「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

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「月夜野純愛物語!」(ラブ・クリスマス2)(3)

2013年12月04日 | 今の物語
9月下旬の平日の夜、ミウは、この「月夜野」に越してきて、「朝日ヘルパー」に就職した日に出席した、歓迎会の席を思い出していた。

皆、笑顔で歓迎してくれた。所長の竹島を始めとした同僚達・・・元ヤンの咲田も、その席には出席していた。

ミウの横には、世話焼き好きの豊島テルコが座り、一緒にビールを飲んでいた。


その時のシーンが頭に蘇る・・・。


「しかし、姫ちゃんも、よくもまあ、この街にやってきたもんだねえ」

と、テルコは話している。

「え?どういうことですか?」

と、ミウは思わず質問する。

「この街は・・・皆、19歳になると、都会にあこがれて出て行ってしまう街だからだ」

と、テルコは事も無げに言う。

「過疎という程じゃねえが・・・19歳から上の大人の男も、女も・・・皆、都会に行っちまうから、ジジババか、18歳までの子供しか残ってねえ」

と、テルコは言う。

「だから・・・出会いなんか、ねーぞ。まあ、農家の息子って手がねえではねえが・・・農家の息子も結構な歳寄りになっちまってるからな」

と、テルコは言う。

「俺にも娘がいるんだが・・・東京さ出てって・・・それ以来帰ってこねえ」

と、テルコは少し寂しそうに言う。

「孫もいるんだが・・・爺ちゃんも歳だから、近くに住めって、言ったって、言うこと聞かねえ・・・あいつら月夜野に戻ってくる気もねえみたいだ」

と、テルコは寂しそうに言う。

「どこでも、そうだ・・・だから、おらも働いてるってことだ。家にいたって仕方ねーし、少しでもゼニコ稼いだ方がええがらな」

と、テルコは言う。

「それが月夜野の真実だ。ジジババと子供の街だ・・・だから、この街で、出会いなんて考えても、無駄だからな」

と、テルコは言った。

「わたし、そういうのが、嫌で・・・男性と出会いたくなくて、この街に逃げてきたんです・・・」

と、ミウはポツリと言った。

「ほんとか、それ、お前」

その時、それまで静かにビールを飲んでいた咲田ヨウコが怒りの表情を顕にしながら、静かに聞いてくる。

「うん」

と、ミウがコクリと頷くと、ヨウコは、強い目でミウを見つめ、それから、下を向いて、また、ビールを飲み続けた。

「ヨウコも何かワケありみてえだ。あんなに美しい子が、この「月夜野」にいるなんて、おがしいからな」

と、テルコは小さな声で、ミウに告げた。


その時以来、ヨウコはミウに冷たくあたるようになった。


「だからよ、この街には、希望なんて、ねえんだ」

と、テルコは言う。

「「月夜野」なんて、へたに風流な名前がついてるもんでえ、勘違いして引っ越ししてくる奴もいるが・・・半年と持たねえ・・・皆、出てっちまう」

と、テルコは少しビールに酔いながら言葉にする。

「早くいえば、夢がねえ。そういう街だど。この「月夜野」って街は・・・それでも、我慢できるが?姫ちゃんよ」

と、テルコは言う。寂しそうに・・・。

「そういう街だから・・・引っ越してきたんです。わたし・・・」

と言ってミウは笑顔になった。でも、涙で少し笑顔がゆがんだ。


ヨウコはその歪んだミウの笑顔を静かに見ていた。


「夢の無い街かあ・・・」

と、ミウは、白ワインを飲みながら、そういう言葉にしていた。

「確かに・・・今まで働いてきて、若い男性に会ったことがないもんな、この街では・・・」

と、ミウは言葉にする。

「出会うのは、老人と子供ばかり・・・」

と、ミウは感慨深く、言葉にする。


「わたし、早くこの街を出たいの・・・」

仕事で知り合いになった農家の島田さんの高校生の娘「アキちゃん」が言葉にしていた。

「わたし、農家なんて継ぐ気ないし、東京でOLをやりながら、素敵な王子様を探すんだ」

と、目をハートマークにしながら言葉にしたアキちゃんの言葉を思い出す。

「だって、女性のしあわせは、出会う男性によって決まるでしょ?」

と、アキちゃんは話してくれた。

「そうね。そういうものよね・・・」

と、ミウは大人びて頷く。

「でも・・・なんでミウさんは、独り身で、この街にいるんですか?」

と、アキちゃんは不思議そうに聞く。

「え、それは・・・仕事がこの街にあるから・・・かな?」

と、ミウはしどろもどろになって答える。

「失礼かもしれないけど・・・介護士って、東京でも出来る仕事なんじゃないですか?」

と、アキは鋭く質問してくる。

「まあ、そうね・・・だとすれば・・・この街の自然が好きなのね、わたし・・・」

と、ミウは言う。

「この街の自然ですか?」

と、アキは不思議そうな顔をする。

「大人になるとわかるわ・・・東京の街なんかより、「月夜野」の自然の方がいいって思える日が・・・大人になると来るの・・・そういう時が・・・」

と、ミウは言う。

「ふーん・・・わたし、子供なんでしょうね。東京の方が全然好きだし、東京で、素敵な男性に出会って、お嫁さんになるのが、夢ですから・・・」

と、アキは言った。

「わたしも、あなたくらいの頃は、そう思っていたわ。そういう夢を持っていた・・・懐かしいわ」

と、ミウは言う。

「でも・・・自然こそが、わたし達にやさしくしてくれるのよ・・・」

と、ミウが言う。

「「月夜野」の自然・・・あなたも、この「月夜野」の街の語源になった、夜の月を見たことなあい?秋から冬は特に美しいって言うじゃない、「月夜野」の月は・・・」

と、ミウは言う。

「あー、わたし、そんなに注意して、月見てなかったかも?」

と、アキちゃんは言ってくれる。

「今度、一度、注意して、月、見てごらん。それはそれは美しいから」

と、ミウが言うと、

「わかりました。今度、注意深く、「月夜野」の月を見てみます」

と、素直なアキは笑顔で、言ってくれた。


「それに・・・」


と、ミウは言いよどむ・・・。

「人生って、そうそう、うまくいかない時もあるから・・・それも覚えておいて」

と、ミウが言うと、アキは少し不思議そうな顔をしてから、コクリと頷き、走っていった。


「しかし、姫ちゃんはなぜ、うちみたいな事務所で働くことを希望したんだ?」

と、所長の竹島と二人きりになった時、さらりと聞かれたことを思い出したミウだった。

「それは・・・わたし、おじいちゃん、おばあちゃん子だったので・・・そういう方をサポートしたいと長く思っていたので・・・」

と、ミウは言葉にした。

「ふうーん・・・殊勝な女性だなあ、姫ちゃんは・・・今どき、珍しいよ、そういう女性は・・・」

と、人のよい竹島は、笑顔で頷く。

「ただ・・・介護士の仕事は、こう言うとあれだが、全身を相手に密着させることだって普通にあるんだよ。それ耐えられる?」

と、竹島は確認する。

「だ・・・大丈夫です」

と、ミウは言葉にする。

「まあ、こう言うとあれなんだが・・・老人だって、男だからねー。わざと身体を押し付けてくる不心得な男性もたくさん、いるんだ」

と、竹島は言葉にする。

「と言うか、むしろ、姫ちゃんみたいな美しい女性だったら・・・下半身をわざと押し付けてくる男性だって、出てくる事だって、あるよ」

と、竹島は真面目な顔して言う。

「それでも、耐えられるかね?」

と、竹島は真面目な顔で聞いてくる。

「大丈夫です。仕事だと割り切れれば・・・それだって、仕事のうちでしょう?そう思えれば、わたしは、頑張れます」

と、ミウは笑顔で返す。

「そうか・・・まあ、それと姫ちゃんは、身体が小さいから・・・ちょっと大変かもしれんがな。肉体労働だし」

と、竹島が心配すると、

「いいんです。それ・・・それだから、いいんです」

と、ミウは強い口調で言う。

「え、どういうこと?」

と、竹島は聞く。

「私、親孝行しているつもりで、全力でやりたいんです。親孝行出来ていないから、だからこそ、親孝行の代わりに、自分を痛めつけたいんです」

と、ミウは強い口調で、竹島を見つめながら、言った。

「そうか・・・姫ちゃんは、強いんだな」

と、竹島は満足そう言った。


ミウは少しはにかみながら、笑顔になった。


「わたし・・・他の人の前では・・・いい子ぶりっ子しちゃうんだ・・・いつの間にか・・・」

と、ウィスキーの水割りを飲みながら、ミウは言葉にした。

「本音を隠して・・・他人によく思われたいって、わたし思ってるんだ・・・でも、それって、当たり前のことよね?」

と、ミウは自分に問いかける。

「だって、やさしくされたいもの・・・よく思われたいもの・・・それはいけないことなの?」

と、ミウは自分に言う・・・。

「いい子ぶりっ子・・・かあ・・・なんか、それもいやだな」

と、ミウはつぶやく・・・。


「でも・・・この街に・・・夢が無いのは・・・正直、つらいな」

と、ミウはつぶやく。

「せめて、出会いが・・・男性との出会いさえ、あれば・・・少しは違うのに・・・」

と、ミウは言葉にする。

「だめね、わたし・・・それ、諦めたから、この街に来たはずなのに・・・」

と、ミウは言う。

「でも・・・でも、男性との出会いを諦めたくない・・・やっぱり、わたしは・・・おんななんだわ・・・」

と、ミウは言葉にしていた。


そんな夜が明けた・・・次の日の朝の8時・・・日曜日の朝は気持ちのいい時間が流れていた。


ミウは朝ごはんを準備していた。

「オムレツを焼いて・・・と、サラダも出来たし、お新香も用意して・・」

と、ミウは楽しげに働いている。

「ふー。準備出来たわ・・・いただきます、と・・・」

と、ミウは少し嬉しそうに朝ごはんを食べだす。

「日曜日の朝は、さすがに気分がいいわね・・・今日は休みだし」

と、ミウは言葉にする。

「と言ったって、何の予定もないけどね・・・」

と、ミウは苦笑いしながら、朝ごはんを食べている。

「まあ、いいわ・・・買い物はしてあるから、一日家にいて、楽しめばいいし・・・のんびりしよう。たまの休みくらい・・・」

と、ミウは少しだけ笑顔でつぶやいている。

「ほんと、2週間ぶりかしら・・・休みが取れるなんて・・・」

と、ミウは白いごはんを口に入れながら、のんびりとした表情をしている。


食事を終えたミウは、パソコンを立ち上げ、ネットをやり始める。

「休みの朝、気持ちよい時間、どこまでも、歩いていきたい。わたしを待っている誰かのいる、そちらの方向へ」

ミウはいつものように、思いついた詩を自分のブログに書き込んだ。それだけで彼女は自分が何者かになれているような気がしていた。

「よし、アップ、っと。まあ、誰からもコメント貰えないけど・・・いいの。思ったことを言葉にするだけで、スッキリするから」

と、ミウが言葉にすると、少し間を置いて、ミウの携帯が鳴り始めた。


つづく


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朝ドラ通信平日版 12月4日版 「キーコ大爆発!」「めいちゃん、ハモニカ作るか!」

2013年12月04日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
午後5時です。

僕的には、晩酌開始時間でーす!


さて、水曜日というのは、朝ドラ的に言うと、「ザ・折り返し地点」なんですね。

まあ、月曜日から始まって、いろいろあるんですが、「感情爆発の水曜日」と名前をつけましょう。

とにかく、この日に、ヒロインの感情が大爆発します。まあ、だから、周囲で喧嘩が起こったり、誰かに怒られたり、自分が泣いたり・・・逆もありますよ、

自分が怒って、誰かが落ち込んだり・・・・まあ、感情の振幅に激しいのが、この水曜日なんですね。


例えば先週の「ごちそうさん」だったら、源ちゃんと悠太郎さんの喧嘩のあった日です。


先々週の「ごちそうさん」では、酉井捨蔵さんとめいちゃんが出会って、捨蔵さんが狼狽する日でした。この週は、木曜日にめいちゃんの感情が大爆発していましたので、

水曜日及び木曜日にヒロインの感情が爆発する日として、設定されることが多いんですね。


つまり、朝ドラってのは、ヒロインの感情の大爆発が毎週、週の中盤あたりに設定されて、そこをどん底として、そこから、土曜日に気分アゲアゲまで持っていく、

そういうストーリーの構造になっているんですね。


そして、もうひとつ大事なのが、ヒロインの感情大爆発の後に、ヒロインの感情を前に向けるイベントが用意されてる、ということです。

このイベントが発生することで、ヒロインは前向きに人生を生きていく選択をするから・・・気分アゲアゲな土曜日が来る・・・そういう流れになるんですね。


「週、中盤のヒロイン感情大爆発と、前向きになるイベント」・・・この2つが朝ドラでは、大事になってくるんですねー。


まあ、「ちりとてちん」はこの頃の朝ドラヒロインのお約束・・・ダメダメ病に設定されたキーコさんが自分のダメさ加減を大爆発していました。

「ごちそうさん」では、今週のメインストーリーとなる「お静&おとうさんの仲直り」処理の為におとうさんのダメダメさ加減にめいちゃん感情大爆発・・・、

こう、朝ドラを2本並行に見ていると、見えてくるものがあるので、おもしろいですねー。



ま、そういう法則がドンドン明らかになっていくので、ストーリー創作側としては、勉強になります。はい。



さて、「ちりとてちん」から行きましょう。


まずは、「今日のあらすじ」。


相変わらず、いやいや掃除をやっているキーコさん、そこを見つかり、

「いやいや掃除した部屋なんていとうない!」

と草々さんにお叱りを受けてしまいます。


まあ、その後もいろいろ家事をやるんですが、なかなかうまくいかないキーコさんだったりするわけです。


で、夜、「寝床」に集まった一門がテレビを見ていると、小草若さんが出てきて・・・ギャグをやるけど、磯七さんあたりは手厳しい・・・まあ、つまらんという評価。


思わず四草さんが出てきてテレビを消し、

「ほんと、どっかに消えてくれませんかね!」

と不快感を露わにしたら・・・そこに本物の小草若さん登場・・・で、問題のA子さんもやってきてしまうわけです。

で、A子さんが登場すると、無論、B子さんになってしまうキーコさんなわけで、A子さんは気配り満点なので、皆を笑顔にする・・・、

しかし、不器用で場の空気も読めないキーコさんは・・・ビール倒したり、散々たるありさまです。


まあ、ここでキーコさんは、

「キーコは、ほんま、上方落語の「喜六と清八」の喜六そのもやなあ」

と、草々さんに言われちゃうわけです。


ま、普段から、自分の事しか見えず、周囲への配慮の足りないキーコさんに普通にむかついている草々さんなわけです。

だから、そういう指摘をしたんですね。


「喜六と清八」


というのは、上方落語の登場人物で、喜六は、「うっかり者」、要は「ボケ」担当で、

清八が、「しっかり者」、要は「ツッコミ」担当なわけですねー。


つまり、A子さんは、しっかり者、キーコさんは、うっかり者・・・そういう言い方をされちゃったわけですね。


「「喜六と清八」って何ですか?」


と興味を示したA子ちゃんに、草原兄さんは落語を始め・・・喜六清八コンビの説明をし出すんですが、


来ました来ました「週の半ばのヒロイン感情大爆発地点」!!!


「なんで、A子が落語聞いているの!A子は落語なんて興味ないじゃない!せっかく私が居場所作ったのに、なぜ、そこに入ってくるの!私の居場所をとらないでよ!」


と、キーコさんは怒り狂っちゃうんですねー。


その様子を見たA子さんは、申し訳ない風に皆に謝り・・・店を出て行ってしまう・・・そこに残るは泣き顔のキーコ。

もちろん、その状況に怒り心頭なのは、かつてA子さんに恋ゴコロを持っていた草々さん・・・ということで、

「おまえは、いっつも自分の事しかみてへん。周囲のことがまったくわからへんなー。お前は落語家に全然向いてへん!」

と、怒りの言葉を吐き・・・キーコさんは居場所を無くし、

「店の雰囲気悪くしてすいませんでした」

とペコリと謝ると草若師匠の家に消えていったのでした。


草若師匠は、草々さんに、

「ちゃんと相手をよく見て、相手の気持ちを考えながら、言葉を選べ」

と言葉を出し・・・家に帰っていくのでした。


家に変えると、草若師匠は、キーコさんを呼び寄せ、暖かいお茶をいれてくれて・・・それを飲むキーコさん。


「あの子には、こころが暖かくなった時に謝っておけばいい」


と、キーコさんにアドバイスして、消える草若師匠。


次の日、窓を拭きながらフリーライターのナツコさんと話しながら、キーコさんは、


「なぜか、あのお茶とっても美味しかったんです。こころが暖かくなったんです。なぜだろう」


と言うのへ、


「キーコちゃんの心が冷えきって、暖かみが欲しい時に、それを察した草若師匠だから、こそ、暖かいお茶を入れてあげた・・・だから暖かく感じたのよ」

「どんな仕事でも、入門した当初は雑用よ。それをしながら、相手の欲しいものを瞬時に判断出来るチカラをつけていくの・・・それはどの仕事でも同じだわ」


と、ナツコさんに、内弟子修行で家事をやらされる理由を明らかにされて・・・気持ちが前向きになるキーコさんなのでした。


と、その様子を見て取った草若師匠は、キーコさんに徒然亭の紋入りの扇子と手ぬぐいを贈り・・・「明日から落語教えてやる」ということになって、今日はちょんです。


つまり、今週は、

「周囲が見えず、自分しか見えないキーコさんが・・・周囲が見えるように成長していく・・・」

と、そういうお話の週なんですねー。


まあ、あの頃の自分を考えたら・・・僕は逆で、自分が弱かったもんだから、逆に早くから周囲が見えていた子供でした。


日本人の最も大切な・・・出来なければいけない行動こそ、「空気を読む」・・・まあ、相手の気持ちを察する・・・という行動ですからね。


だから、今見ると、かなりキーコちゃんに、いらっとさせられます。まあ、朝ドラのヒロインってのは、この時期は何も出来ない、

「初期の朝ドラヒロイン病」

にかかっているので、それは作劇上、仕方ないんですけど・・・まあ、大人だからこそ、いらっとさせられるんですね。


まあ、そうしないと成長が描けませんからね。


まあ、空気を読む・・・という話ですが、これもう少し具体的に話すと、

「日本の文化の中でも、最高の正義とは・・・聖徳太子が作った、十七条憲法の一番最初の法・・・「和を以て貴しとなす」である」

と、僕は気づけています。


なので、この「場の空気を読む」という行為は、

「皆が気持ちよく笑顔で生活出来るように、その場の支配者が誰であり、自分のその場での役割を考え、皆がいつも笑顔でいられるように行動すること」

なんですよ。


これが出来るのが一人前の日本人であり、これが出来ないと、日本人失格なわけです。


「和」・・・こそ、日本人が求める最高の正義なんですね。


だから、場を暖めるというのは、特に重要な能力だったりするわけですよ。


それを得意とするのが、落語家なんですね。


たくさんの人間を相手に、皆を笑顔にする・・・言わば「和」の最高の状態を作り上げる・・・それが出来ないと、落語家失格ですよね?


だからこそ、「場の空気が読める」能力は、日本人としては、必須な能力になるんですね。


そして、「場の空気を暖められる」能力こそ・・・能力ある大人の基本条件になるんです。


つまり、場の支配者になれること・・・まあ、いわゆるムードメーカーになれることこそ、この日本社会においては、最も能力のある人間とみなされるわけですよ。


これ、出来てない大人の男性がいかに多いことか・・・もう理系なんてそんな人間ばっかり。


つまり、場のムードメーカーになれるか、いちいち気を使わないといけない、場の構成員に成り下がるか・・・2つに1つなんですね。日本社会ってのは。


んで、落語家ってのは、そういう意味では、日本社会のエリートなんです。


なぜなら、「お笑い」こそ、日本における職業の最高地位に就任出来るからです。


だって、「和」という日本の最高正義を作り上げられる、エリートだからですよ。それは。


だから、並大抵の努力では、その地位に辿りつけません。


しかもキーコさんは経験が圧倒的に不足しているばかりか、人間的にもまだ弱い・・・さらに、配慮が出来ない人間となると・・・かなりの修行が必要となります。

だから、「これから大変だ」と草若師匠が何度も繰り返して言っていたんですね。


「職業に貴賎なし」


という言葉がありますが、この言葉を作ったのが貴賎の「賎」側の人間なので、意味がありません。


「職業に貴賎はあります」

「そして、この日本において「和」を作ることの出来る「お笑い」そして「知恵者」・・・この2つこそ、日本の職業の中でも最も最高のエリート」


僕はそう見ています。


つまり、職業の貴賎とは、


「「和」を達成出来るか否か」にかかっているんです。そこだけが唯一の評価点になりますねー。


「おもてなしの心」で「場の和」を作り出せる人間こそ、この日本においては、最高のエリートになるんですね。


「日本文化の担い手としての、最高級エリート」


と、呼んでいいと思いますね。


だからこそ、「お笑い」も「知恵者」も求められるんです。


「知識者」は「俺偉い病」の人間が多いですから、十分注意です。


特に「知識のプレゼン」をして、「ドヤ顔」するひとは、周囲から嫌悪されますから、注意してくださいねー。


だって、「ドヤ顔」って、不快な「負のエネルギー」そのものだからね。


しかも、「知識者」って、「俺偉い病」にかかっているマザコン男である確率が以上に高いので、わかる女性には徹底して嫌われますから。


基本動物の個体として、「弱い」ですからね。成功体験しか積んでいないので、人間が弱いまま・・・それじゃあ、物事わかっている大人の美しい女性には嫌われます。


ま、マザコン男って、だけで蛇蝎の如く嫌われますからね。


男性に求められるのは、人間性のデカさと強さですから・・・この2つのアイテムの保持こそ、女性に愛される重要アイテムの保持につながりますから。


ま、がんばりましょう。


というわけで、そういう、日本の職業の中でも、最高級エリートへ至る道なんですから・・・キーコさんには甚だ大変・・・と言えるでしょうね。



ま、やっと一歩を踏み出した・・・そういう感じでしょうか。



しかし、A子さんを帰らせたキーコさん、「この女、めんどくせー」・・・というのが、美人で気の回る女性が好きな僕の正直な気持ちでしたけどねー。



僕も並な男ですからねー。



と、「ちりとてちん」のレビューは以上でーす。ボルさん、これで楽しめるかな?(笑)。もう書き方も定番を創りだそうと必死ですよ。


この努力こそ、自分に資するものですけどね。


出来る大人の女性の協力者の理解を得ながら、日々毎秒修行する・・・それこそ、「知恵者」の生き様です。はい。



さて、「ごちそうさん」の方ですー。


えー、「あらすじ」行きましょうか。


えー、朝の食卓で、和枝姉さんの様子をうかがっていた、お静さんは、

「あんた男出来たやろ」

と、1分で見抜き・・・「あら、悠太郎さん皆に言うたの。ま、別にいいけど、株の話聞いてるだけだから」と開き直る和枝姉さん。

「いや、その、あの」

と、狼狽しまくる、悠太郎さんと、めいちゃんと、そして「西門子供スターズ」の司令官、希子ちゃんです。


ま、もちろん、「週の中盤は、感情大爆発の日」と決まってますから、そこから和枝姉さんとお静さんの竜虎の対決が・・・。


「わたし達は一回とて、あなたが出て行くことを引き止めたことはないんだす」


と出ていけ攻撃を仕掛ける和枝姉さんに、

「あんたの父さんがどうしてもって頼み込むから、いてやってるんやないの!」

と、お静さんも大激怒・・・まあ、「西門子供スターズ」は何も出来ず、その様子を見守るばかり・・・最期カッとなったお静さんが立ち上がったところで、

悠太郎さんが力ずくでそれを停め、竜虎の対決は終了したんですねー。


まあ、めいちゃんがそれとなくお静さんの意向を聞いたりするんですが、何も言わないお静さん・・・ということで、何も出来ないめいちゃんなわけです。


で、「うますけ」でメレンゲをつくっているめいちゃんのところへ、ムロイさん登場、

「ハモニカはスィーツなんだって。ハモ料理に見立てて、白くてやわらかくて、ふたっとした寒天みたなもの?ハモに似た寒天から「ハモニカ」なんだって!」

と、ムロイさんに言われためいちゃんはすぐに師匠に相談。


「お静さんしきり食べたがってるんだけど、「ハモニカに関連する思い出とか、ない?」と聞くけど、「知らんなあ」の師匠。


で、話題はいつの間にか、どうやって、お静さんに結婚を認めさせたか・・・っちゅー話へ。


「俺の一目惚れやったんやけどな。まあ、結婚してくれて頼み込んでも、奥さん死んで一年も経たんのにってけんもほろろ」

「そやさかい、わて、一策を講じまして。ひとりで千代菊(お静さんの芸姑名)をあげて、薬入りの酒飲まして酩酊したところで、「結婚する」っちゅー一筆書かせて」

「一筆もろたら、こっちのもんや。で、納得ずくで結婚してもろたわけや」


えー、最低です!!


もちろん、それておいて、ポイですから、めいちゃん大激怒!


怒りながら「うますけ」に戻り、氷削ってましたが・・・うますけさんも桜子さんも、ムロイさんも、

「天神祭にお母さんの為に「ハモニカ」作ってやればええやん」

という雰囲気に・・・もちろん、そこで、出てくるのは、「西門子供スターズ」の司令官、希子ちゃん。

「天神祭やし、やりましょ」

と指令を発し、

「そうね。やろうか」

と納得するめいちゃんなのでした・・・レシピに頭悩ましてましたけど。



で、当の本人のお静さんですが・・・度々、独り身を囲って、寂しそうにしているおとうさんを見に来ていたんですね。ま、女性の影がちらほらするし・・・、

どう思ったのか・・・。


で、今日の最期、お静さんは、

「芸姑に戻る」

という選択をしていました・・・どうなることやら・・・で、ちょんです。


まあ、朝ドラというのは、脚本家さんの人間関係に対する哲学のプレゼンでも、ありますから・・・これ以前にあったエピソードで、

東京時代・・・桜子さんのセリフに、

「男はやっぱり、追っちゃ駄目なのよ。追わせなきゃ」

というのが、ありましたねー。


それ的展開なのかなと正直思いましたねー。


自分に振り向いてくれない西門正蔵さんに・・・芸姑に戻る、西門を出る・・・と見せかけて、あたふたやってくる正蔵さんをおびきよせ、

仲直り・・・その場に「ハモニカ」もある・・・そんな感じかなと思いましたねー。


昨日、予想した・・・正蔵さんが「ハモニカ」持ってくる・・・というストーリーとは逆ですけどね。


あるいは、「ハモニカ」料理を完成させた、めいちゃん&希子ちゃんが、正蔵さんに持たせて・・・お静さんと正蔵さんの逢引きを設定し、

楽しい時間を過ごさせてから、西門の家に来て、天神祭のお獅子が来るのを家族皆・・・和枝姉さんは外出中・・・楽しく待つみたいな作劇も考えられますねー。


しかし、今日見て思ったのは、

「自分のしあわせを後押ししてくれる、「しあわせコミュニティ」の仲間は大切だなあ」

ということですね。


具体的に言えば、まず、悠太郎さん、めいちゃん、希子ちゃんで構成される「西門子供スターズ」は完全にめいちゃんの「しあわせコミュニティ」だし、

こちらも希子ちゃんが司令官を務める「うますけパートナーズ」のうますけさん、ムロイさん、桜子さん」も、めいちゃんの「しあわせコミュニティ」なんですよね。


さらに言えば、天満天神市場の人々も、皆、めいちゃんの「しあわせコミュニティ」の仲間だし・・・。


要は人間、しあわせになりたいと思ったら、自分用の「しあわせコミュニティ」を作ればいいんですよ。

その「しあわせコミュニティ」の中で、「和を以て貴しとなす」が出来れば、日本人は最高のしあわせを感じられる・・・そういうことです。


で、そのメンバーも、たくさんの経験をしてきた、本当の大人の男性や女性がいれば、それでいいんですよ。


まあ、僕もボルさんや、美田園社長やら、いろいろな大人の女性に支援されていますから・・・しあわせに生きられていますけどねー。


ああ、ユキちゃんにも支援されてるな・・・って書くと、ボルさんも美田園社長も、ユキちゃんも喜ぶだろうし・・・。


僕的には、そういう「ハッピーエナジー」を支援者の女性に与えるからこそ、

「情けは人のためならず」

状態になって、「ハッピーエナジー」が帰ってくるってことになりますから・・・。


リアルライフこそ、充実させなければ、ね。


さて、今週僕が食いついているのは、西門のおとうさん、正蔵さんなわけです。

このひとはどういう「しあわせ哲学」の持ち主なのか・・・そこが非常に気になるわけです。

まあ、自分が悪者になることで、場が平穏になることを知っている、非常にモノのわかっている大人の男性だったりするわけです。


まあ、女性が集まってくる・・・女性の方から、何かと気にかけてくる・・・ま、人間性がデカイ・・オスの固体として、非常に強い、

まあ、「めぢから」が非常に強く、空間支配力の強い男性なわけです。


これ、そういう男性は、子供が一番すぐ見抜きますね。


僕は、小学生のスポーツ少年団などに、外で会うと、絶対に帽子を取って挨拶をしてくれます。僕の「めぢから」極大的に強い様を見て、子供は自分がすべきことを、

判断するわけですよ。子供の頃、そうやって判断していたことを、今のおとなは忘れていますねー。


だから、お辞儀って、「めぢから」が強い人に自分の視線を合わせられない・・・そういうめぢからの弱いひとが、動物の個体として、「負け」を認める行為なんですよね。


そこから、儀礼化してきた・・・ま、お辞儀があるのは、日本だけみたいですからね。他の国のめぢから関係はどうなっているのか、不思議ですけどね。


ま、話を戻しますが、めぢから強くて、知恵のたくさんある大人の男性は女性に恋される確立がシビアに上がりますから・・・正蔵さんはそういう状況にあるんでしょうね。


まあ、最低でしたけどねー、今日の話は。


でも、寂しがりや、なんでしょうね。しきりに孤独に酒を飲んでいる様が・・・表現されていますからねー。


だから、西門の家に戻りたい、という気持ちがないわけではない・・・そういう表現なんでしょうね。


というか、家の前を通る子供たちの声に反応している感じですからね。


あれくらいの年齢になると・・・やはり家族が恋しくなるんでしょうね。


つーか、しょうが天出てましたが・・・あれは関西の味ですよねー。美味しいんだ・・・懐かしい大阪の味です。


ま、今日はそんな感じですか。


というわけで、明日も朝ドラ、楽しみにしていきましょう!


ではでは。

12月4日 活躍の糸口の話!(価値を知る大人の女性が動き出す!)

2013年12月04日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

最近、なんだか、いろいろな大人の女性に言葉をかけられるようになって、

僕の人生もドンドン動いていくような状況になっています。


ま、人生のステージがちょっとあがって・・・そういうことのような気がしていますねー。


さて、今日もちょっと昨日の続きを書いちゃいましょうかねー。ま、いろいろな話があったので・・・。


ま、美田園社長は、美味しい高級フレンチをごちそうしてくれながら、いろいろな話をしてくれました。

「ってことは僕は人生のベクトルとしては、「真の大人の男性」になる道へ向けて、正しく歩いてこれたってことですか?」

と、僕は全人生的に大事な疑問をぶつけてみます。

「そうよ。人生とがっつり向き合って全力で生きてきたからこそ、いろいろな困難にもぶつかってこれたし、それを跳ね返してきたからこそ、大きく成長したの」

と、美田園社長は言ってくれます。

「あなたの言う「俺偉い病」と「逃げ込み者」は、結局人生と向き合うことから逃げちゃってるから・・・成長出来ないばかりか、成長がその時点で止まったり」

「劣化しちゃったりしているのよ。そういう男性はケツの穴が小さいし、人間が弱いわ。そういう男性は女性から一切相手にされない・・・孤立するの」

と、美田園社長は言ってくれます。


「なるほど・・・僕は今、けっこうなお偉いさんから好意を持たれて支援されている状況だけど、そういう「俺偉い病」や「逃げ込み者」の男性は・・・」

「ケツの穴が小さいから、あらゆる女性に嫌悪され、孤立する結果を生むんだ・・・」

と、僕は言葉にします。

「だから・・・男性を見る時に、たくさんの大人の価値のある女性に支援されているのか、女性全員から毛嫌いされ、孤立化しているかどうかを見ればいいのよ」

と、美田園社長は言ってくれます。

「女性は人間性のデカイ、人間性の強い男性を好むし・・・ケツの穴の小さい、人間的に弱い男性を毛嫌いするからね」

と、美田園社長は言ってくれます。


「つまり、人生って・・・人間性をデカく出来たもん勝ち・・・そういう話になるんですね?」

と、僕は言葉にします。

「そ。まあ、だから、わたしは、男性は30歳から・・・それ以前の男性は一切価値は無いと思っているわ」

と、美田園社長は言います。

「美田園社長の会社・・・女性は18歳から採用するのに、男性は30歳以上から・・・しかも、見込みのある、独立したクリエイターだけを採用しているんですよね?」

と、僕が言います。

「女性はしごき甲斐があるけど、今の男性は弱いから、一切価値にはならないの。だから、フリーに独立してくる人間性の強い男性しか採用しないのよ」

と、美田園社長は言います。

「だいたい、わたし、「サラリーマン」の男性なんて、大嫌いだし」

と、美田園社長はすごいことを言っています。

「え?でも、社長の社員は、「サラリーマン」なんじゃ?」

と、僕が言うと、

「あら、ゆるちょくんらしくない暴言ね。わたしの言う「サラリーマン」の意味は、毎秒自分の価値を追求出来ていない、いわば、月給の為だけに働く人達よ」

と、美田園社長は苦笑しながら、僕に言います。

「女性に愛されない・・・女性から嫌われているようなケツの穴の小さいを男を指してるの。自分に価値が一切無いから、他人を嫉妬しちゃうようなそういう駄目な男」

と、美田園社長は言葉にします。

「今の10代、20代の男性って、そういうオトコ達ばかりじゃない。わたしは自分の価値を追求できる男たちしか相手にしないわ。時間の無駄だもの・・・」

と、超スパルタんな美田園社長はそう言って苦笑します。

「はっきり言って、わたしはオタクなオトコ達が嫌いなの。ネット隆盛のこの時代、ネットで調べてそれ相応の知識を持つ事は誰だって必須項目でしょ?」

と、美田園社長は、どっかで聞いたような話題を振ります。

「これ・・・ユキちゃんが言ってたのと同じ話だ・・・さすがリアリストで、辛辣な女性は発想が似てくるんだなー」

と、僕は密かにそう考えます。

「オタクってのは、ただ自分の知識欲を満足させているだけの「人間力」のからきしない「逃げ込み者」だから・・・ふしあわせスパイラル一直線でしょう?」

と、美田園社長は、僕に聞きます。

「そうですね。彼らは目のある女性には、一切モテない・・・むしろ、気持ち悪がられて、徹底して嫌われていますからね」

と、僕は言葉にします。

「まあ、要はネットに逃げ込んでいるようなものだし、「逃げ込み者」は成長が止まるし、むしろ、劣化するからね。「リア充」という言葉を敵と見ているようだしね」

と、美田園社長は笑っています。

「ま、「逃げ込み者」が「リア充」状態になることは、金輪際ありえないし、はっきり言ってマイナス価値なんだから、同じ星にすら、居てほしくないわ」

と、美田園社長は辛辣にモノを言います。

「美田園社長を怒らせると、半端無く怖いですからね・・・今の目、怒りに震えていましたよ」

と、僕が指摘すると、

「ま、いいわ。思考することすら、不快だわ、ああいう人達は」

と、美田園社長は怒りに震えていました。


「まあ、だから、うちの部下達にも、いっつも言ってるの。「「サラリーマン」には、なるな」って。「常に自分の価値を追求する優秀なクリエイターになれ」って」

と、美田園社長は言います。

「人は、毎秒真摯に自分の価値の追求が出来るから、いろいろな経験を積めて、ネガティブをポジティブに変えていく方法を勉強出来て、成長していけるのよ」

と、美田園社長は言います。

「今の30歳以下の男たちのように、痛みを恐れてただ逃げまわっているだけでは、そこで成長は止まるし、むしろ劣化して、女性から蛇蝎の如く嫌われ、孤立するだけよ」

と、美田園社長は言います。

「「世界に一つだけの花」って歌があるじゃない?あの歌が好き!なんて言ってるオトコはそれこそ、うちの会社だったら、即クビだわ」

と、美田園社長は強い意思を感じさせる表情で、言い切ります。

「「いるだけで価値がある」なんてそんな発想・・・ただ弱いだけの人間じゃない・・・それこそ、周囲も巻き込んで劣化させるオトコだわ。世界の敵よ」

と、美田園社長は怒り気味。

「なぜ、オトコとして、生まれたのなら、世界一を目指さないの?目指すべきでしょ?だって、世界一を目指さなかったら、始めから世界一になる勝負を避けている事になる」

と、美田園社長は強い口調で言います。

「まともな男は世界一を目指すから、世界一への道が開けることを知っているわ。それをしないのが「サラリーマン」。だから「サラリーマン」は嫌いって言ってるの」

と、美田園社長は言います。

「ただ給料を貰うためだけに日々、安穏として、生きている・・・そんな男、マイナス価値よ。周囲が迷惑だわ」

と、美田園社長は言います。

「そういう男性は我が社には採用しないわ・・・時間の無駄だもの・・・」

と、美田園社長は言います。


「むしろ、わたしは、あなたのような男性を支援しながら、あなたに着いて行く道を選ぶの」

と、美田園社長。

「僕についてくるんですか?」

と、僕はびっくりしてしまう。

「あなたは世界をリード出来る程のパワーを持っているわ。あなたの知恵はあなたオリジナルだし、ある意味世界一のレベルと言ってもいいもの」

と、美田園社長は笑顔で言ってくれる。

「あなた、そう言えば、「前世占い」で、似たような事言われたって、前言ってたじゃない?」

と、美田園社長は僕の話をよく覚えている。

「ええ・・・僕はいつの時代のいつの世でも、たくさんの軍隊を率いて熱く戦った優秀な司令官役だった・・・そう言われました。前世占いの占い師の女性に・・・」

と、僕はその話を説明します。

「今のあなたは・・・その司令官役そのものじゃない?世界はこれから、二極分化するんでしょ?「リアル・ニュータイプ」になれる人間となれない人間に・・・」

と、美田園社長は、僕の話をよく覚えています。

「わたしももちろん、「リアル・ニュータイプ」になりたいから、「ハッピーエナジー」採集は、毎秒シビアにやってるわ」

と、美田園社長は言ってくれます。

「あなたをおいて、わたしだけ老けるわけには、いかないもの・・・肌のメンテナンス機能は止めるわけにはいかないもの・・・」

と、美田園社長は言ってくれます。

「その為にも・・・あなたのように強力なめぢからを持つ男性にコンスタントに、目を合わせてもらう必要があるのよ・・・」

と、美田園社長は言ってくれます。

「ま、今日のデートはその為でもあるの・・・あなたに見つめられていると、普通に快感を感じるし、気持ちいいもの・・・」

と、美田園社長は言ってくれます。

「わたしは、「劣化者」には、なりたくないから・・・いつまでも、美しくしていたい・・・ストップエイジングによる「八百比丘尼化」は女性にとって急務だわ」

と、美田園社長は言ってくれました。

「だから・・・「リアル・ニュータイプ理論」をまとめあげた、あなたこそが、世界を背負って立たなければいけないのよ。これからの時代をリードしていくのよ」

と、美田園社長は言ってくれます。

「わたしは、そういう強いリーダーシップを発揮する、あなたについていくの・・・それがわたしのこれからの人生よ・・・」

と、美田園社長は言ってくれます。

「結婚というカタチは取れないけど・・・あなたの最大の支援者として、あなたについていきます。わたし・・・」

と、美田園社長はいいました。

「うーん・・・まあ、ちょっとこそばゆいですが・・・美田園社長に支援頂けるのなら、僕はリーダーとして、時代をリードしていかなければ、いけないでしょうね」

と、僕。

「でないと、あなたに怒られてしまう・・・それだけは避けたいですからねー」

と、僕はニヤリと笑う。


「それから、あなたはわたしやボルさん、他の経営者の女性に求められる人生に入ったわ・・・大人の第三者に評価された時、その人間は初めて価値を持つ・・・」

「あなたはいつもそう言ってきたわね・・・あなたこそが、今、その状況に入ったのよ・・・」

と、美田園社長は言ってくれる。


「だから、あなたは早晩、言葉を出す場がネットから、一般書籍に変わっていくわ。だから、あなたはもう、今の10代や20代を相手しなくてもいいの」

「今の10代と20代は早晩不幸になって消えていくわ・・・」

と、美田園社長は辛辣に言葉を出します。

「彼らは一切自分に価値を作れないから・・・この日本は価値の作れない人間には、活躍の場を与えないもの・・・だとしたら、消えていくしかないでしょ?」

と、美田園社長は怖いことを言っている。

「なかなか、スパルタンな見方ですね。まあ、でも、価値を持てなければ・・・早晩、消えていくのは避けられない事態でしょうからね」

と、僕は言葉にっします。

「あなたは、わたしやボルさんの世代の真の大人の女性にその価値を認められたの・・・だから、今後はそういう価値のある女性や男性を動かしていきなさい」

と、美田園社長は僕に言います。

「あなたの存在が世界に知れたら・・・仕事のオファーが殺到するわよ。「しあわせになる為の知恵」はそれこそ、全世界の人間の垂涎の商品になるんだから」

と、美田園社長は話します。

「知ってる?経営者の女性というのは、世の中をシビアに辛辣に見える人間にこそ、なれる仕事なの。わたしはあなたの将来が光り輝くモノになることを見越してるわ」

と、美田園社長は話します。

「ま、すぐにあなたは世界中から仕事のオファーを受ける身になれるわ。世界を飛び回る、世界的VIPになるのよ・・・あなたは世界で愛されるでしょうね」

と、美田園社長は話します。

「だから、わたしは今のうちに、あなたとデートをしておくの・・・大きくなっていく男は、女性が見つけるモノだけど・・・他の女性も見つけ出したら、速いわ」

と、美田園社長が言葉にします。

「あなたの人生ドンドン変わっていくわ・・・つまり、あなたは・・・世に出る修行は終わり・・・これからは世界的に活躍する時間になるの」

と、美田園社長は言葉にします。

「その時間まで、すぐよ・・・出生する男ってその糸口さえ見つけちゃえば、あとは速いものだもの・・・わたしは少し寂しいけどね・・・」

と、美田園社長は言葉にした。

「ま、その代わり、あなたの出世の様子を、高校からドラフト入りしたプロ野球のピッチャーのように、育成ソフトのように楽しむわ。がんばってね」

と、美田園社長は言葉にしてくれました。


その瞬間、お互い、笑顔笑顔になれました。


(おしまい)


しかし、今更ながらですが、

「トレーニングは嘘をつかない」

ということなんだろうなと思いますね。


脱サラして、実家に逃げ込んだ時は・・・僕の手の中には、何もなかった。

でも、毎日毎秒トレーニングを欠かさなかった結果、

今、僕の手には、いろいろな知恵が溢れている。


その知恵が僕を次のステージに連れて行ってくれる・・・そういう思いですね。


さ、今日も頑張ろう。トレーニングトレーニング!!


ではでは。

「ラブ・クリスマス!」(ボクとワタシのイブまでの一週間戦争!)(9)

2013年12月04日 | 過去の物語
クリスマスイブ6日前の日曜日の午後6時頃、東堂賢一は、夫婦揃って牡蠣鍋を囲んでいた。

「いやあ、やっぱり、冬は牡蠣鍋だねー。牡蠣の美味しいこと・・・ハフハフ・・・美味い!」

と、日本酒をやりながら、の牡蠣鍋はやはり堪えられない。

「あなた・・・今日エイイチさんと電話で話したんだけど・・・」

と、愛美が話しだす。

「おお、なにかあったか?」

と、賢一は、普通に返す。

「エイイチさんが、お詫びを言ってきたの。キャバクラであなたの携帯の電話番号を教えるようなことをしてって・・・」

と、愛美は話している。

「おお、そのことか。なんて言ってた、エイイチは?」

と、素直に聞く賢一だった。

「少し酔っぱらい過ぎてたって、申し訳ないって言ってたわ・・・女の子にどうしても教えてほしいって言われて、つい教えちゃったんだって」

と、愛美は話している。

「あいつ、普段は謹厳実直な癖に、酒と女に弱いからな・・・まあ、俺もそれを知っていて、ああいうところに連れていったんだから、自業自得でもあるがな」

と、賢一は鷹揚に話している。

「でも、なんとなくだけど・・・」

と、愛美は何かを言いたげ。

「なんだ、お前が言い淀むなんて、珍しいな」

と、賢一。

「エイイチさん、アイリに失恋したのは、仕方ないとして・・・誰か、エイイチさんに良い相手、いないかしら。気のつくような女性・・・」

と、愛美は言う。

「季節的にも、クリスマス・シーズンだし・・・なんか、しょんぼりしてたわ、エイイチさん・・・」

と、なんとなく弱っている男性にやさしくしてしまう愛美だった。

「うむ、そうだな・・・元はといえば・・・俺の策につきあわせたのが、いけなかったんだからな。エイイチくんの気持ちを弄んだ形になってもいるからな、俺は」

と、タケルとエイイチの対決を組んだ張本人の賢一だった。

「そうよ・・・責任は、あなたが、とらないといけないんじゃないかしら?」

と、さらりと賢一を見る愛美だった。

「う、うん・・・まあ、こころあたりでも・・・」

と、賢一が言ったところへ、携帯が鳴る。

「ったく、また、こういう時間に・・・」

と、携帯へ出ると、賢一の顔が見る見る青くなる。

「だから、レナちゃん、困るんだよ、この電話にかけられると・・・この番号は、顧客に連絡してある番号だから、おいそれとは変えられないし・・・」

と、賢一は電話をしながら、目の前の愛美の表情が、どんどん白くなっていくことに気づいていた。

「ね、お願いだから、もう、ここに電話しないで、ね。お願いだから、ね」

と、電話を切った、賢一だが・・・白い顔をした愛美は、すぐに席を立ち、ダイニングから出ていった。

「まずいなー・・・いかんぞー・・・」

と、頭を抱える賢一だけが、ダイニングに残っていた。


同じ頃、イズミと美緒は、居酒屋「楽静」の個室で、差し向かいでお酒を飲んでいた。

美緒が、イズミのお猪口に日本酒を注いであげて、イズミがその日本酒を飲み干していた。


二人とも差し向かいで、お互い、やわらかい表情だった。


そのうち、美緒がせつなそうな表情をすると、イズミは立ち上がり、美緒を抱きしめ、お互いの目を見つめるようにしながら、目を閉じてキスをした。

長い長いキスだった。

キスが終わった時、美緒は、少し恥ずかしそうにしながらも、はにかむような、笑顔になった。

そして、今度は、美緒の方から、イズミの唇にキスをした。


と、そんな時に、イズミの胸ポケットに入っていた携帯電話が鳴り出した。

「う、会社からか・・・」

と、イズミは舌打ちしながら、携帯に出る。

「沢村です。はい・・・え、本当ですか、それ・・・わかりました。すぐ行きます。1時間以内に。はい・・・」

と言って、イズミは、携帯を切ると、

「美緒ちゃんごめん。会社に急遽戻らなくっちゃ・・・でも、僕はこの携帯に電話してくれれば、いつでも捕まるから、安心して」

と、イズミは、携帯電話の番号をさらさらと手帳に書き、それを破ると、美緒に渡した。


美緒は、そのイズミに抱きついて、

「強く強く抱きしめて・・・」

と言った。


イズミは、何も言わず、無言で、美緒を強く強く抱きしめた。


クリスマスイブ6日前の日曜日の夜、午後7時頃。その日一日、アミと横浜デートをしていたガオは、自宅アパートにたどり着いていた。

「ふー」

と、ガオはため息をついていた。

アミに言われたダメ出しに、けっこう傷ついていたガオだった。

「アミさんから見たら、俺って、まだまだなのかー」

と、時間が経つにつれて、アミから言われた様々な言葉が、リアルな駄目だしとなって、ガオの心を傷つけていた。

「アミさんって、本当の大人の女だったな・・・俺がドMだったなんて・・・今まで誰にも言われたこと無いのに・・・それをあの短い時間で見抜いてた・・・」

と、ガオは、アミのすごさを素直に認めていた。

「外見は、あんなに少女のような外見なのに、中身は、本当の大人のおんな・・・素敵なひとだ、アミさんって・・・」

と、ガオは素直に思う。

「俺、あんなひと、今まで見たことがない・・・というか、話したことすら、なかったもんな。俺の逢ってきた女達とアミさんは、レベルそのものが全然違う・・・」

と、ガオは思い至る。

「男は女性に因って変わる。女性はつきあう男に因って変わるとは、言うけれど・・・アミさんみたいな大人の女性とつきあっていたら、大きくもなるだろうな・・・」

と、ガオは素直に思う。

「というか、アミさんのポテンシャルが、そもそも半端ないし・・・彼女の求めている男のポテンシャルも半端ない・・・俺は逆立ちしたって、無縁の世界だ」

と、ガオは思う。

「俺は、今まで、何をやってきたんだ・・・」

と、少し落ち込むガオ。

「あーダメだ駄目だ。こんなことで、落ち込んでいては・・・酒でも飲もう」

と、ガオは赤ワインを出してきて、昨日の残りのバケットにローストビーフを乗せて食べ始める。

赤ワインで流して・・・チーズも食べる。

「しかし・・・そのアミさんが、夢中になっている鈴木って、どんだけのポテンシャルを積み上げてきたんだろう・・・」

と、ガオは思う。

「アミさんから見れば、俺と鈴木には、天と地ほどの差があったんだろうな・・・だから呆れてたのか・・・」

と、ガオはそこに思い至る。

「俺は今まで、何をやってきたんだろう・・・会社で仕事ばかりしてきたから・・・大事な男性としての修行を怠ってきたということか・・・」

と、ガオは哀しい。

「俺はこれから、どうやって、男性としての修行をやっていけばいいんだ・・・」

と、ガオは頭を抱えて悩む・・・。


「あなた、もう一回りも二回りも大きくなる為に、このミサって女との恋を思い切り利用しなさい」


アミが言った言葉が、ガオの心の中に蘇る。

「そうか・・・そうだ。アミさんが答えをくれてたじゃないか」

と、ガオは気づく。

「それに、アミさんだって、僕に、アドバイスをしてくれるんだから・・・」

と、ガオの表情が晴れやかになっていく。

「よし。俺はリサさんとの恋と、アミさんのアドバイスで、一回りも二回りも大きな男になってやる!」

と、決意を固めるガオだった。

「やってやるんだ!」

と、気合をいれるガオだった。


同じ頃。東堂エイイチは、都内のとあるフレンチ・レストランで、お見合いパーティーに出席していた。

華やかな服装をした紳士淑女が集い、それぞれが思い思いの相手と談笑していた。

「あ、あのー、僕、弁護士をやっている東堂エイイチというものですが・・・」

と、エイイチは必死に自己紹介を試みるが・・・。


最初こそ、エイイチのイケメンな見た目と、弁護士という肩書きに女性の目はハートマークになるが・・・話している内に女性がフェードアウトしていくのが常だった。


鈴木タケルとのディベート勝負で圧倒的な差をつけられて敗れたことが・・・彼のコンプレックスとなり、自信を失わせていた。

自分の人生に自信の無いオトコなぞ・・・自分の人生に自信のある、素敵な大人の女性達の結婚相手にはふさわしくなかった。


そのうち、そのうち・・・気のめいったエイイチはワインをがぶ飲みし・・・酔って椅子に座っているのが、精一杯という感じになっていた。


「大丈夫ですか?ご気分でもお悪いの?」

と、ひとりの小柄な女性が話しかけてくる。

「少し酔ったみたいで・・・僕、こういうのに、慣れていないんです。恥ずかしながら」

と、エイイチは、少し酔っているせいか、自然と話すことが出来た。

「あなたも・・・。わたしも、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、今日、来たんですけど・・・わたしも慣れなくて・・・」

と、女性は安心したように、横に座ってくる。

「わたし、美田園美奈、と言います。27歳。家事手伝いなんです」

と、その女性は自己紹介してくれる。

「僕は東堂エイイチ。30歳。弁護士やってます」

と、自然な笑顔で笑うエイイチ。


美奈も自然な笑顔だった。


クリスマスイブ6日前の日曜日の午後8時頃。リョウコはアイリのマンションにまだ居続けていた。

「リョウコちゃんは、何時頃、ここを出ればいいの?」

と、夕飯の後片付けをしながら、アイリが普通に質問している。

「えーと、ここからなら、今日は30分程度でいける場所ですから・・・8時15分に出ます」

と、リョウコは話す。

「じゃ、お茶一杯くらいは、飲めるわね。ほうじ茶で、いいかしら?」

と、アイリは笑顔になりながら、お茶の用意をしている。


その瞬間、アイリの電話機がルルルルと鳴り出す。


「こんな時間に誰かしら・・・」

と、アイリが電話に出ると、

「もしもし、アイリ?おはよう・・・っていうか、そっちは夜か。こんばんわだな」

と、相手は鈴木タケルだった。

「もしもし、タケル!タケル逢いたいよー。もう、半月も会ってないんだよー。もう、寂しくて死にそうだよー」

と、アイリは、それまでの冷静さ、お姉さん的振る舞いはどこへやら、完全にひとりの少女に戻っている。

「そう言うだろうと思ってさ。元気か、アイリ?泣くなよ、寂しいからって」

と、タケルは冷静に話している。

「あ、そうだ。リョウコちゃんも来てるんだよ。ねえ、リョウコちゃん、ほら、タケルタケル」

と、アイリはリョウコをすぐに呼ぶと電話を代わる。

「あ、もしもし、タケルさんですか?元気ですか?タケルさんのお姿が早くみたいですー」

と、リョウコも、そこは本音で話してしまう。

「いやあ、今日はアイリのマンションに、リョウコちゃんが来てるかな、と勝手に思ってねー。祐の告白レッスンしてくれた?」

と、タケルはペンディングを冷静にフォローするシステムエンジニアのように冷静にリョウコに話を振る。

「あ、そうでした。ちゃんと見てあげましたよ。良い感じに仕上げましたから、バッチリです」

と、リョウコもうれしそうに報告する。

「うん。それは良かった。まあ、祐も、美人な大人のお姉さん2人にレッスンされれば、まあ、本番は問題ないだろう」

と、タケルはそこを心配して電話したのだった。

「タケル、リョウコちゃんは、それはそれは熱心にがんばってくれたのよ。それと、わたしも、がんばったからね!」

と、アイリはタケルのお褒めの言葉が欲しい。

「ああ。アイリはそれこそ、一生懸命がんばってくれると思ってたから。ありがとな、アイリ。そして、リョウコちゃんにも、そう言っておいて」

と、タケルは鷹揚に話す。

「おっと、そろそろ仕事行かなきゃ・・・また、電話するから」

と、タケル。

「ちょっと待って・・・やっぱり、年末は帰ってこられないの?」

と、アイリは哀しそうに質問する。

「うん、今のところ無理だなあ・・・課長のスガさんが帰って来いって言うなら話は別だけど、それもなさそうだし」

と、タケルはしれっと話している。

「そうか・・・そうよね・・・身体に気をつけてね、タケル」

と、アイリはタケルのことを心配している。

「ああ・・・リョウコちゃんにも、よろしく」

と、タケルが言うと、すぐさまリョウコに代わるアイリ。

「もしもし、タケルさん、タケルさんの方こそ、身体に気をつけてくださいね」

と、リョウコも話す。

「お、リョウコちゃん・・・アイリ寂しがってるから、リョウコちゃん、話し相手になってあげて・・・悪いね」

と、タケルはリョウコにだけ、こそっと話す。

「はい、わかりました・・・アイリさんに代わります」

と、受話器をアイリに渡すリョウコ。

「とにかく、アメリカは、風邪も流行っているっていうから、気をつけてね。タケル」

と、アイリが言うと、

「おう。また、電話するから。じゃね」

と、タケルが言って電話は切れた。


アイリとリョウコは、なんとなく疲れて・・・椅子に座りこんだ。


「なんか、疲れましたね」「そうね」

と、それでも、タケルの声を久しぶりに聞けた二人は微笑んでいた。


同じ頃。アミは、自宅のマンションで静かに音楽を聞いていた。


アミは、スズキのマリネと、タコのトマトソースパスタを肴に白ワインを飲んでいた。

ダイニングテーブルの上には、タケルとアミの二人で撮った写真が飾ってあった。

「アイリもお人好しすぎるわ。こんな写真も撮ってくれるし・・・」

と、アミは、白ワインを飲みながら、考えている。

「でも、それは、タケルくんが、絶対に浮気しないっていう、アイリの確信でも、あるか・・・」

と、その写真の隣に飾ってある、アイリとマキとアミの写真を見ながら思うアミ。

「タケルくん、今頃、ニューヨークで、どうしてるかな・・・」

と、アミは、タケルの面影を思い出し、少し嬉しくなりながら、ワインを飲み干し、満足気な笑みを浮かべた。


クリスマスイブ6日前の日曜日の夜は、そんな風に更けていった。


つづく

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