、辛辣姫。

「いいえ。好きな人が出来た・・・みたいな事を遠回しに言われて・・・それで、そういう事なんだって」

「自分で噛み締めて・・・でも、わたしも大学受験があったし、人生でどっちが重要かって言えば」

「やっぱり、大学受験の方だったし・・・こういう自分だから、仕方ないなって・・・諦めたんです」

と、ミユウちゃん。

「わたし、安易に生きたくなかったんです。その瞬間瞬間に流されて生きたくなかった・・・」

「でも、田沢先輩の事を思うと、胸がキュンってして・・・ハートがドキドキして、もう何もかも、どうでもいいって」

「田沢先輩の為なら、何がどうなってもいいって思う自分がいて・・・それがとても恐くて・・・恐ろしくて・・・」

と、ミユウちゃん。

「ミユウちゃんは、恋する自分がどこまでも流されていってしまうのを怖がっていたのね?」

と、御島さん。

「そうかもしれません。ううん、多分、それが一番の理由でしょうね・・・それに彼はわたしの事、あまり気遣っては」

「くれなかった・・・今になると、そういう事にも気付きます。ある意味、わたしは・・・」

「彼にとっては、都合のいいオンナになっていたかもしれない」

と、ミユウちゃん。

「大学一年生のオトコと、大学受験を控えた、高校3年生のオンナ・・・結構難しい関係性よね」

と、御島さん。

「でも、いいんです。いい思い出になったし、彼はある意味、ダメなオトコの事、身を持って、わたしに、いろいろ教えてくれたし」

「今から、考えると、彼、ダメンズになる要素、いっぱいあったなーって、思えるし」

と、ミユウちゃん。

「例えば、どんなところ?」

と、辛辣姫。

「エッチしたい時にエッチしてくるとか・・・こっちの事情を全く考えないところとか」

「大学に入ったら、お金が無いって言われて・・・デート代、わたしが出してたり・・・」

と、ミユウちゃん。

「えー。それダメよ・・・完全にダメンズじゃなーい」「それ、絶対にダメパターン!」

と、御島さんと辛辣姫は、声を揃える。

「で、そのオトコ、今はどうなってるの?」

と、御島さん。

「さあ・・・大手建設会社の営業・・・とか、噂で聞きましたけど、完全にノーケアーですね」

と、ミユウちゃん。

「ま、わたしも、痛い目に遭ってるって事です。でも、それがわたしが成長するきっかけにもなったし」

「・・・人って痛い目に遭うからこそ、成長出来るんですね。そういう経験をした相手の気持ちも理解出来るようになったし・・・」

「そういう事を言うと、「それはあなたが悪いから」みたいな事を言う女性がいるけど、それはそういう経験をしていないから」

「理解してくれない・・・理解出来ないんだって事もわかるようになったし・・・だから、経験こそ大事だってわたしも理解しましたよ」

「だから、恋愛経験をろくにしていない人間って、理解力もないし、ダメだなって、わたしは思っているんですね」

と、ミユウちゃん。

「それって、恋愛経験では、少しくらい痛い目に遭った方が社会に対する理解力が高まるって・・・そんな話かな?」

と、僕。

「ええ。人生生きていれば、いろいろな事がありますよ。少しくらい痛い目に遭った方が、人生シビアに見抜く事に」

「つながりますし、理解力も高まる・・・経験が無いと、そういう細かい、人生の機微がわからないじゃないですか」

と、ミユウちゃん。

「それはそうだね。実際、経験の少ない人間は、「それは相手がバカだったから」みたいな自分アゲにしか」

「その材料を使わないモノだからね。お互い分かり合う事は永久に無いよ」

と、僕。

「そういう意味で言うと・・・そのミユウちゃんの高2の頃のスキンシップでの先輩と分かり合う経験は」

「何だったんだろうね」

と、貴島くん。

「わたし、恋に恋していたからかもしれない。田沢先輩本人を理解出来ていなかったし・・・」

「素敵な先輩相手の、高2の恋・・・それにあこがれていて・・・恋する熱があったのかもしれない・・・」

と、ミユウちゃん。

「でも、スキンシップで・・・相手の気持ちもすべてわかったんでしょう?」

と、ユキちゃん。

「そうですね。あの時、つないだ手から・・・先輩のわたしを思うやさしいココロや人生に対するひたむきな姿勢や」

「未来に対する幸福感や・・・いろいろな暖かい思いが、わたしに伝わった・・・それは確かな事だったし」

と、ミユウちゃん。

「それはキスした時は、どうだったの?」

と、御島さん。

「キスした時は、もう・・・わたしのすべてを先輩に捧げようって思ってるだけで」

「それだけが、わたしを支配していました。もう、何も考えられなくて・・・夕方の由比ヶ浜で・・・」

「夕焼けが綺麗で・・・すごく、その美しい風景、覚えてる・・・」

と、ミユウちゃん。

「高2の夏・・・素敵な恋・・・やさしいキス・・・夕焼けの浜辺・・・そんな青春の風景だね・・・」

と、僕。

「ええ。だから、わたしは後悔していないんです。あの時、触れた手と手・・・それがすべてだったような気がする」

「あの瞬間があったからこそ、素敵な恋があって・・・今につながっている・・・そんな風に思っているんです・・・」

と、ミユウちゃん。

「分かり合えたと思ったから、すべてを捧げた・・・でも、それは相手のすべてではなかった・・・」

「そういう話?」

と、辛辣姫。

「そうですね。わたしには、見えていなかったんです。人には、いい面と悪い面がある事を・・・」

「大人になって、そのいい面を伸ばして、悪い面を消していく・・・克服していく「いいオトコ」がいる反面」

「いい面が消えて、悪い面だけ残っていく・・・ダメになっていく、「ダメなオトコ」がいるって言う現実を・・・」

「わたしは、わかっていなかったんです。高2のその頃は・・・」

と、ミユウちゃん。

「高2の頃から、今まで生きてきて・・・とりあえず、それはわかりました。わたしも社会に出て、いろいろ痛い目に」

「遭いましたからね。でも、その分、成長出来た・・・そこは、わたしも納得しているところなんです」

と、ミユウちゃんは言った。

「今のミユウちゃんの話で・・・なんとなく、手を出したら、いけない「ダメオトコ」の理由がわかったような気がするわね」

「でも、この話の結論としては・・・好きなオトコには、スキンシップが有効・・・わたし的には、そこを結論にしたいわ」

と、御島さんは言うと、笑顔で、僕の左手にやわらかく、手を置いた。


(おしまい)